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第十六章 聖女様出迎え編
三百二十九話 辺境伯家のドタバタな一日
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今日は僕やルーカスお兄様にルーシーお姉様の誕生パーティが開かれるのだが、お隣の辺境伯家は朝からてんやわんやの大騒ぎになっています。
そう、ソフィアさんが産気づいたのです。
特に辺境伯様とジェイド様は、初めて見る程にワタワタしています。
そんな男性陣に対して、どーんと構えているのはイザベラ様。
「ほら、私がエマとオリビアを産んだ時は一日かかったでしょ? あなたはそこにいても邪魔だから、アレク君と王城に行ってね」
イザベラ様は廊下をうろうろとしている辺境伯様を邪魔者扱いして、ソフィアさんのお世話に専念している。
ついでと言わんばかりに、レイナさんやカミラさんなどの妊婦を集めて勉強させる様だ。
ここはイザベラ様に従う方が良いという事で、僕はリズとサンディと共に辺境伯様を王城へ連れて行きます。
「ミカエル、行ってくるね」
「いってらー!」
ミカエルは誕生日パーティに参加しないので、このまま辺境伯様の屋敷に滞在です。
ミカエルも赤ちゃんが産まれるのが楽しみで仕方ない様です。
「成程ね、だから今日の辺境伯はポンコツなのね」
「出産の時なんて、男なんて皆こんなものよ」
「そうなんだ」
王城に着いてもソワソワしている辺境伯様を、王妃様とアリア様がぶった斬った。
陛下も王妃様とアリア様の話を聞くや否や、さっと視線を別の方向に向けた様な気がするぞ。
とはいえ準備を進めないといけないので、僕とリズはこの間合わせた衣装に着替えます。
「赤ちゃんが産まれたら、私も見に行きたいですわ」
「落ち着いたら皆さんをご招待しますね」
カレン様もソフィアさんと会った事があるので、赤ちゃんが産まれるのを楽しみにしている。
勿論、ルーカスお兄様達も赤ちゃんに会いたいので、オッケーが出たら皆を連れて行く予定だ。
そして夕方になり、僕達の誕生パーティが始まったのだが、
ソワソワソワソワ。
うーん、相変わらず辺境伯様はソワソワして落ち着きがない。
僕達に挨拶した時も、何だか上の空って感じだったよ。
王族は全員上の空の理由を知っているから、特に何も言わなかった。
そしてソフィアさんの父親であるケーヒル伯爵も、いつの間にか辺境伯様と一緒になってソワソワしていた。
二人にとっては、ソフィアさんの産んだ赤ちゃんが初孫になるからなあ。
結局は貴族主義の連中も懐古派もいないので、何にもトラブルはなく誕生パーティは終了。
そのタイミングを見計らったかの様に、辺境伯様の端末に連絡が入った。
「おお、男の子と女の子が産まれたそうだ!」
「ついにソフィアが母親になったか」
辺境伯様とケーヒル伯爵は、涙ながらにお互いにがっちり握手をしていた。
一刻も早く初孫の顔を見たいという事で、王族も一緒になって辺境伯様の屋敷に向かう事になった。
そして、屋敷に着くと驚愕の事実が判明したのだ。
「は? 夕方には二人とも産まれていた?」
「そうよ。産まれたタイミングで連絡したら、あなたは浮かれていたでしょうね。折角のアレク君の誕生パーティなのに、台無しにする可能性があったわ」
イザベラ様は、辺境伯様に対してピシャリと言い切った。
確かに赤ちゃんが産まれたと分かった時には、ケーヒル伯爵と一緒に泣いていたからなあ。
ともあれ、ジェイド様とソフィアさんの赤ちゃんとご対面です。
「うわあ、小さいね」
「可愛いねえ」
「手が小さいよ」
アイビー様とルーシーお姉様とエレノアが、産まれたばかりの赤ちゃんを囲んでいた。
双子の赤ちゃんは目が覚めていて、物珍しそうに三人を見つめていた。
「おお、ソフィアよ。よく頑張ったぞ」
「元気な赤ちゃんで良かったな」
あ、辺境伯様とケーヒル伯爵が赤ちゃんを見て、また号泣している。
ソフィアさんは、父親と義父の姿にかなり戸惑っているぞ。
「私も産まれて直ぐの赤ちゃんに会うのは初めてです。二人に神のご加護があらん事を」
カレン様も赤ちゃんの頭を優しく撫でている。
もう、皆の顔がニマニマしている。
「「うう、ぐす」」
未だに号泣している辺境伯様とケーヒル辺境伯の二人を除きますが。
「ほらほら、ソフィアと赤ちゃんの負担になるから、今日はここまでにしておきましょうね」
「「「はーい」」」
ティナおばあさまの声で、王城からきた人達は帰る事になった。
ケーヒル伯爵は、辺境伯様の屋敷に泊まっていくようだ。
こうして辺境伯様の屋敷に、新しい家族が増えました。
そう、ソフィアさんが産気づいたのです。
特に辺境伯様とジェイド様は、初めて見る程にワタワタしています。
そんな男性陣に対して、どーんと構えているのはイザベラ様。
「ほら、私がエマとオリビアを産んだ時は一日かかったでしょ? あなたはそこにいても邪魔だから、アレク君と王城に行ってね」
イザベラ様は廊下をうろうろとしている辺境伯様を邪魔者扱いして、ソフィアさんのお世話に専念している。
ついでと言わんばかりに、レイナさんやカミラさんなどの妊婦を集めて勉強させる様だ。
ここはイザベラ様に従う方が良いという事で、僕はリズとサンディと共に辺境伯様を王城へ連れて行きます。
「ミカエル、行ってくるね」
「いってらー!」
ミカエルは誕生日パーティに参加しないので、このまま辺境伯様の屋敷に滞在です。
ミカエルも赤ちゃんが産まれるのが楽しみで仕方ない様です。
「成程ね、だから今日の辺境伯はポンコツなのね」
「出産の時なんて、男なんて皆こんなものよ」
「そうなんだ」
王城に着いてもソワソワしている辺境伯様を、王妃様とアリア様がぶった斬った。
陛下も王妃様とアリア様の話を聞くや否や、さっと視線を別の方向に向けた様な気がするぞ。
とはいえ準備を進めないといけないので、僕とリズはこの間合わせた衣装に着替えます。
「赤ちゃんが産まれたら、私も見に行きたいですわ」
「落ち着いたら皆さんをご招待しますね」
カレン様もソフィアさんと会った事があるので、赤ちゃんが産まれるのを楽しみにしている。
勿論、ルーカスお兄様達も赤ちゃんに会いたいので、オッケーが出たら皆を連れて行く予定だ。
そして夕方になり、僕達の誕生パーティが始まったのだが、
ソワソワソワソワ。
うーん、相変わらず辺境伯様はソワソワして落ち着きがない。
僕達に挨拶した時も、何だか上の空って感じだったよ。
王族は全員上の空の理由を知っているから、特に何も言わなかった。
そしてソフィアさんの父親であるケーヒル伯爵も、いつの間にか辺境伯様と一緒になってソワソワしていた。
二人にとっては、ソフィアさんの産んだ赤ちゃんが初孫になるからなあ。
結局は貴族主義の連中も懐古派もいないので、何にもトラブルはなく誕生パーティは終了。
そのタイミングを見計らったかの様に、辺境伯様の端末に連絡が入った。
「おお、男の子と女の子が産まれたそうだ!」
「ついにソフィアが母親になったか」
辺境伯様とケーヒル伯爵は、涙ながらにお互いにがっちり握手をしていた。
一刻も早く初孫の顔を見たいという事で、王族も一緒になって辺境伯様の屋敷に向かう事になった。
そして、屋敷に着くと驚愕の事実が判明したのだ。
「は? 夕方には二人とも産まれていた?」
「そうよ。産まれたタイミングで連絡したら、あなたは浮かれていたでしょうね。折角のアレク君の誕生パーティなのに、台無しにする可能性があったわ」
イザベラ様は、辺境伯様に対してピシャリと言い切った。
確かに赤ちゃんが産まれたと分かった時には、ケーヒル伯爵と一緒に泣いていたからなあ。
ともあれ、ジェイド様とソフィアさんの赤ちゃんとご対面です。
「うわあ、小さいね」
「可愛いねえ」
「手が小さいよ」
アイビー様とルーシーお姉様とエレノアが、産まれたばかりの赤ちゃんを囲んでいた。
双子の赤ちゃんは目が覚めていて、物珍しそうに三人を見つめていた。
「おお、ソフィアよ。よく頑張ったぞ」
「元気な赤ちゃんで良かったな」
あ、辺境伯様とケーヒル伯爵が赤ちゃんを見て、また号泣している。
ソフィアさんは、父親と義父の姿にかなり戸惑っているぞ。
「私も産まれて直ぐの赤ちゃんに会うのは初めてです。二人に神のご加護があらん事を」
カレン様も赤ちゃんの頭を優しく撫でている。
もう、皆の顔がニマニマしている。
「「うう、ぐす」」
未だに号泣している辺境伯様とケーヒル辺境伯の二人を除きますが。
「ほらほら、ソフィアと赤ちゃんの負担になるから、今日はここまでにしておきましょうね」
「「「はーい」」」
ティナおばあさまの声で、王城からきた人達は帰る事になった。
ケーヒル伯爵は、辺境伯様の屋敷に泊まっていくようだ。
こうして辺境伯様の屋敷に、新しい家族が増えました。
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