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第十七章 教皇国編
三百五十八話 教皇選挙の結果
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ティナおばあさまがぽちぽちとタブレットみたいな魔導具を使って陛下に事の成り行きを報告していると、陛下より返信があった様だ。
「アレク君、もう聖女様を連れてきても大丈夫だからお願いできるかな?」
「はい、直ぐに向かいます」
王城からは、カレン様の他にもルーカスお兄様とアイビー様も一緒になって着いてきた。
床が踏みつけられて割れていたり壁に穴が空いているなど、全員がぐちゃぐちゃになった大教会の中を見て改めて戦闘の激しさを知ったのだった。
「リズ達は殆ど壊していないよ」
「そうね、殆ど魔獣化したアホスタイル枢機卿が壊したわ」
「それだけ激しい戦闘があったんですね……」
僕達が大教会につけた傷は、ジンさんがアホスタイル枢機卿だったものを床に縫い付けるために剣で刺したもののみだし、その傷も聖剣が生まれた聖痕として扱われるそうだ。
「教皇様、ヤークス枢機卿様、教皇選挙や就任式はどうなりますか?」
「教皇選挙に立候補しているのはヤークス枢機卿にアホスタイル枢機卿だったが、こうなってしまってはヤークス枢機卿以外に立候補者はおらぬ。そもそもアホスタイル枢機卿は、被選挙権を失っておる」
「教皇の就任式は別に必ずしも教会で執り行う必要はないのです。それこそ初代教皇様は街の広場で就任式を行ったといいますし、今回も初心に戻る意味でも就任式は広場で行う予定です」
成程、考え方が柔軟で臨機応変に対応している。
大教会で教皇の就任式が行えないのなら、それなりに対応すれば良いだけの事だとヤークス枢機卿が答えていた。
教皇選挙を行う必要も無くなったので、今日の公式予定は無くなってしまった。
街の人にもアホスタイル枢機卿一派の暴挙が伝えられて、僕達が撃破したと知って盛り上がっているといる。
しかし、撃破した原動力がアホスタイル枢機卿一派が僕達の眠りを邪魔したとは言えないなあ。
「僕達は、この後どうすればいいですか?」
「今日は朝早くから激動だったので、ゆっくりと休んでくだされ。とはいえ、迎賓館も捜索を行っているので、別の場所になりますが」
現在は、いつもなら朝食を食べている時間になる。
しかしながら、僕達は早朝から動きっぱなしだし、何発も合体魔法を使った為にだいぶ眠くなっていた。
「アレク君、リズちゃん。屋敷に戻って一眠りしてきなさい。ルーカスとアイビーもいるし、こちらは大丈夫よ」
「そうそう。頑張ったご褒美として、ゆっくりと休んでこい」
「「はーい」」
という事で、ティナおばあさまとジンさんに後処理を任せて僕とリズは王国の辺境伯領の僕の屋敷に戻った。
「あら、どうしたのアレク君にリズちゃん。何かあったの?」
直ぐに侍従のお姉さんが僕達を出迎えてくれたけど、僕とリズは屋敷に着いた事で緊張の糸が切れたのか一気に眠気が襲ってきた。
「早朝から皇都でクーデターがあって、その対応にあたってました」
「悪い人はやっつけたけど、疲れて眠いよ……」
「あらあら、そうなのね。スラちゃんとプリンも眠そうだから、ゆっくりと寝てくれば?」
「「はーい」」
そして僕とリズは僕の部屋に行き、スラちゃんとプリンと共にベッドに潜り込んであっという間に眠ってしまったのだった。
「アレク君、もう聖女様を連れてきても大丈夫だからお願いできるかな?」
「はい、直ぐに向かいます」
王城からは、カレン様の他にもルーカスお兄様とアイビー様も一緒になって着いてきた。
床が踏みつけられて割れていたり壁に穴が空いているなど、全員がぐちゃぐちゃになった大教会の中を見て改めて戦闘の激しさを知ったのだった。
「リズ達は殆ど壊していないよ」
「そうね、殆ど魔獣化したアホスタイル枢機卿が壊したわ」
「それだけ激しい戦闘があったんですね……」
僕達が大教会につけた傷は、ジンさんがアホスタイル枢機卿だったものを床に縫い付けるために剣で刺したもののみだし、その傷も聖剣が生まれた聖痕として扱われるそうだ。
「教皇様、ヤークス枢機卿様、教皇選挙や就任式はどうなりますか?」
「教皇選挙に立候補しているのはヤークス枢機卿にアホスタイル枢機卿だったが、こうなってしまってはヤークス枢機卿以外に立候補者はおらぬ。そもそもアホスタイル枢機卿は、被選挙権を失っておる」
「教皇の就任式は別に必ずしも教会で執り行う必要はないのです。それこそ初代教皇様は街の広場で就任式を行ったといいますし、今回も初心に戻る意味でも就任式は広場で行う予定です」
成程、考え方が柔軟で臨機応変に対応している。
大教会で教皇の就任式が行えないのなら、それなりに対応すれば良いだけの事だとヤークス枢機卿が答えていた。
教皇選挙を行う必要も無くなったので、今日の公式予定は無くなってしまった。
街の人にもアホスタイル枢機卿一派の暴挙が伝えられて、僕達が撃破したと知って盛り上がっているといる。
しかし、撃破した原動力がアホスタイル枢機卿一派が僕達の眠りを邪魔したとは言えないなあ。
「僕達は、この後どうすればいいですか?」
「今日は朝早くから激動だったので、ゆっくりと休んでくだされ。とはいえ、迎賓館も捜索を行っているので、別の場所になりますが」
現在は、いつもなら朝食を食べている時間になる。
しかしながら、僕達は早朝から動きっぱなしだし、何発も合体魔法を使った為にだいぶ眠くなっていた。
「アレク君、リズちゃん。屋敷に戻って一眠りしてきなさい。ルーカスとアイビーもいるし、こちらは大丈夫よ」
「そうそう。頑張ったご褒美として、ゆっくりと休んでこい」
「「はーい」」
という事で、ティナおばあさまとジンさんに後処理を任せて僕とリズは王国の辺境伯領の僕の屋敷に戻った。
「あら、どうしたのアレク君にリズちゃん。何かあったの?」
直ぐに侍従のお姉さんが僕達を出迎えてくれたけど、僕とリズは屋敷に着いた事で緊張の糸が切れたのか一気に眠気が襲ってきた。
「早朝から皇都でクーデターがあって、その対応にあたってました」
「悪い人はやっつけたけど、疲れて眠いよ……」
「あらあら、そうなのね。スラちゃんとプリンも眠そうだから、ゆっくりと寝てくれば?」
「「はーい」」
そして僕とリズは僕の部屋に行き、スラちゃんとプリンと共にベッドに潜り込んであっという間に眠ってしまったのだった。
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