217 / 936
第十八章 少し平和な日々
三百七十六話 ブリットのお試しお泊まり その四
しおりを挟む
二日目は、薬草採取とバイザー領の屋敷に行く事になっている。
今日もルーカスお兄様達やティナおばあさま達は来れないので、ジンさんが僕達の保護者です。
更に護衛として、ポニさん達もついてきます。
カミラさんとクラヴィーアさんとルルーさんも、薬草採取に同行します。
何とクラヴィーアさんとルルーさんは既に冒険者登録済みで、しかも僕達と同じEランクでした。
「私達も、メインは薬草採取やお手伝いです」
「ノブレスオブリージュの一環ですわ。できるだけ誰もが受けない様な低い依頼料のものをこなしていましたわ」
「「おお、お姉ちゃん凄い!」」
成程、ルルーさんとクラヴィーアさんはお金があまり必要ないので、奉仕活動の一種で冒険者活動をしているらしい。
社会勉強の一環としてこういうお手伝いをする貴族子弟は、王都ではそこそこいるという。
僕達はまだ小さいから、お手伝いとかの依頼は出来ないもんなあ。
そんな事を話し合いながら、僕達は冒険者ギルドに到着です。
「お、噂のカップルがきたわね」
「ミカエルちゃんもブリットちゃんも、こっちにきて」
「「うにゅ?」」
冒険者ギルドに到達すると、女性冒険者が直ぐにミカエルとブリットをテーブルに招いていた。
ジュースも用意している辺り、ミカエルとブリットの事を根掘り葉掘り聞くつもりだな。
でも、相手は二歳児だ。
「ミカエルちゃん、ブリットちゃんの事は好き?」
「ちゅき!」
「ブリットちゃんは、ミカエルちゃんの事は好き?」
「ちゅき!」
あえなく尋問終了です。
ミカエルとブリットは、お互いぎゅーっと抱き合っています。
「ははは、私ら二歳児に負けているよ……」
「何? このラブラブ振りは」
「彼氏が、旦那が欲しいよ……」
「「うにゅ?」」
ミカエルとブリットが抱き合っている微笑ましい光景に、女性冒険者はテーブルの上でぐったりと力尽きています。
女性冒険者に春が来るのは、一体いつになるのだろうか。
そんな項垂れている女性冒険者の事を、ミカエルとブリットは不思議そうに見ていました。
手続きも終わったので、皆で薬草採取に向かいます。
ここからは、ミカエルとブリットは昨日と同じくユキさんに乗って森に向かいます。
プリンも護衛についています。
「すげー! Aランク冒険者で子爵様!」
「世界を飛び回っているなんて、凄すぎる」
「俺も、いつかは兄ちゃんみたいに成れるかな?」
「そりゃ、お前らの頑張り次第だろう。俺だって誰だって、最初は誰もが初心者だ」
そして、今日は新人冒険者も三人ついて来ています。
十歳位の男の子で、Aランク冒険者で貴族にまで上り詰めたジンさんの事をキラキラした目で見ています。
ジンさんは、ある意味冒険者の高みみたいな存在だもんな。
そんな談笑をしながら、無事に森に到着。
すると、五頭のウルフが僕達をお出迎えします。
「ジンさん、聖剣使って!」
「私もジンの聖剣に興味があるわね」
「試し切りにはちょうど良い相手か」
リズとカミラさんに促されて、ジンさんは聖剣を抜きます。
「「「おお、すげー!」」」
そして魔力を込めて刀身がキラキラと輝くと、新人冒険者は目を輝かせています。
ふっ。
ザシュ!
「「「み、見えなかった」」」
光の残滓を残して、ジンさんはあっという間にウルフを倒した。
あまりの早業に、新人冒険者にはジンさんの動きを目で追えなかった様だ。
「聖剣には、身体能力強化の効果もありそうですね」
「だが、使い方に慣れないと周りを巻き込むな」
「私には扱えそうにないわね」
「リズも無理だよ」
ジンさんだから聖剣を制御できるのであって、僕達にはとても扱えそうにない。
これには、流石のカミラさんとリズもお手上げだった。
「ほら、新人はこっちに来るんだよ。血抜きの練習だ」
「血抜きが終わったら、リズが薬草採取を教えてあげるよ」
「「「はい!」」」
そして恒例のおばちゃんによる新人冒険者への血抜き講習と、リズによる薬草採取講習が始まった。
新人冒険者もジンさんの凄腕を見たからか、とっても真剣に講習に参加していた。
「あた!」
「ぶりも!」
「良く見つけたわね」
「凄いわね。もっと探しましょうね」
「「あい!」」
ミカエルは数回目の薬草採取だし、ブリットもスラちゃんとルルーさんとクラヴィーアさんが側についていてくれるので直ぐに薬草を見つけていた。
皆楽しそうにしているのが何よりだ。
こうして、皆でワイワイとしながら薬草採取は無事終了です。
今日もルーカスお兄様達やティナおばあさま達は来れないので、ジンさんが僕達の保護者です。
更に護衛として、ポニさん達もついてきます。
カミラさんとクラヴィーアさんとルルーさんも、薬草採取に同行します。
何とクラヴィーアさんとルルーさんは既に冒険者登録済みで、しかも僕達と同じEランクでした。
「私達も、メインは薬草採取やお手伝いです」
「ノブレスオブリージュの一環ですわ。できるだけ誰もが受けない様な低い依頼料のものをこなしていましたわ」
「「おお、お姉ちゃん凄い!」」
成程、ルルーさんとクラヴィーアさんはお金があまり必要ないので、奉仕活動の一種で冒険者活動をしているらしい。
社会勉強の一環としてこういうお手伝いをする貴族子弟は、王都ではそこそこいるという。
僕達はまだ小さいから、お手伝いとかの依頼は出来ないもんなあ。
そんな事を話し合いながら、僕達は冒険者ギルドに到着です。
「お、噂のカップルがきたわね」
「ミカエルちゃんもブリットちゃんも、こっちにきて」
「「うにゅ?」」
冒険者ギルドに到達すると、女性冒険者が直ぐにミカエルとブリットをテーブルに招いていた。
ジュースも用意している辺り、ミカエルとブリットの事を根掘り葉掘り聞くつもりだな。
でも、相手は二歳児だ。
「ミカエルちゃん、ブリットちゃんの事は好き?」
「ちゅき!」
「ブリットちゃんは、ミカエルちゃんの事は好き?」
「ちゅき!」
あえなく尋問終了です。
ミカエルとブリットは、お互いぎゅーっと抱き合っています。
「ははは、私ら二歳児に負けているよ……」
「何? このラブラブ振りは」
「彼氏が、旦那が欲しいよ……」
「「うにゅ?」」
ミカエルとブリットが抱き合っている微笑ましい光景に、女性冒険者はテーブルの上でぐったりと力尽きています。
女性冒険者に春が来るのは、一体いつになるのだろうか。
そんな項垂れている女性冒険者の事を、ミカエルとブリットは不思議そうに見ていました。
手続きも終わったので、皆で薬草採取に向かいます。
ここからは、ミカエルとブリットは昨日と同じくユキさんに乗って森に向かいます。
プリンも護衛についています。
「すげー! Aランク冒険者で子爵様!」
「世界を飛び回っているなんて、凄すぎる」
「俺も、いつかは兄ちゃんみたいに成れるかな?」
「そりゃ、お前らの頑張り次第だろう。俺だって誰だって、最初は誰もが初心者だ」
そして、今日は新人冒険者も三人ついて来ています。
十歳位の男の子で、Aランク冒険者で貴族にまで上り詰めたジンさんの事をキラキラした目で見ています。
ジンさんは、ある意味冒険者の高みみたいな存在だもんな。
そんな談笑をしながら、無事に森に到着。
すると、五頭のウルフが僕達をお出迎えします。
「ジンさん、聖剣使って!」
「私もジンの聖剣に興味があるわね」
「試し切りにはちょうど良い相手か」
リズとカミラさんに促されて、ジンさんは聖剣を抜きます。
「「「おお、すげー!」」」
そして魔力を込めて刀身がキラキラと輝くと、新人冒険者は目を輝かせています。
ふっ。
ザシュ!
「「「み、見えなかった」」」
光の残滓を残して、ジンさんはあっという間にウルフを倒した。
あまりの早業に、新人冒険者にはジンさんの動きを目で追えなかった様だ。
「聖剣には、身体能力強化の効果もありそうですね」
「だが、使い方に慣れないと周りを巻き込むな」
「私には扱えそうにないわね」
「リズも無理だよ」
ジンさんだから聖剣を制御できるのであって、僕達にはとても扱えそうにない。
これには、流石のカミラさんとリズもお手上げだった。
「ほら、新人はこっちに来るんだよ。血抜きの練習だ」
「血抜きが終わったら、リズが薬草採取を教えてあげるよ」
「「「はい!」」」
そして恒例のおばちゃんによる新人冒険者への血抜き講習と、リズによる薬草採取講習が始まった。
新人冒険者もジンさんの凄腕を見たからか、とっても真剣に講習に参加していた。
「あた!」
「ぶりも!」
「良く見つけたわね」
「凄いわね。もっと探しましょうね」
「「あい!」」
ミカエルは数回目の薬草採取だし、ブリットもスラちゃんとルルーさんとクラヴィーアさんが側についていてくれるので直ぐに薬草を見つけていた。
皆楽しそうにしているのが何よりだ。
こうして、皆でワイワイとしながら薬草採取は無事終了です。
456
お気に入りに追加
8,871
あなたにおすすめの小説
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。

王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。