転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

文字の大きさ
上 下
407 / 937
第二十三章 ルルーさんの結婚式と新たな命の誕生

五百六十六話 クラヴィーアさんとルシアさんのおめでたい話

しおりを挟む
 ナイツ子爵領の事は偉い人にお任せしていて、僕達には別の仕事があります。
 それは、ブランダーク男爵領で行われる結婚式の準備です。
 ランディさんとルルーさんの婚約はジンさんとアレクサさんの結婚式で発表されて、当初は男爵の結婚式なのに外国の要人まで集まるとんでもない物になる予定でした。
 しかし、あの魔獣騒ぎが各国でも起きたので、流石に結婚式に参加する事ができなくなりました。
 こればっかりは、しょうがないよね。
 そして、打ち合わせを兼ねて関係者が辺境伯様の屋敷に集まった時に、驚愕の事実が発覚しました。
 しかも、二つもです。
 先ず一つ目は、今回の結婚式の関係者です。

「あの、私もランディと婚約する事になりました」
「「「おめでとー!」」」

 顔をちょっと赤らめて報告したのは、クラヴィーアさんです。
 実は僕も皆も、クラヴィーアさんとランディさんはいずれは婚約するんじゃないかなって思っていたんですよ。
 元々二人は生徒会で一緒に働いていたし、クラヴィーアさんもルルーさんに付いていく形でちょくちょくブランダーク男爵領に行っていたもんね。
 クラヴィーアさんの実家の公爵家も勿論大賛成だったけど、商務卿と男性陣がまた号泣していたっけ。
 ただ、クラヴィーアさんは公爵家出身なので、ルルーさんに気を使っていたみたいです。
 爵位の関係もあったけど、ルルーさんが正妻でクラヴィーアさんが側室で収まった様です。
 一緒に結婚式を挙げる事になったけど、結局は参列者が変わらないので何も問題はありません。
 商務卿と公爵家の男性陣が、結婚式で号泣するのは確定しているけどね。

「あはは、私も婚約する事になっちゃいました」

 そして驚愕の事実その二は、何とルシアさんが辺境伯家に嫁ぐ事が決まったのです。
 この婚約を取りまとめたのは、他でもないイザベラ様とソフィアさんでした。
 というのも、ルシアさんは冒険者として何回も辺境伯家で働いていたけど、辺境伯家の双子ちゃんにも好かれていたり街の人にも好評だったのがポイントだった様です。
 まあ、辺境伯領に来た時に盛大にやらかしていたけど、もう過去の事になっていました。
 そして、来年の春に結婚式を挙げる事が決定しました。

「しかし、ルシちゃんも婚約が決まったんだね。おめでとう!」
「ありがとう、ククリちゃん。本当はククリちゃんが私の弟と結婚するまでは、結婚式を待とうと思ったんだけどね」
「何言ってるのよ。こういうのは早い方が良いよ。それに、私も引き続き辺境伯家のお手伝いをする予定だしね」
「ククリ……ぐす、ありがとう」

 ルシアさんの唯一無二の親友であるククリさんの事が、ルシアさんには引っ掛かっていたみたいです。
 ルシアさんの結婚式は、早くても三年半先になります。
 でも、ククリさんは全く問題ないと涙目のルシアさんを抱きしめていました。
 まあ、結婚してもやる事は今までと変わらないし、僕は大丈夫じゃないかなと思っているよ。

「うふふ、結婚式が終わればマイクの所にも赤ちゃんが産まれるだろうし、幸せが続くってのは良いわね」
「そうだな。大変な事があったからこそ、幸せっていうのは改めて噛み締める物だ。魔獣騒ぎも一段落したし、とても良い事だな」

 辺境伯樣夫妻も、良い報告が続いてニンマリです。
 何れにせよ、皆おめでたいですね。
しおりを挟む
感想 237

あなたにおすすめの小説

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

誰にも信じてもらえなかった公爵令嬢は、もう誰も信じません。

salt
恋愛
王都で罪を犯した悪役令嬢との婚姻を結んだ、東の辺境伯地ディオグーン領を治める、フェイドリンド辺境伯子息、アルバスの懺悔と後悔の記録。 6000文字くらいで摂取するお手軽絶望バッドエンドです。 *なろう・pixivにも掲載しています。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

えながゆうき
ファンタジー
 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

小型オンリーテイマーの辺境開拓スローライフ 小さいからって何もできないわけじゃない!

渡琉兎
ファンタジー
◆『第4回次世代ファンタジーカップ』にて優秀賞受賞! ◇2025年02月18日頃に1巻出荷予定! ◆05/22 18:00 ~ 05/28 09:00 HOTランキングで1位になりました!5日間と15時間の維持、皆様の応援のおかげです!ありがとうございます!! 誰もが神から授かったスキルを活かして生活する世界。 スキルを尊重する、という教えなのだが、年々その教えは損なわれていき、いつしかスキルの強弱でその人を判断する者が多くなってきた。 テイマー一家のリドル・ブリードに転生した元日本人の六井吾郎(むついごろう)は、領主として名を馳せているブリード家の嫡男だった。 リドルもブリード家の例に漏れることなくテイマーのスキルを授かったのだが、その特性に問題があった。 小型オンリーテイム。 大型の魔獣が強い、役に立つと言われる時代となり、小型魔獣しかテイムできないリドルは、家族からも、領民からも、侮られる存在になってしまう。 嫡男でありながら次期当主にはなれないと宣言されたリドルは、それだけではなくブリード家の領地の中でも開拓が進んでいない辺境の地を開拓するよう言い渡されてしまう。 しかしリドルに不安はなかった。 「いこうか。レオ、ルナ」 「ガウ!」 「ミー!」 アイスフェンリルの赤ちゃん、レオ。 フレイムパンサーの赤ちゃん、ルナ。 実は伝説級の存在である二匹の赤ちゃん魔獣と共に、リドルは様々な小型魔獣と、前世で得た知識を駆使して、辺境の地を開拓していく!

二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?

小平ニコ
ファンタジー
「ディーナ。お前には今日で、俺たちのパーティーを抜けてもらう。異論は受け付けない」  勇者ラジアスはそう言い、私をパーティーから追放した。……異論がないわけではなかったが、もうずっと前に僧侶と戦士がパーティーを離脱し、必死になって彼らの抜けた穴を埋めていた私としては、自分から頭を下げてまでパーティーに残りたいとは思わなかった。  ほとんど喧嘩別れのような形で勇者パーティーを脱退した私は、故郷には帰らず、戦闘もこなせる武闘派聖女としての力を活かし、賞金首狩りをして生活費を稼いでいた。  そんなある日のこと。  何気なく見た新聞の一面に、驚くべき記事が載っていた。 『勇者パーティー、またも敗走! 魔王軍四天王の前に、なすすべなし!』  どうやら、私がいなくなった後の勇者パーティーは、うまく機能していないらしい。最新の回復職である『ヒーラー』を仲間に加えるって言ってたから、心配ないと思ってたのに。  ……あれ、もしかして『ヒーラー』って、完全に回復に特化した職業で、聖女みたいに、防御の結界を張ることはできないのかしら?  私がその可能性に思い至った頃。  勇者ラジアスもまた、自分の判断が間違っていたことに気がついた。  そして勇者ラジアスは、再び私の前に姿を現したのだった……

転生したら使用人の扱いでした~冷たい家族に背を向け、魔法で未来を切り拓く~

沙羅杏樹
恋愛
前世の記憶がある16歳のエリーナ・レイヴンは、貴族の家に生まれながら、家族から冷遇され使用人同然の扱いを受けて育った。しかし、彼女の中には誰も知らない秘密が眠っていた。 ある日、森で迷い、穴に落ちてしまったエリーナは、王国騎士団所属のリュシアンに救われる。彼の助けを得て、エリーナは持って生まれた魔法の才能を開花させていく。 魔法学院への入学を果たしたエリーナだが、そこで待っていたのは、クラスメイトたちの冷たい視線だった。しかし、エリーナは決して諦めない。友人たちとの絆を深め、自らの力を信じ、着実に成長していく。 そんな中、エリーナの出生の秘密が明らかになる。その事実を知った時、エリーナの中に眠っていた真の力が目覚める。 果たしてエリーナは、リュシアンや仲間たちと共に、迫り来る脅威から王国を守り抜くことができるのか。そして、自らの出生の謎を解き明かし、本当の幸せを掴むことができるのか。 転生要素は薄いかもしれません。 最後まで執筆済み。完結は保障します。 前に書いた小説を加筆修正しながらアップしています。見落としがないようにしていますが、修正されてない箇所があるかもしれません。 長編+戦闘描写を書いたのが初めてだったため、修正がおいつきません⋯⋯拙すぎてやばいところが多々あります⋯⋯。 カクヨム様にも投稿しています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。