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第十九章 懐古派の砦編
四百十九話 イヨ
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闇ギルドの今の状況は分かったので、次はオカマさんの膝の上に座っている女の子の話になります。
実はオカマさんの話の途中から、女の子がじーっと僕の顔を見ていたんだよね。
「この子はイヨって言って、年齢は五歳よ。今年の秋に六歳になるわ」
「リズとお兄ちゃんの一つ下だね」
「そうね。本当は愛くるしい、とても可愛らしい子なのよ」
年齢はともかくとして、オカマさんの話からするとイヨはこんなに無表情な子ではないらしいぞ。
「実はこの子は、先代の巫女に仕えていた女性の子どもなのよ。それがあのピエロが消え去るドタバタにその女性が巻き込まれて、ピエロの関係者がこの子の目の前で両親を殺害したのよ」
「「「えっ!」」」
オカマさんの話に、一同びっくりです。
小さな子どもの目の前で、とんでもない悲劇が起きたんだ。
「私とスキンヘッドは、ピエロが消えたって連絡を貰って砦に向かったのよ。すると、血の海にぺたんと座り込んでいるこの子がいたわ。小さい頃からこの子を見ていたけど、流石に私もショックだったわよ」
「可哀想に。そんな悲劇を目の前で見てしまったら、感情が無くなるのも仕方ないですわね」
「そうね。スキンヘッドも余りの惨状に号泣していたけど、この子は相変わらずぽかーんとしていたわ」
オカマさんの話を聞いたアリア様が、思わず涙を流していた。
イヨは、目の前で両親を殺害された事を受け止めきれていないのだろう。
「流石の私も頭にきてね、イヨの両親を殺害したバカをぶん殴ってから、そいつを戦いの最前線にぶん投げてやったわ」
「確か、どこからともなく男が投げられていたという報告が上がっていたわ。男の歯は全て折られていたわ」
「その位は当然ね。寧ろ殺さないでいた方が凄いわよ」
「私は、お転婆はしても人殺しはしないわよ。今まで一人も殺した事はないわ。まあ、初めてアレク君とリズちゃんに会った時はかなり強く操られていたから危なかったけどね」
オカマさんの事は置いておいて、イヨの両親を殺害した男の事はどうなったのだろうか?
「レリーフ枢機卿様、その男はどうなりましたか?」
「その男は多数の殺人を犯していて、教皇国でも指名手配されていたのよ。勿論、死刑にされたわ」
「そうですか。ある意味、イヨの両親の仇はとっていたんですね」
元から問題のあった人物だったのか。
というか、ピエロはこんな人物を集めていたのか。
本当に犯罪集団になったんだな。
「相談ってのは、イヨを預かってくれないかという事よ。私もスキンヘッドもお店があってね、中々この子の面倒を見る事ができないのよ」
「確かに、お店は大繁盛していましたからね」
オカマさんの料理屋は、とっても大繁盛していた。
恐らくだけど、スキンヘッドの居酒屋も人気店なのだろう。
そうなると、イヨの心のケアどころじゃないよなあ。
実はオカマさんの話の途中から、女の子がじーっと僕の顔を見ていたんだよね。
「この子はイヨって言って、年齢は五歳よ。今年の秋に六歳になるわ」
「リズとお兄ちゃんの一つ下だね」
「そうね。本当は愛くるしい、とても可愛らしい子なのよ」
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「実はこの子は、先代の巫女に仕えていた女性の子どもなのよ。それがあのピエロが消え去るドタバタにその女性が巻き込まれて、ピエロの関係者がこの子の目の前で両親を殺害したのよ」
「「「えっ!」」」
オカマさんの話に、一同びっくりです。
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「私とスキンヘッドは、ピエロが消えたって連絡を貰って砦に向かったのよ。すると、血の海にぺたんと座り込んでいるこの子がいたわ。小さい頃からこの子を見ていたけど、流石に私もショックだったわよ」
「可哀想に。そんな悲劇を目の前で見てしまったら、感情が無くなるのも仕方ないですわね」
「そうね。スキンヘッドも余りの惨状に号泣していたけど、この子は相変わらずぽかーんとしていたわ」
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イヨは、目の前で両親を殺害された事を受け止めきれていないのだろう。
「流石の私も頭にきてね、イヨの両親を殺害したバカをぶん殴ってから、そいつを戦いの最前線にぶん投げてやったわ」
「確か、どこからともなく男が投げられていたという報告が上がっていたわ。男の歯は全て折られていたわ」
「その位は当然ね。寧ろ殺さないでいた方が凄いわよ」
「私は、お転婆はしても人殺しはしないわよ。今まで一人も殺した事はないわ。まあ、初めてアレク君とリズちゃんに会った時はかなり強く操られていたから危なかったけどね」
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「確かに、お店は大繁盛していましたからね」
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