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第十八章 少し平和な日々

三百八十八話 ビキニアーマーとレオタードローブ

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 ブリットが屋敷に来てから数日後、僕達は久々に冒険者活動を行います。
 参加するのは僕とリズとサンディに、ミカエルとブリット。
 それにジンさんとレイナさんです。
 ルーカスお兄様達やティナおばあさまは、王城で用事があるそうです。
 カミラさん達は、赤ちゃんの面倒を見るそうです。
 そして、この人達も今日の冒険者活動に参加します。

「冒険者活動って久々だよ。緊張するな」
「大丈夫ですわ。リリーは強いのですから」

 ジンさんの妹であるリリーさんと、レイナさんの妹であるクラヴィーアさんです。
 リリーさんは何故かメイド服を着て、ジンさんの聖剣よりも大きな剣を背中に担いでいます。
 何でも、汚れても良い服はメイド服しかなかったらしいです。
 一方のクラヴィーアさんは、騎士服みたいな服装でレイピアを腰に下げています。
 因みに、二人とも冒険者登録済みだそうです。
 
「ポニさん、ブッチー、ミカちゃんとブリちゃんを宜しくね」
「「ヒヒーン」」

 念の為という事で、ミカエルとブリットはポニさんとブッチーに乗っています。
 スラちゃんとプリンも二人にくっついているから、戦力的には問題ないでしょう。
 因みにブリットは、小さなシスター服を着ています。

「あれ? 何だろう。皆が遠巻きに見ている冒険者がいるぞ」
「何だろうね?」
「悪い人では無いみたいですよ」

 冒険者ギルドに到着すると、冒険者が遠巻きに見ている冒険者グループがいた。
 僕達も人混みをかき分けて近づいていくと、何故皆が遠巻きにその冒険者グループを見ていたのかが分かった。

「うう、絶対にこの格好は間違っているよ」
「昨日も周りからジロジロと見られたよね」
「お母さんの話を聞かなければ良かったよ」

 皆が遠巻きに見ていたのは、初心者と思われるお姉さんだ。
 問題はお姉さん達の服装にあった。

「ジンさん、レイナさん。何でビキニアーマーにローブとレオタードなんでしょうか?」
「俺に聞かれても分からないぞ。ビキニアーマーなんて初めて見たぞ」
「私も初めてだよ。何でローブにレオタードの装備なのかしら」

 お姉さん達の服装は、ジンさんとレイナさんも思わず困惑する服装だった。
 魔法剣士のレイナさんは動きやすい格好だけど露出は控え目だし、魔法使いのカミラさんやルリアンさんにナンシーさんもローブの下は普通の服を着ている。
 しかも最近のレイナさん達は、騎士服に似た服を着るようになっている。
 だからなのか、周りにいる冒険者達もお姉さん達に声をかけづらい様だ。
 しかもお姉さん達も、この服装がおかしいと思っているようだ。
 シーフっぽいお姉さんはチューブトップに短パンだけど、他のお姉さんの服を見ればかなりまともに見える。
 ルルーさんの大剣を担いだメイド服の方が、かなりマシに見えるぞ。

 トコトコトコ。

 そして、誰もお姉さん達に声をかけられない中、勇者達が近づいていった。

「ねーねー、さむくない?」
「もーふ、いる?」

 ミカエルとブリットが、手を繫いてお姉さん達に話しかけた。
 ミカエルとブリットの頭の上には、スラちゃんとプリンも乗っています。
 そしてミカエルは、ゴソゴソとマジックバッグを漁って毛布を取り出していた。
 そうです、今は冬なのです。
 これはとても重要な事です。

「うわーん、子どもにも気を使われた!」
「お母さんに騙された!」
「ちょっと、しっかりして」
「「うん?」」

 ミカエルとブリットに指摘をされて、とうとうビキニアーマーとローブにレオタードを着たお姉さんがテーブルに突っ伏して泣き始めた。
 シーフのお姉さんが二人を慰めているけど、ミカエルとブリットは何がなんだか分からない様だ。
 スラちゃんとプリンも、お姉さん達の反応にちょっと戸惑っている様だぞ。

「ジンさん、レイナさん。流石にお姉さん達に声をかけないと駄目ですよね」
「ああ、そうだな。ミカエルとブリットがトドメをさしてしまったからな」
「ギルドの売店に冒険者服が売っていたはずだよ。ちゃんとしたものを選んであげないとね」

 僕とジンさんとレイナさんは、やれやれといった感じでお姉さん達の方に近づいていった。
 今日の冒険者活動は、開始が遅れそうだな。
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