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第二十一章 ちょっと平和な日々

五百十三話 ルーシーお姉様も会議に参加します

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 ルーカスお兄様とアイビー様が学園に入園して以来、ルーシーお姉様が僕と一緒に公務をこなす事が増えてきました。
 今日は薬草研究に関する話し合いです。

「研究の結果、幾つかの薬草が安定的に生産できる様になりました。まだ生産できる量は少数ですが、始めの一歩だと思っております」
「一歩を踏み出すことがとても大切だ。そのまま研究を継続するように」

 遂に一部の薬草の生態の解明が進んで、少しだけど生産に成功した様です。
 今まで森とかでしか採れなかったのに、研究者って本当に凄いよね。

「各領地の薬草研究所も規模を拡大しておりますが、これ以上は増やさない方が良いかと思われます」
「余りに拡大しても仕方ない。その為の研究施設だからな。販売拠点は増やしても良いが、研究所の拡大は一旦ストップしよう」

 研究者の奪い合いが一部で発生しているみたいで、これ以上の研究所の拡大は見送られました。
 辺境伯領には各地から研究者がやってきているけど、今度は経験を得た研究者が各地に行くんだって。
 各地で頑張って活躍して欲しいですね。
 
「サンプルで取得する薬草の量も増やそう。これは冒険者を中心に声をかける事になるだろう」
「これからは、質ももっと上げなければなりませんな」

 こんな感じで、薬草研究に関する話し合いは終了です。
 続いて、作物関連の話し合いです。

「人口が増えているのもありますが、今年も概ね例年通りの作付けになっております。また、以前アレク殿下からご提案頂きました高原野菜も本格的に行う事になりました」
「作物の安定供給は、王国にとって命綱となる。各地で何かあったら、すぐさま報告するように」

 医療体制の強化で死亡率が下がってきたので、人口が増え始めています。
 といっても各地には未だ未開発の土地が沢山あるので、どんどん新しい村が出来ているそうです。

「開墾が進んでいるバザール子爵領を参考にして、効率よい開墾方法を纏めております」
「バザール子爵領は、今や王国でも注目の領地になっておる。他の貴族の横やりが入らない様に、充分気を付けるのだ」

 バザール子爵領は開墾計画立て放題だったから、すごい勢いで発展しています。
 領主であるハンナさんの手腕もとっても大きいですね。
 辺境伯領のお隣さんだから、新作ソースが発売される度に僕もバザール子爵領に行っています。
 因みに、領地補佐で来ていた官僚の一人と良い仲だそうです。
 まだ春で種まきが終わった段階なので、これから生育状況を確認するそうです。

「灌漑用水の建設も進める。計画を立てておくように」
「畏まりました」

 用水が安定すれば、日照りとかもリスクも回避できます。
 飲み水の確保にもなるから、村が発展する条件にもなりますね。
 こんな感じで、午前中の会議は終わりです。

「ほへー」
「ルーシーお姉様、口から魂が抜けておりますよ」
「ほへー」

 最近会議に参加する様になったルーシーお姉様は、会議は真剣に聞いているんですけど会議が終わるととても人には見せられない姿になってしまいます。
 ルーシーお姉様が、真面目に会議に参加している証拠でもあるんですけどね。
 もう少し頑張れば、会議にも慣れてきますよ。
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