284 / 954
第二十章 マロード男爵領とジンさんの結婚式
四百四十三話 大暴れしたストール男爵
しおりを挟む
「くそ、くそ、くそ。俺は貴族なんだぞ!」
「誰か、助けて……」
事件が発生したのは温泉街の食堂で、以前に僕達も利用した事のある所だった。
どうもストール男爵は酔っ払っている様で、ナイフを持って給仕のお姉さんを人質に取っていた。
ストール男爵に同行していたと思われる人物は既に拘束されていたので、後はストール男爵をどうにかするだけらしい。
「マイク様、それにセシル様も。結婚式ではなかったのですか?」
「もう披露宴だけだし、主な方からの挨拶も終わった。何も問題はない」
「私達の事よりも領民の命の方が大切ですわ」
「「「マイク様! セシル様!」」」
現場の指揮官が、なぜここにマイク様とセシルさんがいるのかとびっくりしていた。
でもマイク様とセシルさんはここにいて当たり前だといった感じだし、集まった領民もマイク様とセシルさんに大きな歓声を上げていた。
「くそ! 同じ男爵なのに対応が違うじゃないか! もっと貴族を敬え!」
うん、酔っ払いが何か言っているけど、気にしない事にしよう。
こちらも、人質の救出準備は万端です。
「はあ、アホには何をいっても無駄ですね。スラちゃん、やっていいわよ」
王妃様はギャーギャー喚いているストール男爵に呆れながらも、冷静にスラちゃんに指示を出していた。
スラちゃんは王妃様に触手で敬礼をすると、さっとショートワープを使いました。
「えっ?」
「あー!」
スラちゃんのショートワープであっという間に助けられた給仕のお姉さんは、びっくりしていてよく分かっていなかった。
そして、スラちゃんよ。
毎回の事だけど、悪人のお尻に触手を突き刺すのは止めなさい。
でも、これで店内はストール男爵だけなんだけど、随分と暴れたんだな。
店内は椅子や机が散乱していて、めちゃくちゃになっているぞ。
「くそ、くそくそ!」
「あっ!」
バシッ。
そして、何を血迷ったのか、ストール男爵は王妃様目掛けて水魔法を乱射したのだ。
すかさずスラちゃんが魔法障壁を張って魔法を防ぐけど、もうストール男爵はめちゃくちゃだなあ。
「はあ、はあ、はあ、はあ。くそ、なぜスライムの魔法障壁が破れないんだ!」
ストール男爵は魔力があまりないのか、あっという間に魔法を撃ち終えてしまった。
膝をついて、荒い息を上げていた。
スラちゃんも、変な踊りでストール男爵を煽らないの。
そして水魔法で更にぐちゃぐちゃになった店内を見て、マイク様が一言。
「このお店、お前ら同級生組の二次会会場だったんだよ。王妃様とアリア様絶賛のすき焼きを出す予定だったんだ」
「「「はあ?」」」
マイク様の呟きを聞いた同級生の女性陣が、思わず声を上げていた。
店内だけでなく厨房もめちゃくちゃになっていて、二次会どころではないのは明白だ。
怒りの止まらない女性陣が、王妃様とアリア様に質問していた。
「王妃様、アリア様。こいつ締めても良いですか?」
「ちょっと、許せないんですけど」
「ええ、良いわよ。なにせ陛下にお土産として頼んだしゃぶしゃぶセットも、このお店に頼んだのよ。これじゃあ、陛下へのお土産も駄目になっただろうしね」
「へっ?」
あーあ、ストール男爵は二次会会場どころか陛下へのお土産まで駄目にしちゃったんだ。
ストール男爵は、今更ながらしまったといった顔になった。
でも、もう何もかもが遅いだろうね。
王妃様はにこやかに女性陣への攻撃を許可していた。
「王族を直接攻撃した時点で、既に貴族としての権限は全て停止されたから遠慮はいらないわよ。ただ、お喋りできる程度にしていてね」
「「「はい!」」」
そして、アリア様もにこやかに女性陣への攻撃を許可していた。
まあ、王族を直接攻撃したから、ならず者を制圧するという大義名分もあるしね。
ポキポキ、ポキポキ。
ポキポキ、ポキポキ。
「や、やめ、やめて……」
ポキポキ、ポキポキ。
ポキポキ、ポキポキ。
無言で拳を鳴らす女性陣を見て、ストール男爵はズリズリと下がっていった。
しかし、壁にぶつかってもうこれ以上下がれなくなった。
ストール男爵は顔面蒼白だけど、もう遅いだろうなあ。
「「「成敗!」」」
「あー!」
そしてストール男爵は、怒れる女性陣によってボコボコにされました。
あまりにも女性陣がストール男爵をボコボコにしすぎたので、僕がストール男爵を治療する事になりました。
こうして、ボコボコにされたストール男爵はあえなく捕縛されました。
「誰か、助けて……」
事件が発生したのは温泉街の食堂で、以前に僕達も利用した事のある所だった。
どうもストール男爵は酔っ払っている様で、ナイフを持って給仕のお姉さんを人質に取っていた。
ストール男爵に同行していたと思われる人物は既に拘束されていたので、後はストール男爵をどうにかするだけらしい。
「マイク様、それにセシル様も。結婚式ではなかったのですか?」
「もう披露宴だけだし、主な方からの挨拶も終わった。何も問題はない」
「私達の事よりも領民の命の方が大切ですわ」
「「「マイク様! セシル様!」」」
現場の指揮官が、なぜここにマイク様とセシルさんがいるのかとびっくりしていた。
でもマイク様とセシルさんはここにいて当たり前だといった感じだし、集まった領民もマイク様とセシルさんに大きな歓声を上げていた。
「くそ! 同じ男爵なのに対応が違うじゃないか! もっと貴族を敬え!」
うん、酔っ払いが何か言っているけど、気にしない事にしよう。
こちらも、人質の救出準備は万端です。
「はあ、アホには何をいっても無駄ですね。スラちゃん、やっていいわよ」
王妃様はギャーギャー喚いているストール男爵に呆れながらも、冷静にスラちゃんに指示を出していた。
スラちゃんは王妃様に触手で敬礼をすると、さっとショートワープを使いました。
「えっ?」
「あー!」
スラちゃんのショートワープであっという間に助けられた給仕のお姉さんは、びっくりしていてよく分かっていなかった。
そして、スラちゃんよ。
毎回の事だけど、悪人のお尻に触手を突き刺すのは止めなさい。
でも、これで店内はストール男爵だけなんだけど、随分と暴れたんだな。
店内は椅子や机が散乱していて、めちゃくちゃになっているぞ。
「くそ、くそくそ!」
「あっ!」
バシッ。
そして、何を血迷ったのか、ストール男爵は王妃様目掛けて水魔法を乱射したのだ。
すかさずスラちゃんが魔法障壁を張って魔法を防ぐけど、もうストール男爵はめちゃくちゃだなあ。
「はあ、はあ、はあ、はあ。くそ、なぜスライムの魔法障壁が破れないんだ!」
ストール男爵は魔力があまりないのか、あっという間に魔法を撃ち終えてしまった。
膝をついて、荒い息を上げていた。
スラちゃんも、変な踊りでストール男爵を煽らないの。
そして水魔法で更にぐちゃぐちゃになった店内を見て、マイク様が一言。
「このお店、お前ら同級生組の二次会会場だったんだよ。王妃様とアリア様絶賛のすき焼きを出す予定だったんだ」
「「「はあ?」」」
マイク様の呟きを聞いた同級生の女性陣が、思わず声を上げていた。
店内だけでなく厨房もめちゃくちゃになっていて、二次会どころではないのは明白だ。
怒りの止まらない女性陣が、王妃様とアリア様に質問していた。
「王妃様、アリア様。こいつ締めても良いですか?」
「ちょっと、許せないんですけど」
「ええ、良いわよ。なにせ陛下にお土産として頼んだしゃぶしゃぶセットも、このお店に頼んだのよ。これじゃあ、陛下へのお土産も駄目になっただろうしね」
「へっ?」
あーあ、ストール男爵は二次会会場どころか陛下へのお土産まで駄目にしちゃったんだ。
ストール男爵は、今更ながらしまったといった顔になった。
でも、もう何もかもが遅いだろうね。
王妃様はにこやかに女性陣への攻撃を許可していた。
「王族を直接攻撃した時点で、既に貴族としての権限は全て停止されたから遠慮はいらないわよ。ただ、お喋りできる程度にしていてね」
「「「はい!」」」
そして、アリア様もにこやかに女性陣への攻撃を許可していた。
まあ、王族を直接攻撃したから、ならず者を制圧するという大義名分もあるしね。
ポキポキ、ポキポキ。
ポキポキ、ポキポキ。
「や、やめ、やめて……」
ポキポキ、ポキポキ。
ポキポキ、ポキポキ。
無言で拳を鳴らす女性陣を見て、ストール男爵はズリズリと下がっていった。
しかし、壁にぶつかってもうこれ以上下がれなくなった。
ストール男爵は顔面蒼白だけど、もう遅いだろうなあ。
「「「成敗!」」」
「あー!」
そしてストール男爵は、怒れる女性陣によってボコボコにされました。
あまりにも女性陣がストール男爵をボコボコにしすぎたので、僕がストール男爵を治療する事になりました。
こうして、ボコボコにされたストール男爵はあえなく捕縛されました。
451
お気に入りに追加
8,907
あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました

野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。