転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

文字の大きさ
上 下
304 / 945
第二十章 マロード男爵領とジンさんの結婚式

四百六十三話 フリーダムな披露宴

しおりを挟む
 前回よりも行程が伸びたパレードが終わり、僕達は披露宴会場になる冒険者ギルドに無事到着しました。
 うぅ、パレードってあんなに大変なんだ。
 ずっと笑顔で手を振っていたから、とっても疲れたよ。
 因みに、陛下や教皇様などは近衛騎士の護衛を受けながら、さっさと冒険者ギルドについていました。

「「「ガハハ!」」」
「おじいちゃん、何やっているの……」

 そして、前回と同じく宰相が冒険者と肩を組んで既に酔っ払っていました。
 孫のカミラさんも、宰相の姿を見て思わず呆れています。

「「「うう、あのルルーがお嫁に……」」」
「こっちも駄目だな」
「そうですね……」

 商務卿の家族の男性陣はというと、商務卿の所で働いていたルルーさんがお嫁にいくとなって、またもや号泣しています。
 レイナさんとクラヴィーアさんも、なすすべなしって感じです。
 というか、まだ披露宴は始まっていないんですけどね。
 という事で、披露宴を始めます。
 何故か、またもや僕が司会です。

「えーっと、これからジンさんとアレクサさんの披露宴と魔物退治の戦勝祝いとランディ様とルルーさんの婚約披露宴を始めたいと思います」
「「「うおー!」」」

 パレードで大盛りあがりだった参加者のテンションは凄い事になっていて、僕が始まりを告げると更にヒートアップしていた。

「早速ですが、ウエディングケーキの入刀です」
「ははは、またもや凄い人がケーキを運んでいるぞ」
「流石はジンだな。ははは!」

 ウエディングケーキを運んできたのは、カレン様とリルムです。
 特にカレン様はジンさんに命を助けられたので、何処かでお返しをしたいと思っていた様です。
 大歓声の中、ジンさんとアレクサさんがウエディングケーキの入刀を行いました。

「それでは、お時間まで楽しんで下さい」
「「「うおー!」」」

 もうこれで大丈夫だろうと思ったので、僕は話を締めました。
 というか、既に皆好き勝手にやっています。

「おにくおいちー!」
「一杯食べてね」
「うん!」

 子ども達が沢山集まっているテーブルが一番平和です。
 カレン様もこのテーブルにいて、ミカエルと一緒にお肉を食べています。
 レイカちゃんとガイルちゃん達も、小さく切って貰ったお肉をもりもりと食べています。
 このテーブルには、枢機卿や各国の女性陣が集まっています。
 各国の子どもたちが仲良くしているのを、目を細めて見ています。
 しかし、クレイモアさんの姿はここにはありません。

「くそ、またもや男に逃げられた」
「まだまだ諦めないぞ」
「「「オー!」」」

 クレイモアさんは独身女性達と意気投合して、次々と男性に声をかけています。
 しかし、男性は独身女性達の圧力にビビって逃げています。
 うーん、あの分だと今回も駄目だろうなあ。 

「いやあ、祝いの酒は美味いなあ」
「あなた。飲むのは良いですが、また酔っ払ったら承知しませんよ」
「毎回迷惑をかけるのですからね」
「ヒィィ」
「はっはー、一国の王も尻に敷かれているのか」
「ある意味、うちと同じだな」

 陛下は調子に乗ってお酒を沢山飲もうとしたので、王妃様とアリア様に止められています。
 尻に敷かれている陛下に親近感を持った人もいました。
 
「がーはは!」
「うう、うう……」
「「「駄目だこりゃ」」」

 宰相と商務卿はもうなすすべなしって感じです。
 家族の女性陣も、匙を投げていました。

「次はブランターク男爵家とルルーの結婚式か」
「俺等も魔物討伐に参加したから、二人を祝いに行くぞ!」
「はい、皆さんをお待ちしております」
「流石にここまでの事はしませんけど」

 そして、次の結婚式を行うランディさんとルルーさんの所にも、多くの冒険者が集まっています。
 今回の魔物討伐が二人を結びつけたのだから、結婚式に参加したい人は多いよね。
 あとルルーさん、ここに集まった人は大騒ぎ大好きな人が多いですから、絶対に凄い人が集まりますよ。
しおりを挟む
感想 242

あなたにおすすめの小説

小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です  2024年6月中旬に第一巻が発売されます  2024年6月16日出荷、19日販売となります  発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」 中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。 数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。 また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています 戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています そんな世界の田舎で、男の子は産まれました 男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました 男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります 絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて…… この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです 各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております

女神様の使い、5歳からやってます

めのめむし
ファンタジー
小桜美羽は5歳の幼女。辛い境遇の中でも、最愛の母親と妹と共に明るく生きていたが、ある日母を事故で失い、父親に放置されてしまう。絶望の淵で餓死寸前だった美羽は、異世界の女神レスフィーナに救われる。 「あなたには私の世界で生きる力を身につけやすくするから、それを使って楽しく生きなさい。それで……私のお友達になってちょうだい」 女神から神気の力を授かった美羽は、女神と同じ色の桜色の髪と瞳を手に入れ、魔法生物のきんちゃんと共に新たな世界での冒険に旅立つ。しかし、転移先で男性が襲われているのを目の当たりにし、街がゴブリンの集団に襲われていることに気づく。「大人の男……怖い」と呟きながらも、ゴブリンと戦うか、逃げるか——。いきなり厳しい世界に送られた美羽の運命はいかに? 優しさと試練が待ち受ける、幼い少女の異世界ファンタジー、開幕! 基本、ほのぼの系ですので進行は遅いですが、着実に進んでいきます。 戦闘描写ばかり望む方はご注意ください。

その無能、実は世界最強の魔法使い 〜無能と蔑まれ、貴族家から追い出されたが、ギフト《転生者》が覚醒して前世の能力が蘇った〜

蒼乃白兎
ファンタジー
15歳になると、人々は女神様からギフトを授かる。  しかし、アルマはギフトを何も授かることは出来ず、実家の伯爵家から無能と蔑まれ、追い出されてしまう。  だが実はアルマはギフトを授からなかった訳では無かった。  アルマは既にギフト《転生者》を所持していたのだ──。  実家から追い出された直後にギフト《転生者》が発動し、アルマは前世の能力を取り戻す。  その能力はあまりにも大きく、アルマは一瞬にして世界最強の魔法使いになってしまった。  なにせアルマはギフト《転生者》の能力を最大限に発揮するために、一度目の人生を全て魔法の探究に捧げていたのだから。  無能と蔑まれた男の大逆転が今、始まる。  アルマは前世で極めた魔法を利用し、実家を超える大貴族へと成り上がっていくのだった。

元捨て子の新米王子様、今日もお仕事頑張ります!

藤なごみ
ファンタジー
簡易説明 転生前も転生後も捨て子として育てられた少年が、大きく成長する物語です 詳細説明 生まれた直後に病院に遺棄されるという運命を背負った少年は、様々な境遇の子どもが集まった孤児院で成長していった。 そして孤児院を退寮後に働いていたのだが、本人が気が付かないうちに就寝中に病気で亡くなってしまいす。 そして再び少年が目を覚ますと、前世の記憶を持ったまま全く別の世界で新たな生を受ける事に。 しかし、ここでも再び少年は生後直ぐに遺棄される運命を辿って行く事になります。 赤ん坊となった少年は、果たして家族と再会する事が出来るのか。 色々な視点が出てきて読みにくいと思いますがご了承ください。 家族の絆、血のつながりのある絆、血のつながらない絆とかを書いて行く予定です。 ※小説家になろう様でも投稿しております

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

西園寺わかば🌱
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。 転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。 - 週間最高ランキング:総合297位 - ゲス要素があります。 - この話はフィクションです。

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

家族に辺境追放された貴族少年、実は天職が《チート魔道具師》で内政無双をしていたら、有能な家臣領民が続々と移住してきて本家を超える国力に急成長

ハーーナ殿下
ファンタジー
 貴族五男ライルは魔道具作りが好きな少年だったが、無理解な義理の家族に「攻撃魔法もろくに使えない無能者め!」と辺境に追放されてしまう。ライルは自分の力不足を嘆きつつ、魔物だらけの辺境の開拓に一人で着手する。  しかし家族の誰も知らなかった。実はライルが世界で一人だけの《チート魔道具師》の才能を持ち、規格外な魔道具で今まで領地を密かに繁栄させていたことを。彼の有能さを知る家臣領民は、ライルの領地に移住開始。人の良いライルは「やれやれ、仕方がないですね」と言いながらも内政無双で受け入れ、口コミで領民はどんどん増えて栄えていく。  これは魔道具作りが好きな少年が、亡国の王女やエルフ族長の娘、親を失った子どもたち、多くの困っている人を受け入れ助け、規格外の魔道具で大活躍。一方で追放した無能な本家は衰退していく物語である。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。