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第二十章 マロード男爵領とジンさんの結婚式

四百四十八話 大きな事件の予感?

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「一体、何でこんなにゴブリンが襲って来たんでしょうね?」
「うーん、分からないですね。何処かにゴブリンの巣があるのは間違いないです」
「魔道具の反応はなかったよ」

 僕はノエルさんとリズとも話をするけど、確かに何か魔力が働いた気配はなかった。
 人為的な感じはなかったけど、この数のゴブリンが現れた原因は何だろうか?

 パカパカパカパカ。

 お、騎馬に乗った兵がこちらにやってきたぞ。
 何だか焦った表情をしているぞ。

「アレク殿下、リズ殿下。ご無事ですか?」
「森から強力な雷撃が見えましたので、何かあったのかと駆けつけました」
「うお、何だこのゴブリンの死体の数は!」
「ゴブリンジェネラルもいるぞ!」

 あ、そうか。
 僕とプリンの合体魔法が、森の外まで見えたのか。
 森から強力な魔力反応があれば、そりゃ兵も焦るよね。
 そして、沢山のゴブリンの死体にも兵はびっくりしていました。

「殿下? アレク殿下にリズ殿下?」

 あ、新人冒険者が兵の発言を聞いて不思議そうな顔をしている。
 そっか、僕達の事を知らなかったんだ。
 新人冒険者に、簡単に僕達の事を説明しておこう。

「えっと、僕とリズは王族でサンディはロンカーク伯爵家当主です。ノエルさんは近衛騎士で、チセさんは僕の秘書的な存在です。イヨは訳あって、預かっています」
「「「「はっ?」」」」
「あたしゃ、普通の街の住人だよ。まあ、冒険者している時はアレク君達は特別扱いしないでくれって事になっているんだよ」

 僕の説明を聞いた新人冒険者は、訳が分からないって表情になっていました。
 こればっかりはしょうがないけど、何とか慣れて貰おう。

「しかし、これだけのゴブリンが突然現れるのは、どう考えてもおかしいですね」
「人為的な反応はなかったのですが、確かにおかしいですよね」

 討伐証を回収しながら、僕と兵が状況を話します。
 ゴブリンジェネラルだけは、そのままアイテムボックスに回収します。
 この後周辺にゴブリンがいないか兵が確認するそうなので、僕達は冒険者ギルドに戻ります。

「おう、戻ったか。沢山ゴブリンが現れたってな」
「はい、ゴブリンジェネラルまで現れるなんて思っていませんでした」
「お前らならゴブリンジェネラルくらいなら楽勝だけどな」

 冒険者ギルドに戻ると、早速ギルドマスターが出迎えてくれました。
 既に門兵からギルドに報告が入っているのか、森で何があったかを把握していました。

「お前らも、とんだデビュー戦だったな。まあ、運が良かったと思ってくれ」
「「「「はい……」」」」

 新人冒険者は、今日がデビュー戦だったのか。
 それじゃあ、ゴブリン相手にビビるのもしょうがないね。

「しかし、アレク君がゴブリンを倒してくれて良かった。この手紙の信憑性が裏付けられたわけだ」
「あれ? 辺境伯様?」

 そして、冒険者ギルドに辺境伯様も姿を現しました。
 これは何か大きな事件になりそうな雰囲気ですよ。
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