転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

文字の大きさ
上 下
283 / 937
第二十章 マロード男爵領とジンさんの結婚式

四百四十二話 ブーケをゲットしたのは?

しおりを挟む
 結婚式の後は、女性陣お待ちかねのブーケトスです。
 リズ達は婚約者が決まっているからブーケトスには参加しません。
 しかし、わらわらと多くの独身女性がブーケトスの所にあつまっていきます。

「な、何だか参加者が多い様な気がしますが?」
「しょうがないよ。同級生の女性陣は、まだ結婚していないのが殆どなんだ。だから、皆も下がっていた方が良いよ」
「「「はーい」」」

 僕の呟きに、マイク様が苦笑しながら答えてくれた。
 余りの女性陣の迫力に、リズ達も素直に引き下がります。
 巻き込まれて怪我をしてはしょうがないよね。

「それでは、ブーケトスを行います。どうぞ」
「えい!」

 準備が出来た所で、司祭の合図でセシルさんがブーケを投げ入れます。
 そして投げられたブーケに群がる猛者たちの姿がありました。

「ちょっと、押さないでよ」
「私が取るのよ」
「私が取るの!」
「「「うわあ……」」」

 高く投げられたブーケを目掛けて、女性陣が必死になってポジションを確保しようとしています。
 余りの同級生の女性陣の迫力に、同級生の男性陣はドン引きです。
 そして、ブーケは女性陣の手によって弾かれて、あらぬ方向に。

 パサ。

「「あう?」」
「「「あっ」」」

 何と、ブーケトスの所から少し離れて芝生の上で遊んでいたルイちゃんとエドちゃんの所に、大きく弾かれたブーケが飛んでしまったのだ。
 何がなんだか分からないルイちゃんとエドちゃんが、飛んできたブーケをペタペタと触っています。
 赤ちゃんとはいえ、流石に女性陣は王子様の所にブーケを取りに行く訳には行きません。

「どうやらブーケは、ルイ殿下とエド殿下がゲットした様ですね。おめでとうございます」
「「「グハハハ!」」」
「「「ぐぅ……」」」

 ブーケゲットに失敗した同級生の女性陣を、同級生の男性陣が大笑いしています。
 男性陣は、女性陣の逆襲を受けないようにね。

 ブーケトスの後は、立食形式での披露宴です。
 皆思い思いに料理をとって談笑しています。
 僕達は先にマイク様とセシルさんに挨拶を行ないます。

「結婚おめでとうございます」
「「「おめでとうございます」」」
「「あうー」」
「皆、ありがとうね」
「フラワーボーイとフラワーガール、とっても可愛かったわ」

 ルカちゃんとエドちゃんも、ルーカスお兄様とアイビー様に抱っこされながらやってきました。
 二人とも立派にフラワーボーイをやったもんね。
 セシルさんに頭をナデナデさせられて、ルカちゃんとエドちゃんもご機嫌です。
 と、ここにマイク様とセシルさんの同級生達が集まってきました。
 
「お、この子がブーケをゲットした王子様か」
「猛者達から、よくブーケを守ったな」
「「あう?」」
「お前ら、ちょっと言い過ぎだぞ……」

 同級生の男性陣は、ブーケをゲットしたルカちゃんとエドちゃんの頭をナデナデしていた。
 当のルカちゃんとエドちゃんはというと、何がなんだか分かっていない様子だった。

「お前ら、ちょっとうるさいよ」
「そうだよ!」
「がっつく女性陣が悪いんだぞ」
「来賓もドン引きしていたぞ」

 そして、不機嫌な女性陣が男性陣に文句を言っていた。
 でも、見た感じは男性陣の方が一枚上手の様だぞ。
 うーん、この女性陣は結婚できない冒険者のお姉さんと同じ雰囲気がするぞ。
 と、賑やかなパーティ会場に一人の騎士がやってきました。
 何だかとても慌てた様子だぞ。

「披露宴中申し訳ありません。ストール男爵が温泉街で大暴れをしております」
「「「えっ!」」」

 騎士の報告に、披露宴会場にいた人は皆びっくりです。
 ストール男爵本人が蛮行を犯すなんて。

「ストール男爵は人質をとっていて、こちらも下手に動けません」
「よし、直ぐに行こう」
「私も向かいますわ」
「ゲートを繋ぎます」

 騎士の報告を聞いたマイク様とセシルさんも、直ぐに現地に向かう事になった。
 僕も温泉街にゲートを繋ぎ、最終的にはほぼ全ての来賓客が温泉街に向かう事になった。
しおりを挟む
感想 237

あなたにおすすめの小説

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

学園首席の私は魔力を奪われて婚約破棄されたけど、借り物の魔力でいつまで調子に乗っているつもり?

今川幸乃
ファンタジー
下級貴族の生まれながら魔法の練習に励み、貴族の子女が集まるデルフィーラ学園に首席入学を果たしたレミリア。 しかし進級試験の際に彼女の実力を嫉妬したシルヴィアの呪いで魔力を奪われ、婚約者であったオルクには婚約破棄されてしまう。 が、そんな彼女を助けてくれたのはアルフというミステリアスなクラスメイトであった。 レミリアはアルフとともに呪いを解き、シルヴィアへの復讐を行うことを決意する。 レミリアの魔力を奪ったシルヴィアは調子に乗っていたが、全校生徒の前で魔法を披露する際に魔力を奪い返され、醜態を晒すことになってしまう。 ※3/6~ プチ改稿中

誰にも信じてもらえなかった公爵令嬢は、もう誰も信じません。

salt
恋愛
王都で罪を犯した悪役令嬢との婚姻を結んだ、東の辺境伯地ディオグーン領を治める、フェイドリンド辺境伯子息、アルバスの懺悔と後悔の記録。 6000文字くらいで摂取するお手軽絶望バッドエンドです。 *なろう・pixivにも掲載しています。

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

えながゆうき
ファンタジー
 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜

言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。 しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。 それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。 「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」 破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。 気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。 「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。 「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」 学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス! "悪役令嬢"、ここに爆誕!

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。