353 / 947
第二十章 マロード男爵領とジンさんの結婚式
四百七十九話 セシルさんがおめでたです
しおりを挟む
「あの、何で頭が潰された個体が多いのですか?」
「深く聞かないでくれ。色々あったんだよ」
「はぁ……」
結局午前中で害獣駆除が終わったので、他の人をマロード男爵領の屋敷へ送った後、僕とジンさんでマロード男爵領の冒険者ギルドにストレス発散対象として狩られた害獣を卸します。
うん、見事なまでに頭がぐちゃぐちゃな個体が多いなあ。
ギルド職員も思わずびっくりしていて、ジンさんもなすすべ無しって感じで首を横に振っていた。
「はい、皆さんの手続きも済ませてあります」
「おう、悪いな」
「しかし、あのジンも貴族になった上に子持ちか。時が流れるのは早いなあ」
「何故しみじみ言うんだよ」
「いいえ、特に他意はないぞ」
ジンさんとギルド職員は顔見知りなので、談笑をしながら手続きをしていました。
お互いからかいながら、とっても楽しそうです。
さてさて、ギルドでの手続きも終わったので僕とジンさんも屋敷に向かいます。
「にーに、おかえりー」
「ミカエル、ただいま。良い子にしていた?」
「うん!」
屋敷に着くと、庭で遊んでいたミカエルが僕をお出迎えします。
ミカエルも、だいぶ話すのがはっきりしてきたね。
他の子はまだ追いかけっこをしていて、元気な声が庭に響いています。
スラちゃんとプリンも一緒に混ざっていて、とても楽しそうです。
因みに害獣駆除に行かなかったルーカスお兄様とルーシーお姉様も、元気よく遊ぶ子ども達の相手をしていました。
ルカちゃんとエドちゃんも一緒に混ざっていたので、こればっかりはしょうがないよね。
「昼食の準備ができましたよ。今日は紅葉鍋ですよ」
「「「わーい」」」
ここで、アレクサさんが僕達の事を呼びに来てくれました。
マロード男爵領といえば、新鮮なお肉を使ったお鍋だよね。
子ども達もお鍋が大好きなので、とっても良い笑顔になっています。
王妃様達は既に屋敷の食堂にいるので、僕達も屋敷の中に入っていきます。
「はいはい、手をふきふきしましょうね」
「順番ね」
「「「はい!」」」
ルリアンさんとナンシーさんがお手拭きを持ってきて、ミカエルや子ども達の手を順番に拭いています。
そして、席には同じく狩りに行かなかったティナおばあさまとマイク様の奥さんのセシルさんが座っていました。
実は今回屋敷に沢山の人が残ったのには、ちょっとした訳がありました。
「セシルさん、体調はもう大丈夫ですか?」
「はい、おかげさまですっかり良くなりました」
「でも、マロード男爵家にも新しい命が誕生するのはとってもめでたい事よね」
「ありがとうございます。私もとっても嬉しいです」
そうです、実はセシルさんが妊娠している事が発覚したのです。
今朝屋敷に行ったときにセシルさんが真っ青な顔をしていたので、皆とっても慌てていました。
そうしたら、ミカエルがセシルさんを指さして赤ちゃんがいると言ったもんだから大騒ぎになりました。
念の為にと、ティナおばあさまやルーカスお兄様達が屋敷に残る事になりました。
因みに、辺境伯家に伝えたらとっても喜んでいるそうで、明日僕達と一緒に来る事になっています。
「にーに、たべよー!」
「はいはい、ちょっと待っていてて」
紅葉鍋が並べられたので、ミカエルが僕の事を呼んできます。
他の人も席について、お鍋を食べ始めました。
「いやあ、久々に体を存分に動かしましたな」
「やはりストレスは溜めるものではありませんな」
軍務卿と内務卿は害獣駆除で大暴れをしたので、今はとっても良い笑顔です。
王妃様とアリア様も、すっきりとした表情をしています。
「ほら、レイカ、あーんして」
「あーん」
レイナさんが、小さく切ったお肉をレイカちゃんに食べさせています。
微笑ましい光景ですが、ここでジンさんがマイク様にチクリと言いました。
「マイク。いいか、赤ん坊が出来たら何もかもが赤ん坊優先になる。覚悟しておけよ」
「じ、ジンさん。そんな脅さなくても」
「いいえ、これは本当よ。四六時中赤ちゃんの面倒を見ないといけないのよ」
「うんうん、良く分かる。自分の時間が持てなくなるのよ」
「貴族家だから育児がどうなるかは分からないけど、奥さんを助けないとならないわよ」
「は、はい……」
あ、マイク様がカミラさんとルリアンさんナンシーさんにもぼこぼこに言われてしまってちょっとへこんでいます。
まあ、マロード男爵家は当主夫妻が健在だし、僕の経験上孫バカにクラスチェンジするから大丈夫じゃないかな?
「深く聞かないでくれ。色々あったんだよ」
「はぁ……」
結局午前中で害獣駆除が終わったので、他の人をマロード男爵領の屋敷へ送った後、僕とジンさんでマロード男爵領の冒険者ギルドにストレス発散対象として狩られた害獣を卸します。
うん、見事なまでに頭がぐちゃぐちゃな個体が多いなあ。
ギルド職員も思わずびっくりしていて、ジンさんもなすすべ無しって感じで首を横に振っていた。
「はい、皆さんの手続きも済ませてあります」
「おう、悪いな」
「しかし、あのジンも貴族になった上に子持ちか。時が流れるのは早いなあ」
「何故しみじみ言うんだよ」
「いいえ、特に他意はないぞ」
ジンさんとギルド職員は顔見知りなので、談笑をしながら手続きをしていました。
お互いからかいながら、とっても楽しそうです。
さてさて、ギルドでの手続きも終わったので僕とジンさんも屋敷に向かいます。
「にーに、おかえりー」
「ミカエル、ただいま。良い子にしていた?」
「うん!」
屋敷に着くと、庭で遊んでいたミカエルが僕をお出迎えします。
ミカエルも、だいぶ話すのがはっきりしてきたね。
他の子はまだ追いかけっこをしていて、元気な声が庭に響いています。
スラちゃんとプリンも一緒に混ざっていて、とても楽しそうです。
因みに害獣駆除に行かなかったルーカスお兄様とルーシーお姉様も、元気よく遊ぶ子ども達の相手をしていました。
ルカちゃんとエドちゃんも一緒に混ざっていたので、こればっかりはしょうがないよね。
「昼食の準備ができましたよ。今日は紅葉鍋ですよ」
「「「わーい」」」
ここで、アレクサさんが僕達の事を呼びに来てくれました。
マロード男爵領といえば、新鮮なお肉を使ったお鍋だよね。
子ども達もお鍋が大好きなので、とっても良い笑顔になっています。
王妃様達は既に屋敷の食堂にいるので、僕達も屋敷の中に入っていきます。
「はいはい、手をふきふきしましょうね」
「順番ね」
「「「はい!」」」
ルリアンさんとナンシーさんがお手拭きを持ってきて、ミカエルや子ども達の手を順番に拭いています。
そして、席には同じく狩りに行かなかったティナおばあさまとマイク様の奥さんのセシルさんが座っていました。
実は今回屋敷に沢山の人が残ったのには、ちょっとした訳がありました。
「セシルさん、体調はもう大丈夫ですか?」
「はい、おかげさまですっかり良くなりました」
「でも、マロード男爵家にも新しい命が誕生するのはとってもめでたい事よね」
「ありがとうございます。私もとっても嬉しいです」
そうです、実はセシルさんが妊娠している事が発覚したのです。
今朝屋敷に行ったときにセシルさんが真っ青な顔をしていたので、皆とっても慌てていました。
そうしたら、ミカエルがセシルさんを指さして赤ちゃんがいると言ったもんだから大騒ぎになりました。
念の為にと、ティナおばあさまやルーカスお兄様達が屋敷に残る事になりました。
因みに、辺境伯家に伝えたらとっても喜んでいるそうで、明日僕達と一緒に来る事になっています。
「にーに、たべよー!」
「はいはい、ちょっと待っていてて」
紅葉鍋が並べられたので、ミカエルが僕の事を呼んできます。
他の人も席について、お鍋を食べ始めました。
「いやあ、久々に体を存分に動かしましたな」
「やはりストレスは溜めるものではありませんな」
軍務卿と内務卿は害獣駆除で大暴れをしたので、今はとっても良い笑顔です。
王妃様とアリア様も、すっきりとした表情をしています。
「ほら、レイカ、あーんして」
「あーん」
レイナさんが、小さく切ったお肉をレイカちゃんに食べさせています。
微笑ましい光景ですが、ここでジンさんがマイク様にチクリと言いました。
「マイク。いいか、赤ん坊が出来たら何もかもが赤ん坊優先になる。覚悟しておけよ」
「じ、ジンさん。そんな脅さなくても」
「いいえ、これは本当よ。四六時中赤ちゃんの面倒を見ないといけないのよ」
「うんうん、良く分かる。自分の時間が持てなくなるのよ」
「貴族家だから育児がどうなるかは分からないけど、奥さんを助けないとならないわよ」
「は、はい……」
あ、マイク様がカミラさんとルリアンさんナンシーさんにもぼこぼこに言われてしまってちょっとへこんでいます。
まあ、マロード男爵家は当主夫妻が健在だし、僕の経験上孫バカにクラスチェンジするから大丈夫じゃないかな?
376
お気に入りに追加
8,811
あなたにおすすめの小説
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております
魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。