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第二十章 マロード男爵領とジンさんの結婚式

四百六十三話 フリーダムな披露宴

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 前回よりも行程が伸びたパレードが終わり、僕達は披露宴会場になる冒険者ギルドに無事到着しました。
 うぅ、パレードってあんなに大変なんだ。
 ずっと笑顔で手を振っていたから、とっても疲れたよ。
 因みに、陛下や教皇様などは近衛騎士の護衛を受けながら、さっさと冒険者ギルドについていました。

「「「ガハハ!」」」
「おじいちゃん、何やっているの……」

 そして、前回と同じく宰相が冒険者と肩を組んで既に酔っ払っていました。
 孫のカミラさんも、宰相の姿を見て思わず呆れています。

「「「うう、あのルルーがお嫁に……」」」
「こっちも駄目だな」
「そうですね……」

 商務卿の家族の男性陣はというと、商務卿の所で働いていたルルーさんがお嫁にいくとなって、またもや号泣しています。
 レイナさんとクラヴィーアさんも、なすすべなしって感じです。
 というか、まだ披露宴は始まっていないんですけどね。
 という事で、披露宴を始めます。
 何故か、またもや僕が司会です。

「えーっと、これからジンさんとアレクサさんの披露宴と魔物退治の戦勝祝いとランディ様とルルーさんの婚約披露宴を始めたいと思います」
「「「うおー!」」」

 パレードで大盛りあがりだった参加者のテンションは凄い事になっていて、僕が始まりを告げると更にヒートアップしていた。

「早速ですが、ウエディングケーキの入刀です」
「ははは、またもや凄い人がケーキを運んでいるぞ」
「流石はジンだな。ははは!」

 ウエディングケーキを運んできたのは、カレン様とリルムです。
 特にカレン様はジンさんに命を助けられたので、何処かでお返しをしたいと思っていた様です。
 大歓声の中、ジンさんとアレクサさんがウエディングケーキの入刀を行いました。

「それでは、お時間まで楽しんで下さい」
「「「うおー!」」」

 もうこれで大丈夫だろうと思ったので、僕は話を締めました。
 というか、既に皆好き勝手にやっています。

「おにくおいちー!」
「一杯食べてね」
「うん!」

 子ども達が沢山集まっているテーブルが一番平和です。
 カレン様もこのテーブルにいて、ミカエルと一緒にお肉を食べています。
 レイカちゃんとガイルちゃん達も、小さく切って貰ったお肉をもりもりと食べています。
 このテーブルには、枢機卿や各国の女性陣が集まっています。
 各国の子どもたちが仲良くしているのを、目を細めて見ています。
 しかし、クレイモアさんの姿はここにはありません。

「くそ、またもや男に逃げられた」
「まだまだ諦めないぞ」
「「「オー!」」」

 クレイモアさんは独身女性達と意気投合して、次々と男性に声をかけています。
 しかし、男性は独身女性達の圧力にビビって逃げています。
 うーん、あの分だと今回も駄目だろうなあ。 

「いやあ、祝いの酒は美味いなあ」
「あなた。飲むのは良いですが、また酔っ払ったら承知しませんよ」
「毎回迷惑をかけるのですからね」
「ヒィィ」
「はっはー、一国の王も尻に敷かれているのか」
「ある意味、うちと同じだな」

 陛下は調子に乗ってお酒を沢山飲もうとしたので、王妃様とアリア様に止められています。
 尻に敷かれている陛下に親近感を持った人もいました。
 
「がーはは!」
「うう、うう……」
「「「駄目だこりゃ」」」

 宰相と商務卿はもうなすすべなしって感じです。
 家族の女性陣も、匙を投げていました。

「次はブランターク男爵家とルルーの結婚式か」
「俺等も魔物討伐に参加したから、二人を祝いに行くぞ!」
「はい、皆さんをお待ちしております」
「流石にここまでの事はしませんけど」

 そして、次の結婚式を行うランディさんとルルーさんの所にも、多くの冒険者が集まっています。
 今回の魔物討伐が二人を結びつけたのだから、結婚式に参加したい人は多いよね。
 あとルルーさん、ここに集まった人は大騒ぎ大好きな人が多いですから、絶対に凄い人が集まりますよ。
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