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第二十章 マロード男爵領とジンさんの結婚式
四百七十六話 更なる暴走
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事件の捜査が行われる間、ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家へも大規模な捜索が行われていた。
しかし、ここで一悶着が発生したのだ。
「ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家からの書状を読み上げます。記載の誤差はありますが、ほぼ同じ内容です。我々は王国創立時から存在する伝統的で格式のある貴族なのだから、王国からの捜査を受ける必要はない。また、拘束した伯爵の無条件解放を要求する」
「はあ、ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家は本当に馬鹿の集まりだな」
「下手に歴史があると、我々は偉いと思い上がるのもいるんですなあ」
レガーロさん達との話し合いの翌日、王城にとんでもない手紙が届いた。
あまりにも馬鹿馬鹿しい内容なのだが、本人達にとっては大真面目なんだろう。
報告をした宰相も、発言をした陛下と軍務卿も、勿論話を聞いている他の閣僚や幹部も呆れはてています。
「事件をなかったことにしろと、王国に対して脅迫しているのと全く同一だ。こんなもの受け入れられる訳がない」
ピシャリと、陛下はこんなものはあり得ないと言い切った。
誰だってそう思うよね。
「関係先の警備状況はどうなっている?」
「バンクス伯爵家、バンクス男爵家、傘下の商会には二十四時間体制で警備を敷いています。また、ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家にも監視を入れており、周囲にも兵を配置しております」
「ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家は、家臣も馬鹿になっている可能性が高い。大人しくしているとは到底思えないぞ」
こんな書状を寄越すんだから、ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家に残っている家族や家臣も、長い歴史に胡座をかいているんだろう。
そして、翌日やっぱりというか、馬鹿どもが暴走をしました。
その報告は、僕達が勉強している最中にもたらされました。
「ルーカス、アレク君、ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家が暴走したわ。屋敷で兵とぶつかったわ」
「バンクス男爵家と傘下の商会にも、ならず者を送り込んでいたわ」
「「ええ!」」
久々に皆で勉強をしていたら、王妃様とアリア様が部屋に入ってきて衝撃の事実を伝えてきました。
「安心して。全て撃退されたわ」
「急ぎの会議を行うから、二人も来て頂戴」
「「はい」」
「にーに、いってらーしゃーい!」
「いってくるね」
最近言葉が達者になってきたミカエルに見送られて、僕とルーカスお兄様は王妃様とアリア様と共に会議室に向かいます。
会議室には、呆れ顔を隠さない陛下とティナおばあさまと閣僚の姿がありました。
「即日返事を寄越さないから行動を起こした、と。実に馬鹿馬鹿しい」
暴走した理由を、宰相が溜息を漏らしながら報告していました。
思わず、僕もルーカスお兄様も溜息をついてしまいました。
「それなりに配慮してはいましたが、もう手加減は不要ですね」
「今回の暴走は国家反逆罪の適用案件にもなります」
内務卿も軍務卿も、もはやなすすべなしって感じです。
「此度の件は、国家反逆罪を適用して徹底的に関係者の取り調べを行う様に。正妻と側室についても同様だ。また、ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家にある武器は全て押収する様に」
「「はっ」」
陛下も、怒り心頭モードで指示を出していた。
これだけの大事件を引き起こした以上、手加減は不要でしょう。
こうして、ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家に対して、徹底的な取り調べが行われる事になったのだった。
しかし、ここで一悶着が発生したのだ。
「ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家からの書状を読み上げます。記載の誤差はありますが、ほぼ同じ内容です。我々は王国創立時から存在する伝統的で格式のある貴族なのだから、王国からの捜査を受ける必要はない。また、拘束した伯爵の無条件解放を要求する」
「はあ、ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家は本当に馬鹿の集まりだな」
「下手に歴史があると、我々は偉いと思い上がるのもいるんですなあ」
レガーロさん達との話し合いの翌日、王城にとんでもない手紙が届いた。
あまりにも馬鹿馬鹿しい内容なのだが、本人達にとっては大真面目なんだろう。
報告をした宰相も、発言をした陛下と軍務卿も、勿論話を聞いている他の閣僚や幹部も呆れはてています。
「事件をなかったことにしろと、王国に対して脅迫しているのと全く同一だ。こんなもの受け入れられる訳がない」
ピシャリと、陛下はこんなものはあり得ないと言い切った。
誰だってそう思うよね。
「関係先の警備状況はどうなっている?」
「バンクス伯爵家、バンクス男爵家、傘下の商会には二十四時間体制で警備を敷いています。また、ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家にも監視を入れており、周囲にも兵を配置しております」
「ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家は、家臣も馬鹿になっている可能性が高い。大人しくしているとは到底思えないぞ」
こんな書状を寄越すんだから、ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家に残っている家族や家臣も、長い歴史に胡座をかいているんだろう。
そして、翌日やっぱりというか、馬鹿どもが暴走をしました。
その報告は、僕達が勉強している最中にもたらされました。
「ルーカス、アレク君、ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家が暴走したわ。屋敷で兵とぶつかったわ」
「バンクス男爵家と傘下の商会にも、ならず者を送り込んでいたわ」
「「ええ!」」
久々に皆で勉強をしていたら、王妃様とアリア様が部屋に入ってきて衝撃の事実を伝えてきました。
「安心して。全て撃退されたわ」
「急ぎの会議を行うから、二人も来て頂戴」
「「はい」」
「にーに、いってらーしゃーい!」
「いってくるね」
最近言葉が達者になってきたミカエルに見送られて、僕とルーカスお兄様は王妃様とアリア様と共に会議室に向かいます。
会議室には、呆れ顔を隠さない陛下とティナおばあさまと閣僚の姿がありました。
「即日返事を寄越さないから行動を起こした、と。実に馬鹿馬鹿しい」
暴走した理由を、宰相が溜息を漏らしながら報告していました。
思わず、僕もルーカスお兄様も溜息をついてしまいました。
「それなりに配慮してはいましたが、もう手加減は不要ですね」
「今回の暴走は国家反逆罪の適用案件にもなります」
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「此度の件は、国家反逆罪を適用して徹底的に関係者の取り調べを行う様に。正妻と側室についても同様だ。また、ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家にある武器は全て押収する様に」
「「はっ」」
陛下も、怒り心頭モードで指示を出していた。
これだけの大事件を引き起こした以上、手加減は不要でしょう。
こうして、ハリアー伯爵家とジェームス伯爵家に対して、徹底的な取り調べが行われる事になったのだった。
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