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第十八章 少し平和な日々
三百八十九話 講師推薦の冒険者パーティ
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「ほら、こちらの服の方が似合いますよ」
「こちらの服はお姉さんにピッタリですよ」
「あまり露出をすると、怪我をする原因にもなりますわ」
冒険者ギルドの売店にお姉さん達を連れて行って、レイナさんとリリーさんとクラヴィーアさんが冒険者服を見繕っています。
その間に、僕達は今日の薬草採取の手続きをしてきます。
因みに、リズとサンディにミカエルとブリットも売店で品物を見ています。
「どうやら、彼女達の母親は元冒険者で、今の彼女達がしている服装をしていたらしいわ」
「それでお姉さん達は、お母さんに騙されたって言っていたんですね」
「確かに、昔の冒険者にはビキニアーマーとか着ていた女性もいたらしいな。今は服の性能も上がったから、ビキニアーマーなんて着なくなったぞ」
僕とジンさんが窓口で受付のお姉さんと手続きをしつつ話をしていたのだけど、昔の冒険者はビキニアーマーを着た人がいたのか。
今ビキニアーマーを着ている人は、余程スタイルに自信があるか露出狂のどちらかだろう。
さっきまでビキニアーマーを着ていたお姉さんは、大きくもなく小さくもなく普通のスタイルだった。
「皆さん、ご迷惑をおかけしました……」
顔を真っ赤にしながら、三人のお姉さんが僕達の所にやってきた。
普通の冒険者の格好をしているので、僕もジンさんもホッと胸を撫で下ろしています。
とはいっても剣士と魔法使いのお姉さんはミニスカートをはいているので、元々そういう服が好きなのかも知れない。
ちゃんとスパッツをはいているので、パンツは見えません。
「まあ、あれだ。初心者の冒険者ほど奇抜な衣装をする傾向にある。ここで気がついて、良かったと思えばいいさ」
「「「はい……」」」
ジンさんも、努めて無難な事を言っていた。
これからは大丈夫でしょう。
すると、お姉さん達はジンさんに質問してきた。
「あの、初心者講習の際に講師からこんな事を言われたんです」
「もし薬草採取講習を受けずに薬草採りに行くのなら、聖剣持ちのAランク冒険者が率いるパーティに声をかけろって」
「しかもパーティメンバーが、王族や貴族当主に貴族令嬢からなると言っていました。そんなパーティってないですよね」
「おい、誰だよ。そんな事を言った奴は!」
どう考えても、僕達のパーティの事を言っているよね。
まあ、僕達が薬草採取に行く際は初心者のグループが一緒について行く事が多いんだよな。
でも、まさかギルドの講習で僕達の名前が出てくるとは思わなかったぞ。
すると、冒険者ギルドにいる冒険者が、一斉に顔を逸らしていた。
「おい、お前らが犯人か! 毎回初心者が加わってくるから、なんかおかしいと思っていたんだぞ!」
冒険者に向かって、ジンさんが叫んでいた。
まさか、多くの冒険者がグルだったとは。
そしてジンさんの叫びを聞いた冒険者のお姉さんが、ジンさんを見てびっくりしていた。
「えっ、まさかジンさんが聖剣持ちのAランク冒険者?」
「という事は、さっき服を選んでくれた女性の方々は貴族令嬢?」
「貴族当主って、まさかアレク君が貴族当主?」
お姉さんは、僕の方も見て固まっていた。
そりゃ自分達に声をかけてくれたのが、実はとんでもないパーティだったとは知らないよね。
すると、再びミカエルとブリットがちょこちょことこちらにやってきた。
「にーにはおーぞくだよ! ねーねもおーぞく!」
「ミカちゃはきぞくさま!」
「ブリちゃはせーじょさま!」
「え、アレク君が王族? リズちゃんも?」
「ミカエルちゃんが、貴族当主なの?」
「ブリッドちゃんが聖女様?」
ミカエルとブリッドがバラした事実を、お姉さん達は中々受け入れられなかった。
ジンさんも騒ぎを聞きつけたレイナさん達も、このカオスな状況を見てあちゃーって表情をしていた。
うーん、今日は何時になったら薬草採取ができるのだろう。
「こちらの服はお姉さんにピッタリですよ」
「あまり露出をすると、怪我をする原因にもなりますわ」
冒険者ギルドの売店にお姉さん達を連れて行って、レイナさんとリリーさんとクラヴィーアさんが冒険者服を見繕っています。
その間に、僕達は今日の薬草採取の手続きをしてきます。
因みに、リズとサンディにミカエルとブリットも売店で品物を見ています。
「どうやら、彼女達の母親は元冒険者で、今の彼女達がしている服装をしていたらしいわ」
「それでお姉さん達は、お母さんに騙されたって言っていたんですね」
「確かに、昔の冒険者にはビキニアーマーとか着ていた女性もいたらしいな。今は服の性能も上がったから、ビキニアーマーなんて着なくなったぞ」
僕とジンさんが窓口で受付のお姉さんと手続きをしつつ話をしていたのだけど、昔の冒険者はビキニアーマーを着た人がいたのか。
今ビキニアーマーを着ている人は、余程スタイルに自信があるか露出狂のどちらかだろう。
さっきまでビキニアーマーを着ていたお姉さんは、大きくもなく小さくもなく普通のスタイルだった。
「皆さん、ご迷惑をおかけしました……」
顔を真っ赤にしながら、三人のお姉さんが僕達の所にやってきた。
普通の冒険者の格好をしているので、僕もジンさんもホッと胸を撫で下ろしています。
とはいっても剣士と魔法使いのお姉さんはミニスカートをはいているので、元々そういう服が好きなのかも知れない。
ちゃんとスパッツをはいているので、パンツは見えません。
「まあ、あれだ。初心者の冒険者ほど奇抜な衣装をする傾向にある。ここで気がついて、良かったと思えばいいさ」
「「「はい……」」」
ジンさんも、努めて無難な事を言っていた。
これからは大丈夫でしょう。
すると、お姉さん達はジンさんに質問してきた。
「あの、初心者講習の際に講師からこんな事を言われたんです」
「もし薬草採取講習を受けずに薬草採りに行くのなら、聖剣持ちのAランク冒険者が率いるパーティに声をかけろって」
「しかもパーティメンバーが、王族や貴族当主に貴族令嬢からなると言っていました。そんなパーティってないですよね」
「おい、誰だよ。そんな事を言った奴は!」
どう考えても、僕達のパーティの事を言っているよね。
まあ、僕達が薬草採取に行く際は初心者のグループが一緒について行く事が多いんだよな。
でも、まさかギルドの講習で僕達の名前が出てくるとは思わなかったぞ。
すると、冒険者ギルドにいる冒険者が、一斉に顔を逸らしていた。
「おい、お前らが犯人か! 毎回初心者が加わってくるから、なんかおかしいと思っていたんだぞ!」
冒険者に向かって、ジンさんが叫んでいた。
まさか、多くの冒険者がグルだったとは。
そしてジンさんの叫びを聞いた冒険者のお姉さんが、ジンさんを見てびっくりしていた。
「えっ、まさかジンさんが聖剣持ちのAランク冒険者?」
「という事は、さっき服を選んでくれた女性の方々は貴族令嬢?」
「貴族当主って、まさかアレク君が貴族当主?」
お姉さんは、僕の方も見て固まっていた。
そりゃ自分達に声をかけてくれたのが、実はとんでもないパーティだったとは知らないよね。
すると、再びミカエルとブリットがちょこちょことこちらにやってきた。
「にーにはおーぞくだよ! ねーねもおーぞく!」
「ミカちゃはきぞくさま!」
「ブリちゃはせーじょさま!」
「え、アレク君が王族? リズちゃんも?」
「ミカエルちゃんが、貴族当主なの?」
「ブリッドちゃんが聖女様?」
ミカエルとブリッドがバラした事実を、お姉さん達は中々受け入れられなかった。
ジンさんも騒ぎを聞きつけたレイナさん達も、このカオスな状況を見てあちゃーって表情をしていた。
うーん、今日は何時になったら薬草採取ができるのだろう。
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