255 / 950
第十八章 少し平和な日々
三百八十一話 再びの貴族の売り込み
しおりを挟む
時間になったので、リズとエレノアの誕生日パーティの開始です。
メインはあくまでもリズとエレノアであって、公式の場初登場のルカちゃんとエドちゃんはあくまでもオマケです。
そう、あくまでもオマケなのです。
これは、とても重要な事です。
「エレノア殿下、エリザベス殿下。本日は誠におめでとう御座います。そしてルカリオ殿下並びにエドガー殿下のお披露目もおめでとう御座います。実は私の所も女の子が今年産まれまして、つきましては是非ルカリオ様とエドガー様にお目通しを……」
「「「「「ギッ!」」」」」
「し、失礼致しました」
はい、そうです。
お馬鹿な貴族が沢山現れました。
まさか下心のある貴族から、ずっとこの様な挨拶が続くとは思わなかったぞ。
主役のリズとエレノアを差し置いて、ルカちゃんとエドちゃんへのアピールをするとは思わなかった。
しかも、産まれたばかりの赤ちゃんを連れてくるという熱の入れっぷり。
陛下や王妃様にアリア様は勿論の事、ティナおばあさまやカレン様もお馬鹿な貴族に激怒モードです。
「何なんですの? 揃いも揃って馬鹿ばっかりですわ」
「うん、それは同意できますね。ちょっとふざけているよ」
アイビー様とルーシーお姉様も、下心のある貴族の態度にブチギレ寸前です。
勿論、僕もルーカスお兄様も貴族の振る舞いにちょっと怒っています。
王妃様とアリア様に抱っこされているルカちゃんとエドちゃんも、何だか不満そうな顔をしています。
子どもは悪意に敏感だからなあ。
そしてストレスの溜まるばっかりだった挨拶もようやく終わり、皆テーブルについてようやく一息つきます。
貴族の席にいたジンさん達や閣僚も王族の席にやってきました。
「全く、ちゃんと手順を踏まずにいきなり子どもや孫を売り込むとは。だから、奴らは駄目なんだよ」
「私がここに居ているのも何ですが、下心が見え見えでしたね」
「そなたとミリアは、我々と親しい関係だ。何よりジンに認められているのも大きいぞ」
「はい、ありがとうございます。あの光景を見れは、ジン様が認めた方ではないと無理だと言うのはよく分かります」
宰相と話をしているのは、ミリアの付き添いで付いてきたシェーンさんだ。
因みにベストール男爵でもあるミリアは、ジンさんとバザール子爵のハンナさんとメアリと共に赤ちゃん達と遊んでいます。
確かに、先ずはこのメンバーに認められないと駄目だよね。
因みにルリアンさんとナンシーさんも赤ちゃんの相手をしているけど、レイナさんとカミラさんはもりもりと出された食事を食べています。
もりもりと食事を食べるレイナさんとカミラさんの事を見て、商務卿と宰相は思わず溜息を漏らしています。
「しかし、リズちゃんも六歳か。初めて会った時よりも、随分と大きくなったな」
「そうかな? 何だか分からないや」
「大きくなっていますよ。お祝いに、新しい服をプレゼントしないとね」
「わーい」
グロスター候爵とブリックス子爵夫人が、話をそらすようにリズの頭を撫でていた。
リズも新しい服を貰えるとあって、とっても大喜びだ。
そういえば、おじいさまやおばさまと出会ってもう三年か。
そりゃ、僕達も背がおおきくなるよね。
「だ、誰か助けてくれー」
「「「「「「すー、すー」」」」」」
そして、ジンさんからまたもや助けを求める声が聞こえてきた。
皆が振り返ると、赤ちゃんだけでなくミリアとメアリもジンさんに寄り添ってスヤスヤと眠っていた。
これには、ハンナさんとルリアンさんとナンシーさんも苦笑いだった。
「確かに貴族であれ子どもであれ、ルカちゃんとエドちゃんに近づくにはジンに好かれないと駄目だね。もぐもぐ」
「そうだね。街のおばちゃんとかの方が、まだまだ信用あるよね。もぐもぐ」
レイナさんとカミラさんは、もぐもぐ食べながらも冷静に分析していた。
この辺りは、旦那への信頼もあるのだろう。
「おーい、誰か助けてくれー」
でもジンさんの事をレイナさんとカミラさんは助けに行かなかった。
ちょっと溜息をつきながら、王妃様とアリア様がジンさんの所に向かって行った。
このジンさんの壁を破るのは、ちょっと大変だなあ。
メインはあくまでもリズとエレノアであって、公式の場初登場のルカちゃんとエドちゃんはあくまでもオマケです。
そう、あくまでもオマケなのです。
これは、とても重要な事です。
「エレノア殿下、エリザベス殿下。本日は誠におめでとう御座います。そしてルカリオ殿下並びにエドガー殿下のお披露目もおめでとう御座います。実は私の所も女の子が今年産まれまして、つきましては是非ルカリオ様とエドガー様にお目通しを……」
「「「「「ギッ!」」」」」
「し、失礼致しました」
はい、そうです。
お馬鹿な貴族が沢山現れました。
まさか下心のある貴族から、ずっとこの様な挨拶が続くとは思わなかったぞ。
主役のリズとエレノアを差し置いて、ルカちゃんとエドちゃんへのアピールをするとは思わなかった。
しかも、産まれたばかりの赤ちゃんを連れてくるという熱の入れっぷり。
陛下や王妃様にアリア様は勿論の事、ティナおばあさまやカレン様もお馬鹿な貴族に激怒モードです。
「何なんですの? 揃いも揃って馬鹿ばっかりですわ」
「うん、それは同意できますね。ちょっとふざけているよ」
アイビー様とルーシーお姉様も、下心のある貴族の態度にブチギレ寸前です。
勿論、僕もルーカスお兄様も貴族の振る舞いにちょっと怒っています。
王妃様とアリア様に抱っこされているルカちゃんとエドちゃんも、何だか不満そうな顔をしています。
子どもは悪意に敏感だからなあ。
そしてストレスの溜まるばっかりだった挨拶もようやく終わり、皆テーブルについてようやく一息つきます。
貴族の席にいたジンさん達や閣僚も王族の席にやってきました。
「全く、ちゃんと手順を踏まずにいきなり子どもや孫を売り込むとは。だから、奴らは駄目なんだよ」
「私がここに居ているのも何ですが、下心が見え見えでしたね」
「そなたとミリアは、我々と親しい関係だ。何よりジンに認められているのも大きいぞ」
「はい、ありがとうございます。あの光景を見れは、ジン様が認めた方ではないと無理だと言うのはよく分かります」
宰相と話をしているのは、ミリアの付き添いで付いてきたシェーンさんだ。
因みにベストール男爵でもあるミリアは、ジンさんとバザール子爵のハンナさんとメアリと共に赤ちゃん達と遊んでいます。
確かに、先ずはこのメンバーに認められないと駄目だよね。
因みにルリアンさんとナンシーさんも赤ちゃんの相手をしているけど、レイナさんとカミラさんはもりもりと出された食事を食べています。
もりもりと食事を食べるレイナさんとカミラさんの事を見て、商務卿と宰相は思わず溜息を漏らしています。
「しかし、リズちゃんも六歳か。初めて会った時よりも、随分と大きくなったな」
「そうかな? 何だか分からないや」
「大きくなっていますよ。お祝いに、新しい服をプレゼントしないとね」
「わーい」
グロスター候爵とブリックス子爵夫人が、話をそらすようにリズの頭を撫でていた。
リズも新しい服を貰えるとあって、とっても大喜びだ。
そういえば、おじいさまやおばさまと出会ってもう三年か。
そりゃ、僕達も背がおおきくなるよね。
「だ、誰か助けてくれー」
「「「「「「すー、すー」」」」」」
そして、ジンさんからまたもや助けを求める声が聞こえてきた。
皆が振り返ると、赤ちゃんだけでなくミリアとメアリもジンさんに寄り添ってスヤスヤと眠っていた。
これには、ハンナさんとルリアンさんとナンシーさんも苦笑いだった。
「確かに貴族であれ子どもであれ、ルカちゃんとエドちゃんに近づくにはジンに好かれないと駄目だね。もぐもぐ」
「そうだね。街のおばちゃんとかの方が、まだまだ信用あるよね。もぐもぐ」
レイナさんとカミラさんは、もぐもぐ食べながらも冷静に分析していた。
この辺りは、旦那への信頼もあるのだろう。
「おーい、誰か助けてくれー」
でもジンさんの事をレイナさんとカミラさんは助けに行かなかった。
ちょっと溜息をつきながら、王妃様とアリア様がジンさんの所に向かって行った。
このジンさんの壁を破るのは、ちょっと大変だなあ。
424
お気に入りに追加
8,817
あなたにおすすめの小説
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした
渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞!
2024/02/21(水)1巻発売!
2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!)
2024/12/16(月)3巻発売!
応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!!
刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました!
旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。