400 / 936
第二十二章 新たな魔獣
五百五十九話 まだまだお仕事は続きます
しおりを挟む
僕達は応接室から移動して、隠し部屋の会った執務室に向かいます。
「まさか、こんな所に隠し部屋があるとはな」
「取り調べした結果ですと、この隠し部屋は当主と嫡男に闇ギルドの連中しか知らなかったそうです。あの侍従はナイツ子爵家に縁があるというので、たまたま知っていたみたいですな」
内務卿と軍務卿が話をしているけど、僕だってこんな隠し部屋があるなんて気が付かなかったよ。
因みに、あの侍従含めて三人の使用人がこの隠し部屋の存在を知っていて、全員がかなりの事を供述してくれたので捜査が進んだそうです。
違法な状態を知っていたという罪状はあるにせよ、かなりの情状酌量がくまれるそうです。
そして、皆で地下室に入っていきます。
「これは凄いな。地下室のある屋敷は珍しくないが、ここまで豪華な仕様にしているとは」
「表向きは普通の執務室にしておいて、裏では夜な夜な地下室で豪勢な生活をしていたみたいだな」
農務卿も商務卿も他の閣僚や代官も驚いていたけど、地下室の豪華さはやはり凄かったです。
明かりや換気やトイレの魔導具などを除いて、絵画なども後々外されて売却して領の運営資金に充てるそうです。
「金で闇ギルドの幹部の地位を得て、更に贅沢をしていたと。ナイツ子爵と嫡男は、さぞかし良い夢を見た事でしょうな」
「その裏で、領民が苦しんでいたのは事実だがな。はあ、なんとも情けないものだ。各地に派遣している密偵を強化して、更に情報を集めないとならないな」
軍務卿と宰相が今後の方針について話をしていたけど、住民の噂って馬鹿にならないかもしれないね。
地下室の確認はこのくらいにして、僕達は再び屋敷の中に戻りました。
「闇ギルドが、島などに拠点を作っている可能性もある。何とも難しい事だ。しかし、来年になれば稼働できる魔導船が増える。魔石を推進力にする船も建造しているし、一気に捜索範囲を広げる事ができる」
「後は、集めた情報の取捨選択が重要ですわね。分析官も増やさないとならないわ」
再び戻った執務室で、軍務卿とティナおばあさまが話をしていました。
地上と空と水上と、あらゆる所から情報を集める必要が出てくるね。
幸いにして税収が好調で、ある程度の予算を軍に予算を回しても問題ないのが大きいです。
各辺境伯領や直轄領を中心として、魔導船での調査を続けるそうです。
そのまま僕達は、炊き出しと無料治療が行われている屋敷の前に向かいます。
「あっ、お父様。屋敷の中は凄かったでしょう」
「ああ、報告を聞くだけと実際に見るとでは大違いだ。闇ギルドに対する対策も、新たにしないとならないな」
昼食前なので街の聞き込みから帰ってきたレイナさんが、父親である商務卿と話をしていました。
王城で報告を聞くだけでは、実情が分からない事も多いもんね。
「聞き込みの方はどうだった?」
「うーん、どうも今回捕まった闇ギルドの連中は、頻繁に船で何処かに行っていたみたいだね。何処かまでは分からなかったけど」
「拠点間の移動は船を使っていた可能性を探っていたけど、それが裏付けられた形か。早急に海兵を配置しないとな」
流石に海兵が配置となると、船が必要だもんね。
港湾設備の整備が必要だし、今直ぐにって訳にはいかないもんなあ。
「まさか、こんな所に隠し部屋があるとはな」
「取り調べした結果ですと、この隠し部屋は当主と嫡男に闇ギルドの連中しか知らなかったそうです。あの侍従はナイツ子爵家に縁があるというので、たまたま知っていたみたいですな」
内務卿と軍務卿が話をしているけど、僕だってこんな隠し部屋があるなんて気が付かなかったよ。
因みに、あの侍従含めて三人の使用人がこの隠し部屋の存在を知っていて、全員がかなりの事を供述してくれたので捜査が進んだそうです。
違法な状態を知っていたという罪状はあるにせよ、かなりの情状酌量がくまれるそうです。
そして、皆で地下室に入っていきます。
「これは凄いな。地下室のある屋敷は珍しくないが、ここまで豪華な仕様にしているとは」
「表向きは普通の執務室にしておいて、裏では夜な夜な地下室で豪勢な生活をしていたみたいだな」
農務卿も商務卿も他の閣僚や代官も驚いていたけど、地下室の豪華さはやはり凄かったです。
明かりや換気やトイレの魔導具などを除いて、絵画なども後々外されて売却して領の運営資金に充てるそうです。
「金で闇ギルドの幹部の地位を得て、更に贅沢をしていたと。ナイツ子爵と嫡男は、さぞかし良い夢を見た事でしょうな」
「その裏で、領民が苦しんでいたのは事実だがな。はあ、なんとも情けないものだ。各地に派遣している密偵を強化して、更に情報を集めないとならないな」
軍務卿と宰相が今後の方針について話をしていたけど、住民の噂って馬鹿にならないかもしれないね。
地下室の確認はこのくらいにして、僕達は再び屋敷の中に戻りました。
「闇ギルドが、島などに拠点を作っている可能性もある。何とも難しい事だ。しかし、来年になれば稼働できる魔導船が増える。魔石を推進力にする船も建造しているし、一気に捜索範囲を広げる事ができる」
「後は、集めた情報の取捨選択が重要ですわね。分析官も増やさないとならないわ」
再び戻った執務室で、軍務卿とティナおばあさまが話をしていました。
地上と空と水上と、あらゆる所から情報を集める必要が出てくるね。
幸いにして税収が好調で、ある程度の予算を軍に予算を回しても問題ないのが大きいです。
各辺境伯領や直轄領を中心として、魔導船での調査を続けるそうです。
そのまま僕達は、炊き出しと無料治療が行われている屋敷の前に向かいます。
「あっ、お父様。屋敷の中は凄かったでしょう」
「ああ、報告を聞くだけと実際に見るとでは大違いだ。闇ギルドに対する対策も、新たにしないとならないな」
昼食前なので街の聞き込みから帰ってきたレイナさんが、父親である商務卿と話をしていました。
王城で報告を聞くだけでは、実情が分からない事も多いもんね。
「聞き込みの方はどうだった?」
「うーん、どうも今回捕まった闇ギルドの連中は、頻繁に船で何処かに行っていたみたいだね。何処かまでは分からなかったけど」
「拠点間の移動は船を使っていた可能性を探っていたけど、それが裏付けられた形か。早急に海兵を配置しないとな」
流石に海兵が配置となると、船が必要だもんね。
港湾設備の整備が必要だし、今直ぐにって訳にはいかないもんなあ。
363
お気に入りに追加
8,874
あなたにおすすめの小説

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
小型オンリーテイマーの辺境開拓スローライフ 小さいからって何もできないわけじゃない!
渡琉兎
ファンタジー
◆『第4回次世代ファンタジーカップ』にて優秀賞受賞!
◇2025年02月18日頃に1巻出荷予定!
◆05/22 18:00 ~ 05/28 09:00 HOTランキングで1位になりました!5日間と15時間の維持、皆様の応援のおかげです!ありがとうございます!!
誰もが神から授かったスキルを活かして生活する世界。
スキルを尊重する、という教えなのだが、年々その教えは損なわれていき、いつしかスキルの強弱でその人を判断する者が多くなってきた。
テイマー一家のリドル・ブリードに転生した元日本人の六井吾郎(むついごろう)は、領主として名を馳せているブリード家の嫡男だった。
リドルもブリード家の例に漏れることなくテイマーのスキルを授かったのだが、その特性に問題があった。
小型オンリーテイム。
大型の魔獣が強い、役に立つと言われる時代となり、小型魔獣しかテイムできないリドルは、家族からも、領民からも、侮られる存在になってしまう。
嫡男でありながら次期当主にはなれないと宣言されたリドルは、それだけではなくブリード家の領地の中でも開拓が進んでいない辺境の地を開拓するよう言い渡されてしまう。
しかしリドルに不安はなかった。
「いこうか。レオ、ルナ」
「ガウ!」
「ミー!」
アイスフェンリルの赤ちゃん、レオ。
フレイムパンサーの赤ちゃん、ルナ。
実は伝説級の存在である二匹の赤ちゃん魔獣と共に、リドルは様々な小型魔獣と、前世で得た知識を駆使して、辺境の地を開拓していく!

家族に辺境追放された貴族少年、実は天職が《チート魔道具師》で内政無双をしていたら、有能な家臣領民が続々と移住してきて本家を超える国力に急成長
ハーーナ殿下
ファンタジー
貴族五男ライルは魔道具作りが好きな少年だったが、無理解な義理の家族に「攻撃魔法もろくに使えない無能者め!」と辺境に追放されてしまう。ライルは自分の力不足を嘆きつつ、魔物だらけの辺境の開拓に一人で着手する。
しかし家族の誰も知らなかった。実はライルが世界で一人だけの《チート魔道具師》の才能を持ち、規格外な魔道具で今まで領地を密かに繁栄させていたことを。彼の有能さを知る家臣領民は、ライルの領地に移住開始。人の良いライルは「やれやれ、仕方がないですね」と言いながらも内政無双で受け入れ、口コミで領民はどんどん増えて栄えていく。
これは魔道具作りが好きな少年が、亡国の王女やエルフ族長の娘、親を失った子どもたち、多くの困っている人を受け入れ助け、規格外の魔道具で大活躍。一方で追放した無能な本家は衰退していく物語である。

誰にも信じてもらえなかった公爵令嬢は、もう誰も信じません。
salt
恋愛
王都で罪を犯した悪役令嬢との婚姻を結んだ、東の辺境伯地ディオグーン領を治める、フェイドリンド辺境伯子息、アルバスの懺悔と後悔の記録。
6000文字くらいで摂取するお手軽絶望バッドエンドです。
*なろう・pixivにも掲載しています。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。