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第二十二章 新たな魔獣
五百五十二話 ちょっとむくれ顔のルカちゃんエドちゃん
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炊き出しも無事に終わったので、僕達は再びナイツ子爵邸に戻りました。
皆で、集めた情報を分析しています。
「一番の問題は、どこに資金が流れたかですね」
「うん、そうだね。押収した書類の分析を進めないと、流石に分からないなあ。屋敷にいる使用人は、全員分からないって言っていたし」
シシリーさんの発言に、ルーカスお兄様が頷きます。
圧政をしていた割には、屋敷の中は至って普通なんだよね。
リズ達もお金を見つけられなかったし、少なくともこの屋敷には大金はなさそうです。
「うーん、王都の屋敷に何かあるか。それとも、また別の場所にあるか」
「闇ギルドに流れちゃったという事も、考えないといけないね」
ケビンさんとチャールズさんのいう通り、闇ギルドに資金が流れた可能性もある。
「ここで考えていても仕方ないわ。一旦軍の尋問と分析を待ちましょう」
ここはティナおばあさまのいう通り、軍の調査結果を待つとしよう。
でも、なんか忘れている気がするなあ。
「あっ、ナイツ子爵と嫡男と一緒にいた侍従なら何か知っているかも知れない」
「その可能性はありそうね。では、それは明日確認しましょう」
僕の思いついた事に、ティナおばあさまが賛同してくれました。
あの侍従なら、きっと何かを知っているはずだよ。
という事で、今日はこの辺りにしておいて、警備の兵を残して僕達は王城に帰りました。
「「むー! おそーい!」」
「ルカちゃん、エドちゃん、一日不在にしてごめんなさいね」
「この後は何もないから、お姉ちゃんが遊んであげるね」
王城についた途端、超不機嫌な顔を隠さないルカちゃんとエドちゃんが僕達を待っていました。
ルーシーお姉様とエレノアが二人を抱っこするけど、不機嫌なのは当分収まらないだろうなあ。
「今日の捜索はまずまずだったみたいだな」
「はい。でも、資金の流れがさっぱり分からなくて」
「まあ、そればっかりはな。今日はしっかり休んで、明日また頑張ればいいさ」
実に冒険者らしい、ジンさんの回答です。
確かに今日は疲れたし、ゆっくり休んだ方が良さそうですね。
しかし、明日の件で少し問題があります。
「明日、ルーカスお兄様は学園ですよね? 誰が現場指揮をするんですか?」
「そりゃ、アレクがやるしかないだろう」
「ええー、ジンさんが現場を指揮して下さいよ」
「戦闘ならともかくとして、面倒くさい事はアレクに任せる!」
ジンさんの謎のドヤ顔が決まり、明日の現場指揮官は何故か僕がする事になりました。
「俺としては、こいつら二人の見守りを誰がやるかが一番の問題なんだよなあ……」
「「ううー」」
ジンさんは、未だに不機嫌なルカちゃんとエドちゃんを指さしていました。
あっ、そうか。
最悪、連日ジンさんがルカちゃんとエドちゃんに捕らわれちゃう可能性があるのか。
と、ここでティナおばあさまが良い笑顔になりました。
「ふふふ、助っ人を呼べば大丈夫よ。既にルカちゃんとエドちゃんと会ってる人なら、なにも問題ないわ」
ティナおばあさまのいう助っ人って、誰の事なんだろう?
僕は、頭にはてながいっぱい出てしまいました。
ティナおばあさまはどうも内緒にしたいらしいので、明日を待つ事にしましょう。
皆で、集めた情報を分析しています。
「一番の問題は、どこに資金が流れたかですね」
「うん、そうだね。押収した書類の分析を進めないと、流石に分からないなあ。屋敷にいる使用人は、全員分からないって言っていたし」
シシリーさんの発言に、ルーカスお兄様が頷きます。
圧政をしていた割には、屋敷の中は至って普通なんだよね。
リズ達もお金を見つけられなかったし、少なくともこの屋敷には大金はなさそうです。
「うーん、王都の屋敷に何かあるか。それとも、また別の場所にあるか」
「闇ギルドに流れちゃったという事も、考えないといけないね」
ケビンさんとチャールズさんのいう通り、闇ギルドに資金が流れた可能性もある。
「ここで考えていても仕方ないわ。一旦軍の尋問と分析を待ちましょう」
ここはティナおばあさまのいう通り、軍の調査結果を待つとしよう。
でも、なんか忘れている気がするなあ。
「あっ、ナイツ子爵と嫡男と一緒にいた侍従なら何か知っているかも知れない」
「その可能性はありそうね。では、それは明日確認しましょう」
僕の思いついた事に、ティナおばあさまが賛同してくれました。
あの侍従なら、きっと何かを知っているはずだよ。
という事で、今日はこの辺りにしておいて、警備の兵を残して僕達は王城に帰りました。
「「むー! おそーい!」」
「ルカちゃん、エドちゃん、一日不在にしてごめんなさいね」
「この後は何もないから、お姉ちゃんが遊んであげるね」
王城についた途端、超不機嫌な顔を隠さないルカちゃんとエドちゃんが僕達を待っていました。
ルーシーお姉様とエレノアが二人を抱っこするけど、不機嫌なのは当分収まらないだろうなあ。
「今日の捜索はまずまずだったみたいだな」
「はい。でも、資金の流れがさっぱり分からなくて」
「まあ、そればっかりはな。今日はしっかり休んで、明日また頑張ればいいさ」
実に冒険者らしい、ジンさんの回答です。
確かに今日は疲れたし、ゆっくり休んだ方が良さそうですね。
しかし、明日の件で少し問題があります。
「明日、ルーカスお兄様は学園ですよね? 誰が現場指揮をするんですか?」
「そりゃ、アレクがやるしかないだろう」
「ええー、ジンさんが現場を指揮して下さいよ」
「戦闘ならともかくとして、面倒くさい事はアレクに任せる!」
ジンさんの謎のドヤ顔が決まり、明日の現場指揮官は何故か僕がする事になりました。
「俺としては、こいつら二人の見守りを誰がやるかが一番の問題なんだよなあ……」
「「ううー」」
ジンさんは、未だに不機嫌なルカちゃんとエドちゃんを指さしていました。
あっ、そうか。
最悪、連日ジンさんがルカちゃんとエドちゃんに捕らわれちゃう可能性があるのか。
と、ここでティナおばあさまが良い笑顔になりました。
「ふふふ、助っ人を呼べば大丈夫よ。既にルカちゃんとエドちゃんと会ってる人なら、なにも問題ないわ」
ティナおばあさまのいう助っ人って、誰の事なんだろう?
僕は、頭にはてながいっぱい出てしまいました。
ティナおばあさまはどうも内緒にしたいらしいので、明日を待つ事にしましょう。
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