225 / 935
第十八章 少し平和な日々
三百八十四話 懐古派がいる地域に行く事に
しおりを挟む
教皇国に付くと、僕達は大教会の控室に向かいます。
大教会の中はまだ工事中で、新年の集会も街の広場で行われているそうです。
なので、僕達は新年の集会が終わって教皇や枢機卿が帰って来るまで待つ事に。
コンコン。
「いやいや、お待たせして申し訳ない」
「いえいえ、我々も先程着いた所ですわ」
僕達が控室に入って直ぐに、教皇様とサイファ枢機卿がやってきた。
二人とも、一仕事終えたって感じの表情をしています。
新教皇になってから、初めての新年行事だもんね。
「聖女様とレリーフ枢機卿とナッシュ枢機卿は、広場で新年の炊き出しをしております」
「まあ、そうなんですね。皆様、お忙しいですわね」
「これも皆様が教皇国の平和を取り戻して頂いたお陰です」
サイファ枢機卿がお茶を一口つけてアリア様に報告していた。
新年早々、皆さんは忙しいんだな。
ここで、ケイリさんが教皇様とサイファ枢機卿に挨拶を行います。
「初めてお目にかかります。皇帝陛下の側室のケイリと申します。この子はアンドリューと言います。教皇選挙の際にお伺いできず申し訳ありません」
「おお、わざわざ来て頂きかたじけない。教皇のヤークスだ。ケイリ様は教皇選挙よりも大きな仕事があったのだ。それに元気な皇子様がお生まれになり、本当に何よりだ」
教皇様もケイリさんに無事に赤ちゃんが産まれて笑顔になっています。
教皇様はアンドリューちゃんの頭を撫でながら、今度はジンさんの方向を向きました。
「ジン殿が抱いている赤ん坊は、前に言っておられたジン殿の赤ん坊ですか? それにしては、だいぶ大きい様ですな」
あ、そっか。
ジンさんは王子であるルカちゃんとエドちゃんを抱いているけど、普通はジンさんの赤ちゃんだと思うよね。
アリア様とティナおばあさまが、少し笑いながら教皇様に説明を始めた。
「教皇様、ジンが抱いているのは王妃様と私の子どもですわ」
「二人は王国の王子です。ジンの子どもは、今日は屋敷におりますわ」
「ははは、まさかジン殿が王子様を抱いておられるとは」
「何だか、いつも抱っこをせがんでいるんですよ。さっきも帝国に行った際に、双子に抱っこをせがまれていたんですよ」
「ほうほう、流石は導く者様ですな」
うわあ、教皇様の中でジンさんの評価が更に高くなっているぞ。
サイファ枢機卿も、アリア様とティナおばあさまの言葉を聞いてほうっと感心した素振りをしていた。
「あの、俺の事は良いんですよ。早く本題に移りましょう」
「誤魔化しておりますな。ジン殿もこう言っておりますし、話を進めますか」
ジンさんが話題を変えようと必死に話をしていたので、サイファ枢機卿が少し苦笑しながら話を始めた。
「元アホスタイル枢機卿が担当していた地域は、大半の領地で自治権を取り戻しております。まあ、住民全てが懐古派の影響下ではありませんし、皇都でアホスタイル枢機卿が引き起こした件がトドメで住民が一気に離れた様です」
この辺りは僕達も話を聞いている。
中心都市も取り戻して、領地はほぼ平穏を取り戻したらしい。
アホスタイル枢機卿が大教会で大暴れをしたのも致命傷だろう。
「しかしながら、懐古派は元アホスタイル枢機卿の影響下にあった領地にある昔の砦跡に籠もっております。どうも以前よりその砦に食料や物資を溜め込んでいた様で、強固に抵抗されています」
「となると、奴らは最初から皇都襲撃と籠城作戦の両方を計画していた訳か」
「その可能性が高いかと。包囲網を敷きつつ、対応を協議しております」
うーん、これは中々難しい状況だ。
完全に長期戦の様相になっている。
もしかしたら、闇組織から懐古派への支援もあるのかも知れない。
「現状は小康状態ですが、大規模戦闘に発展する可能性もあります。その際は、各国に支援を求める可能性もあります」
「となると、アレクは一回現地に行った方が良いな」
「そうですね。直ぐに動ける準備をした方が良いですね」
という事で、時期は調整するけど現地に向かう事が確定。
緊急支援を求める状況に成らなければ良いなあ。
大教会の中はまだ工事中で、新年の集会も街の広場で行われているそうです。
なので、僕達は新年の集会が終わって教皇や枢機卿が帰って来るまで待つ事に。
コンコン。
「いやいや、お待たせして申し訳ない」
「いえいえ、我々も先程着いた所ですわ」
僕達が控室に入って直ぐに、教皇様とサイファ枢機卿がやってきた。
二人とも、一仕事終えたって感じの表情をしています。
新教皇になってから、初めての新年行事だもんね。
「聖女様とレリーフ枢機卿とナッシュ枢機卿は、広場で新年の炊き出しをしております」
「まあ、そうなんですね。皆様、お忙しいですわね」
「これも皆様が教皇国の平和を取り戻して頂いたお陰です」
サイファ枢機卿がお茶を一口つけてアリア様に報告していた。
新年早々、皆さんは忙しいんだな。
ここで、ケイリさんが教皇様とサイファ枢機卿に挨拶を行います。
「初めてお目にかかります。皇帝陛下の側室のケイリと申します。この子はアンドリューと言います。教皇選挙の際にお伺いできず申し訳ありません」
「おお、わざわざ来て頂きかたじけない。教皇のヤークスだ。ケイリ様は教皇選挙よりも大きな仕事があったのだ。それに元気な皇子様がお生まれになり、本当に何よりだ」
教皇様もケイリさんに無事に赤ちゃんが産まれて笑顔になっています。
教皇様はアンドリューちゃんの頭を撫でながら、今度はジンさんの方向を向きました。
「ジン殿が抱いている赤ん坊は、前に言っておられたジン殿の赤ん坊ですか? それにしては、だいぶ大きい様ですな」
あ、そっか。
ジンさんは王子であるルカちゃんとエドちゃんを抱いているけど、普通はジンさんの赤ちゃんだと思うよね。
アリア様とティナおばあさまが、少し笑いながら教皇様に説明を始めた。
「教皇様、ジンが抱いているのは王妃様と私の子どもですわ」
「二人は王国の王子です。ジンの子どもは、今日は屋敷におりますわ」
「ははは、まさかジン殿が王子様を抱いておられるとは」
「何だか、いつも抱っこをせがんでいるんですよ。さっきも帝国に行った際に、双子に抱っこをせがまれていたんですよ」
「ほうほう、流石は導く者様ですな」
うわあ、教皇様の中でジンさんの評価が更に高くなっているぞ。
サイファ枢機卿も、アリア様とティナおばあさまの言葉を聞いてほうっと感心した素振りをしていた。
「あの、俺の事は良いんですよ。早く本題に移りましょう」
「誤魔化しておりますな。ジン殿もこう言っておりますし、話を進めますか」
ジンさんが話題を変えようと必死に話をしていたので、サイファ枢機卿が少し苦笑しながら話を始めた。
「元アホスタイル枢機卿が担当していた地域は、大半の領地で自治権を取り戻しております。まあ、住民全てが懐古派の影響下ではありませんし、皇都でアホスタイル枢機卿が引き起こした件がトドメで住民が一気に離れた様です」
この辺りは僕達も話を聞いている。
中心都市も取り戻して、領地はほぼ平穏を取り戻したらしい。
アホスタイル枢機卿が大教会で大暴れをしたのも致命傷だろう。
「しかしながら、懐古派は元アホスタイル枢機卿の影響下にあった領地にある昔の砦跡に籠もっております。どうも以前よりその砦に食料や物資を溜め込んでいた様で、強固に抵抗されています」
「となると、奴らは最初から皇都襲撃と籠城作戦の両方を計画していた訳か」
「その可能性が高いかと。包囲網を敷きつつ、対応を協議しております」
うーん、これは中々難しい状況だ。
完全に長期戦の様相になっている。
もしかしたら、闇組織から懐古派への支援もあるのかも知れない。
「現状は小康状態ですが、大規模戦闘に発展する可能性もあります。その際は、各国に支援を求める可能性もあります」
「となると、アレクは一回現地に行った方が良いな」
「そうですね。直ぐに動ける準備をした方が良いですね」
という事で、時期は調整するけど現地に向かう事が確定。
緊急支援を求める状況に成らなければ良いなあ。
450
お気に入りに追加
8,868
あなたにおすすめの小説
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

追放された薬師でしたが、特に気にもしていません
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。
まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。
だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥
たまにやりたくなる短編。
ちょっと連載作品
「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

せっかく転生したのに得たスキルは「料理」と「空間厨房」。どちらも外れだそうですが、私は今も生きています。
リーゼロッタ
ファンタジー
享年、30歳。どこにでもいるしがないOLのミライは、学校の成績も平凡、社内成績も平凡。
そんな彼女は、予告なしに突っ込んできた車によって死亡。
そして予告なしに転生。
ついた先は、料理レベルが低すぎるルネイモンド大陸にある「光の森」。
そしてやって来た謎の獣人によってわけの分からん事を言われ、、、
赤い鳥を仲間にし、、、
冒険系ゲームの世界につきもののスキルは外れだった!?
スキルが何でも料理に没頭します!
超・謎の世界観とイタリア語由来の名前・品名が特徴です。
合成語多いかも
話の単位は「食」
3月18日 投稿(一食目、二食目)
3月19日 え?なんかこっちのほうが24h.ポイントが多い、、、まあ嬉しいです!


積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。