転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第二十一章 ちょっと平和な日々

四百九十五話 ルシアさんとククリさんの実力

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 ぽくぽくぽくぽく。

「ルシちゃはクラちゃのこーはい?」
「ええ、そうですよ。私とククリは、クラヴィーア先輩の三つ下の後輩ですわ」
「そーなんだ!」

 ミカエルがブッチーに乗りながらルシアさんと話をしているけど、ミカエルが積極的に話しかけるということはルシアさんは良い人なんだよね。
 それに、クラヴィーアさんとルシアさんが三つ違うと言うことは、ルシアさんはブランダーク男爵領のランディさんと同じ歳じゃないかな?

「ルシアはちょっと猪突猛進タイプなので、思い込んだら一直線なんですよ」
「そんなルシアを、幼馴染の私が止めるパターンが定番なんです」
「そうなんですね」
「ちょっと、クラヴィーア先輩もククリも私の評価が滅茶苦茶だよ」
「あはは……」

 まあ冒険者ギルドの行動を見れば、ルシアさんはまさにクラヴィーアさんとククリさんの言う通りの性格だよなあ。
 ルシアさんが抗議しているけど、ここは無視をしておこう。
 ということで、いつもの森に到着します。

「うーん、今日は周囲に危険な動物とかはいないですね。こちらを伺っているだけで、襲ってくる気配はないですよ」
「じゃあ、ついでにこの二人の実力を見るか。ポニー軍団に護衛を頼んでおこう」
「「「ブルル!」」」

 今日は周囲に危険がないので、ポニさん達に護衛をお願いします。
 ポニさん達も、任せろと気合十分です。
 ルーカスお兄様達は早速薬草採取を始めたので、ジンさんとカミラさんとクラヴィーアさんと僕でルシアさんとククリさんの実力を確認します。
 ルーカスお兄様の所にはスラちゃんとプリンとアマリリスもいるし、何かあった時の対応もバッチリです。

「ククリ、先ずは魔力制御をみるから小さな魔力玉を指先に出してみて」
「えっと、こうですか?」
「そうそう、そのまま違う指にも魔力玉を出して見ましょう」
「な、中々難しいです」
「でも、キチンと出来ていますね。少なくとも初級魔法使いは卒業していますわ」
「あ、ありがとうございます!」

 ククリさんは、魔力制御がキチンと出来ています。
 カミラさんに褒められて、ククリさんは嬉しそうな表情をしています。
 でも、僕もリズも毎日訓練しているけど、制御を上達させるのって中々難しいんだよね。

「せい、やあ!」
「ほらほら、力任せに剣を振るわない。相手の動きを予測して、最小の動きで剣を振るうのだぞ」
「はっ、はい」
「学園じゃあその剣術で通じても、実戦はそうは行かないぞ。大剣だからこそ、力任せで扱わない事だ」
「はい!」

 一方のルシアさんはと言うと、同じ大剣使いのジンさんと手合わせをしていた。
 ルシアさんは大剣を振るうだけの力があるけど、何というか動きが雑で余計な力が入っているよ。

「うーん、ルシアの場合は自分の剣術に自信を持ち過ぎだわ。お義兄様の言う通り、力が入り過ぎですね」
「実戦経験が少ないのもありますね。学園では力任せに押し切ってこれましたけど、一流の剣士とぶつかると軽くいなされますね」

 僕とクラヴィーアさんの意見は一致していて、ジンさんの指摘通りに自分の力を過信し過ぎているようです。
 この分だと、ルシアさんはミカエルはともかくとしてサンディにも敵わないだろうな。

「はぁはぁはぁ……」
「ルシア、課題が明確になって良かったわ。先ずは無駄な動きを無くす為に、日々の訓練をしないとね」
「はい、身にしみました……」

 ジンさんとの手合わせが終わって片膝をついて息を整えているルシアさんに、クラヴィーアさんが声をかけていた。
 ルシアさんも、自分の課題を既に分かっている様です。

「素質はあるから、後はどれだけ鍛錬するかだな。身体強化の使い方もまだまだだし、逆に言えばその状態で学園では剣術が通じたと思えば良い」
「はい、自分の未熟さを知りました。ありがとうございました」

 そしてルシアさんはジンさんの指摘を聞いた後、綺麗なお辞儀をしてお礼を言っていた。
 ジンさんはお世辞は言わないから、本当に素質はあるんだろうね。

「じゃあ、実力確認はこの位にして薬草集めをしましょう。薬草集めは、リズちゃんが先生だよ」
「「はい!」」
「薬草採取なら、リズにお任せだよ!」

 こうして、薬草集めは無事に進んでいきました。
 何とか平和に終わったかと思ったけど、ルシアさんとククリさんにはまだまだイベントが待っていました。
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