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第十九章 懐古派の砦編
四百十八話 新たな教団設立の動き
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「闇ギルドの方向性を巡っていざこざが起き始めたのは、だいたい十年位前ね。実をいうと、先代の巫女は独身で後継者がいなかったのよ」
「後継ぎを巡って、争いが起きたんですね」
「そうよ。だけど、トップである巫女は女性ではいけないの。そこで、一番巫女に近い血筋だった男が新たな教団設立の動きを見せ始めたのよ。それがピエロよ」
確かに共和国であったあのピエロは何だかおかしい雰囲気だったけど、権力欲の塊だったのか。
「そして、ピエロはどこから連れてきたか分からないけど、ドクターを側に置いていたのよ。実験と称して、色々な薬を作っていたわ」
「私の夫も、ピエロとドクターの実験で殺された訳ね。そういえば共和国で二人に会った時も、サンプルがどうだかと言っていたわね」
「ドクターの研究はピエロによって機密扱いだったから、私もよく知らないのよ」
うーん、どうもピエロがどうやってドクターと出会ったか分からないけど、ドクターと会うことでピエロは行動を起こす様になったみたいだ。
それで、実験と称してティナおばあさまの夫でありリズの実の祖父が殺害された訳か。
「ピエロは、水面下で色々と計画を練っていたらしいわ。でも、先代の巫女はとっても健康的で、いつ死ぬか全く予想できなかったのよ。それに私達もこの地で生計を立てていたので、闇ギルドから離れていく人が増えてきたのよ」
まさか、ここで元気なおばあちゃんの存在がピエロに立ちはだかったとは。
先代の姫巫女の存在が、ピエロの蓋になっていたんだ。
「でもね、いつしか人間って死ぬものなのね。化け物の様に思われていた先代の巫女が、今年の初めに死んだのよ。それで、ピエロが賛同者を連れて行動を起こす様にしたのよ」
「まさか、ピエロが先代の姫巫女を殺害したんですか?」
「いいえ、違うのよ。死因は病死になっているけど、実は急いでご飯を食べていたら食べ物で喉を詰まらせて窒息死したのよ」
「ある意味、とんでもない死因ですね」
「私としては、先代の巫女らしいわって思うわ」
この辺は、最近の懐古派の衰退と時系列がイコールだ。
スラちゃんが反応していないから、オカマさんの話は本当なんだろうね。
「ピエロは、多くの人と魔導具と共に忽然と消えたわ。私達も、先代の巫女の闇魔法から逃れられたので、普通の生活を送ろうと決めたのよ」
「という事は、ピエロが率いる組織が新しい闇ギルドなんですね」
「そういう事よ。私達も、お転婆をしなくて良いと思うと、せいせいしたわ」
問題は、ピエロが何処に行ったかだよなあ。
こればかりはオカマさんも知らないみたいだし、スラちゃんの反応からすると本当の様だぞ。
「後継ぎを巡って、争いが起きたんですね」
「そうよ。だけど、トップである巫女は女性ではいけないの。そこで、一番巫女に近い血筋だった男が新たな教団設立の動きを見せ始めたのよ。それがピエロよ」
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「そして、ピエロはどこから連れてきたか分からないけど、ドクターを側に置いていたのよ。実験と称して、色々な薬を作っていたわ」
「私の夫も、ピエロとドクターの実験で殺された訳ね。そういえば共和国で二人に会った時も、サンプルがどうだかと言っていたわね」
「ドクターの研究はピエロによって機密扱いだったから、私もよく知らないのよ」
うーん、どうもピエロがどうやってドクターと出会ったか分からないけど、ドクターと会うことでピエロは行動を起こす様になったみたいだ。
それで、実験と称してティナおばあさまの夫でありリズの実の祖父が殺害された訳か。
「ピエロは、水面下で色々と計画を練っていたらしいわ。でも、先代の巫女はとっても健康的で、いつ死ぬか全く予想できなかったのよ。それに私達もこの地で生計を立てていたので、闇ギルドから離れていく人が増えてきたのよ」
まさか、ここで元気なおばあちゃんの存在がピエロに立ちはだかったとは。
先代の姫巫女の存在が、ピエロの蓋になっていたんだ。
「でもね、いつしか人間って死ぬものなのね。化け物の様に思われていた先代の巫女が、今年の初めに死んだのよ。それで、ピエロが賛同者を連れて行動を起こす様にしたのよ」
「まさか、ピエロが先代の姫巫女を殺害したんですか?」
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「ある意味、とんでもない死因ですね」
「私としては、先代の巫女らしいわって思うわ」
この辺は、最近の懐古派の衰退と時系列がイコールだ。
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「ピエロは、多くの人と魔導具と共に忽然と消えたわ。私達も、先代の巫女の闇魔法から逃れられたので、普通の生活を送ろうと決めたのよ」
「という事は、ピエロが率いる組織が新しい闇ギルドなんですね」
「そういう事よ。私達も、お転婆をしなくて良いと思うと、せいせいしたわ」
問題は、ピエロが何処に行ったかだよなあ。
こればかりはオカマさんも知らないみたいだし、スラちゃんの反応からすると本当の様だぞ。
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