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第十九章 懐古派の砦編

四百二十五話 小さな尋問官

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 会議も終わったので、皆がいるルカちゃんとエドちゃんの部屋に向かいます。
 皆はイヨと仲良くしているかな?
 そんな事を思いながら、僕とルーカスお兄様とティナおばあさまとジンさんは部屋のドアを開けました。

「いよちゃは、にーにのことがちゅき?」
「うーん、好きかどうか分からない」
「じゃー、にーにのことがきらい?」
「嫌いじゃないよ」
「じゃー、いよちゃはにーにのことがちゅきなんだ!」

 僕達が部屋に入ると、何故かミカエルによるイヨへの可愛い尋問が行われていた。
 ミカエルの場合は、嫌いじゃないイコール好きって事らしい。
 周りの人もミカエルが積極的にイヨに質問しているので、成り行きを見守っている。
 
「あ、にーにだ!」

 と、僕の事を見つけたミカエルが、トコトコと僕の所にやってきて抱きついてきた。

「あのね、いよちゃはにーにのことがちゅきなんだって!」
「だから、イヨは僕の事が好きかどうか分からないんだよ」
「そーなの?」

 うーん、ミカエルは不思議そうな顔で僕の事を見上げている。
 まだミカエルに色々な事を説明するのは難しい。
 どうやってミカエルに説明しようと思ったら、助太刀してくれた人が現れたを

「ミカエルちゃん。イヨちゃんはね、まだお兄ちゃんと会ったばっかりなのよ」
「そーなんだ!」

 オカマさんからイヨの事情を直接聞いていたアリア様が、ミカエルに説明してくれた。

「だからね、ミカエルちゃんもお兄ちゃんとイヨちゃんが仲良くなれる様に頑張らないとね」
「うん! みかがんばりゅ!」

 流石はアリア様だ。
 上手くミカエルの関心を反らしてくれた。
 僕としてもイヨと仲良くなる事には賛成だし、この位なら全然大丈夫だ。
 しかし、今日のミカエルは何故か冴え渡っていた。
 違う人に爆弾が飛び火してしまったのだ。

「じゃー、じーとあれちゃはなかよし?」
「ぶっ!」
「じー、きちゃないよ!」
「お前が余計な事を言うからだよ!」

 そう、ミカエルはジンさんとアレクサさんの事をぶっ込んできたのだ。
 正確には、アレクサさんがジンさんの事を思っている事に関してだ。
 一斉に視線がアレクサさんの方に向いた。

「わ、私は、その、あの、その……」

 おお、アレクサさんが顔を真っ赤にして手を振ってワタワタとしていた。
 アレクサさんは、完全にパニックになっているなあ。

「あれちゃは、じーのことちゅきー!」
「ちゅきー!」
「「あうー」」
「ふぇ」

 ミカエルに加えてブリッドと共に、何故かルカちゃんとエドちゃんもアレクサさんの事を指さしていた。
 アレクサさんはミカエル達に指摘されて、更にパニックになっている。
 うーん、話の話題が完全にイヨからアレクサさんの事に切り替わってしまったぞ。
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