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第二十二章 新たな魔獣
五百三十四話 僕もいっぱい動きます
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スラちゃん達がナイツ子爵領に着く間、僕達もやる事は沢山あります。
事前に決まっている各辺境伯領への兵の移動を行ったり、各国への周知や万が一の対策も行います。
「勉強ばっかりで、つまらない!」
「「「つまらなーい!」」」
「ほらほら、文句を言わないで手を動かしなさいね」
まあゲートが使える僕がメインで動いていて、リズ達はティナおばあさま監視の下でずっと王城で勉強なんだけどね。
外に出られないなら勉強しかないねと、大人達の意見は一致していました。
シュッ。
「あ、スラちゃんだ。旅は順調だって」
ナイツ子爵領へ向かっている一行も、休憩の度にスラちゃんが王城にやってきて進捗を報告してくれています。
旅は順調で、予定よりも早くナイツ子爵領に着くそうです。
「スラちゃんが作る食事が好評なんだって。普段は乾パンや干し肉とかだから、食堂以上の料理が出てくるんだってよ」
「まあ、スラちゃんは色々な料理を作れるからなあ。旅も快適だろうね」
きっと軍の行軍とかでも、スラちゃんがいたら大助かりかも。
でも、そんなの行軍じゃないと、軍務卿が怒るだろうね。
「ちょっと気になるのが、道中すれ違う人の数が少ないって」
「うーん、ナイツ子爵領から各地に向かう人がいないんだ。行商もいないのは、ちょっと気になるね」
ナイツ子爵領からの人の動きが少ないとなると、ナイツ子爵領内の人はどうしているのかが気になるなあ。
その辺は、調査隊が現地に着いて調べるまで分からないね。
「あっ、スラちゃんが戻るって。気をつけてね」
スラちゃんは僕達に触手をフリフリとすると、また長距離転移で調査隊の所に戻っていきました。
さて、僕は辺境伯領に一旦戻ります。
防壁の門近くの守備隊の所に来て欲しいそうです。
「こんにちは」
「おう、来たな」
守備隊の所に向かうと、ジンさんが僕の事を迎えてくれました。
僕はそのままジンさんの案内で、守備隊の牢屋のある所に向かいます。
「アレク君、待っていたよ」
「ぐっ、ここから出しやがれ!」
牢屋の前では騎士団長さんが腕を組みながら待っていて、牢屋には鉄格子を掴みながら大声を上げている冒険者がいました。
「この冒険者が、例の怪しい行動履歴リストに載っていた冒険者ですか?」
「おお、そうだ。捕縛の際に魔法の集中攻撃で気絶していたが、今は目が覚めて元気一杯だ」
どうもこの冒険者は捕縛の際に暴れて、プリン達とマジカルラットの集中攻撃を受けたみたいです。
でもこれだけ元気だと護送するにも大変なので、もう一回寝て貰いましょう。
「じゃあ、睡眠魔法を使いますね」
「おう、やってくれ」
僕は騎士団長さんの許可を貰ったので、元気一杯の冒険者に睡眠魔法を使います。
ぴかー。
「おい、何を……すー」
「アレク君は会った頃から比べると、本当に立派な魔法使いになったね」
「でも、この睡眠魔法は魔力抵抗力が強い人には使えないんですよね」
「それは仕方ないだろうな。よし、兵は護送の準備を始めろ」
闇魔法の一種に睡眠魔法ってのがあったので、カミラさん達に教えて貰いました。
闇魔法って何だか悪っぽいイメージがあったけど、有効活用できる魔法もある事がわかったんだよね。
同じ闇魔法が使えるイヨと共に、先ずは補助魔法から勉強しています。
「団長、護送の準備ができました」
「ご苦労。じゃあ、アレク君宜しく」
「はい。僕はこのまま王城に戻りますね。ジンさん、後は宜しくお願いします」
「おう、任せろ」
僕は王城の兵の詰め所にゲートを繋いで、王城の兵が担架に乗せられた冒険者を運んで行きました。
ジンさんはこのままレイナさんやプリン達と合流するので、僕とはここでお別れです。
僕は、そのままリズ達の勉強部屋に戻りました。
「「「きゅー」」」
「また頭から煙が出ているみたいだよ」
「「「問題数が多いよ!」」」
リズ達は沢山の問題を解いたので、机に突っ伏して疲れていました。
スラちゃんが現地に着く間は、リズ達はひたすら勉強ですね。
事前に決まっている各辺境伯領への兵の移動を行ったり、各国への周知や万が一の対策も行います。
「勉強ばっかりで、つまらない!」
「「「つまらなーい!」」」
「ほらほら、文句を言わないで手を動かしなさいね」
まあゲートが使える僕がメインで動いていて、リズ達はティナおばあさま監視の下でずっと王城で勉強なんだけどね。
外に出られないなら勉強しかないねと、大人達の意見は一致していました。
シュッ。
「あ、スラちゃんだ。旅は順調だって」
ナイツ子爵領へ向かっている一行も、休憩の度にスラちゃんが王城にやってきて進捗を報告してくれています。
旅は順調で、予定よりも早くナイツ子爵領に着くそうです。
「スラちゃんが作る食事が好評なんだって。普段は乾パンや干し肉とかだから、食堂以上の料理が出てくるんだってよ」
「まあ、スラちゃんは色々な料理を作れるからなあ。旅も快適だろうね」
きっと軍の行軍とかでも、スラちゃんがいたら大助かりかも。
でも、そんなの行軍じゃないと、軍務卿が怒るだろうね。
「ちょっと気になるのが、道中すれ違う人の数が少ないって」
「うーん、ナイツ子爵領から各地に向かう人がいないんだ。行商もいないのは、ちょっと気になるね」
ナイツ子爵領からの人の動きが少ないとなると、ナイツ子爵領内の人はどうしているのかが気になるなあ。
その辺は、調査隊が現地に着いて調べるまで分からないね。
「あっ、スラちゃんが戻るって。気をつけてね」
スラちゃんは僕達に触手をフリフリとすると、また長距離転移で調査隊の所に戻っていきました。
さて、僕は辺境伯領に一旦戻ります。
防壁の門近くの守備隊の所に来て欲しいそうです。
「こんにちは」
「おう、来たな」
守備隊の所に向かうと、ジンさんが僕の事を迎えてくれました。
僕はそのままジンさんの案内で、守備隊の牢屋のある所に向かいます。
「アレク君、待っていたよ」
「ぐっ、ここから出しやがれ!」
牢屋の前では騎士団長さんが腕を組みながら待っていて、牢屋には鉄格子を掴みながら大声を上げている冒険者がいました。
「この冒険者が、例の怪しい行動履歴リストに載っていた冒険者ですか?」
「おお、そうだ。捕縛の際に魔法の集中攻撃で気絶していたが、今は目が覚めて元気一杯だ」
どうもこの冒険者は捕縛の際に暴れて、プリン達とマジカルラットの集中攻撃を受けたみたいです。
でもこれだけ元気だと護送するにも大変なので、もう一回寝て貰いましょう。
「じゃあ、睡眠魔法を使いますね」
「おう、やってくれ」
僕は騎士団長さんの許可を貰ったので、元気一杯の冒険者に睡眠魔法を使います。
ぴかー。
「おい、何を……すー」
「アレク君は会った頃から比べると、本当に立派な魔法使いになったね」
「でも、この睡眠魔法は魔力抵抗力が強い人には使えないんですよね」
「それは仕方ないだろうな。よし、兵は護送の準備を始めろ」
闇魔法の一種に睡眠魔法ってのがあったので、カミラさん達に教えて貰いました。
闇魔法って何だか悪っぽいイメージがあったけど、有効活用できる魔法もある事がわかったんだよね。
同じ闇魔法が使えるイヨと共に、先ずは補助魔法から勉強しています。
「団長、護送の準備ができました」
「ご苦労。じゃあ、アレク君宜しく」
「はい。僕はこのまま王城に戻りますね。ジンさん、後は宜しくお願いします」
「おう、任せろ」
僕は王城の兵の詰め所にゲートを繋いで、王城の兵が担架に乗せられた冒険者を運んで行きました。
ジンさんはこのままレイナさんやプリン達と合流するので、僕とはここでお別れです。
僕は、そのままリズ達の勉強部屋に戻りました。
「「「きゅー」」」
「また頭から煙が出ているみたいだよ」
「「「問題数が多いよ!」」」
リズ達は沢山の問題を解いたので、机に突っ伏して疲れていました。
スラちゃんが現地に着く間は、リズ達はひたすら勉強ですね。
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