転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

第二十二章 新たな魔獣

五百四十七話 みんなお休み

　でも、僕もミカエルとブリットに一言注意しておこう。

「ミカエル、ブリット、頑張って魔獣を倒してくれたのはとっても嬉しいけど、一歩間違うと怪我しちゃう所だったよ。折角ルーカスお兄様と一緒だったんだから、話をしても良かったね」
「にーに、ごめんちゃい」
「ごめんなさい」

　僕はミカエルとブリットの頭をなでなでして、抱きしめてあげました。
　二人も、僕にぎゅっと抱きついて謝ってきました。
　スラちゃんも僕の頭に乗りつつ、ミカエルとブリットの頭を触手でなでなでしていました。
　この話は、もうこれで終わりだね。

「ははは、やはりお兄ちゃんが言うと反応が違うな」
「何だかんだいっても、ミカエルとブリットに一番影響力があるのはアレクだもんな」
「二人とも、素直に謝っていてとっても可愛いわね」

　外野が何かを言っているけど、僕は気にしない事にしよう。
　僕はミカエルとブリットと手を繋ぎながら、王城のティナおばあさまの部屋に向かいました。
　軍務卿とジンさんとレイナさんはナイツ子爵領の状況を報告する為に、僕と別れて会議室に向かいました。
　さてさて、皆の状況はどうなっているかな？

「「「「すー」」」」

　あれー、ティナおばあさまの部屋に入ったらリズとサンディとイヨにエレノアまでティナおばあさまのベッドですやすやと眠っているよ。
　まだ昼食前なのに、何かあったのかな？
　ここは、事情を知っていそうな人に聞いてみよう。

「エレノアはね、ルカちゃんとエドちゃんとずっと追いかけっこしていたのよ。それで疲れちゃったみたいだわ。ルカちゃんとエドちゃんも、お母様の部屋で寝ているわよ」

　ルーシーお姉様が呆れた様に言っているけど、こっちはこっちで大変だったんですね。
　最近のルカちゃんとエドちゃんは、本当に凄い勢いで走り回るもんね。

「ミカエルとブリットも、弟君に怒られて少し大人しくなったわね。部屋に来た当初は、自分がこう倒したって実演付きで話していたわ」

　まあ、ミカエルとブリットも頑張って魔獣を倒した訳だし、ルーシーお姉様も大目に見てくれたみたいです。

「「すー」」

　因みに、ミカエルとブリットはいつの間にかティナおばあさまのベッドに潜り込んでリズ達と一緒に寝ていました。
　ずっと興奮していたから、疲れちゃったのかもしれないね。

「弟君の方も無事だったみたいだし、お姉ちゃんとしては何も言う事はないわよ」
「ルーシーお姉様、ご心配をおかけしました」
「良いのよ。個人的には、共和国での魔獣の倒し方にびっくりしたわ。どうも、魔獣を素手でぶん殴ったらしいわよ」
「正直な所、怒り心頭のクレイモアさんならやってしまうかも。ルーシーお姉様の将来のお義姉ですよ」
「ふふ、頼もしい限りだわ」

　僕は寝ている皆を見つめながら、ルーシーお姉様と一時のお茶を楽しみました。
　色々あったけど、王国の脅威が一先ず収まって良かったなあ。