122 / 954
第十六章 聖女様出迎え編
二百八十話 国境警備をより厳重に
しおりを挟む
「リズ、サンディ、スラちゃん。ちゃんとランカーさんとノエルさんの言う事を聞くんだぞ」
「「はーい」」
軽くお昼を食べてから、僕達は別々の行動に。
僕達もできるだけ早く話し合いを済ませないと。
「国境はどこも厳重ですね」
「偽装されると中々難しいのがあるがな」
馬車を走らせるまでもなく、代官所から歩いて五分で国境に到着。
今まできた事のある国境警備と同じく、とっても厳重だ。
でも、いくらでも身分を偽る事は可能だよね。
「そういえば、共和国と一悶着あった時に、スラちゃんが国境で悪い人を捕まえるバイトをしていたっけ。プリンにも護衛とか頼んでいましたよ」
「ほほう、それは中々面白いのう」
僕がポツリと漏らした事にサーゲロイド辺境伯が食いついてきた。
僕は簡単に説明をする。
「スラちゃんとプリンは直感で善悪が分かります。リズやサンディにエレノアもそうですね。僕は鑑定を使いますけど」
「ふむふむ、そこのスライムへの報酬はどうした?」
「あ、普通に現金です。スラちゃんとプリンもアイテムボックスが使えますし、普通に買い物もしますので」
「ほう、スライムが買い物か。それは珍しい。それならアレク殿下からスライムに賃金を払った様にすれば問題ないな」
プリンもやる気になっているし試しにというので、僕達が教皇国に行っている間にお試しバイトをしてもらう事になった。
「領主様、現在の所問題ありません」
「そうか。おや? プリンよ、どうしたのだ?」
早速国境に着いて警備担当がサーゲロイド辺境伯に話しかけているが、プリンがぴょんとサーゲロイド辺境伯の手の中にジャンプして国境でチェックを受けていた商人っぽい男性を触手で指差していた。
一見すると何も問題のなさそうな恰幅の良い男性だが、プリンからすると何かの問題がある様だ。
「サーゲロイド辺境伯様、僕も鑑定を使って良いですか?」
「うむ、やってくれ」
僕もサーゲロイド辺境伯に許可を貰って、プリンが怪しいと指摘した男性を鑑定する。
すると、直ぐに怪しい所が分かった。
「あの男性、窃盗の罪状が付いています。服装も変装の様です」
「成程。直ぐにあの男を取り調べよ」
「はっ」
サーゲロイド辺境伯様も、僕の鑑定結果を聞いて直ぐに動いた。
警備兵が男性の腕を掴み、調査用の部屋に連れて行こうとした。
「すみません、ちょっとこちらまで宜しいですか?」
「な、な、な、何? 何ですか?」
あ、男性が思いっきり慌て出した。
この時点でもうクロだと判断できるだろう。
「荷物に怪しい物がありました。確認が必要です」
「という事だ。大人しくきてもらおう」
「は、はい……」
別の警備兵が馬車を調べていたら二重底になっていて、怪しい荷物が出てきた。
流石に怪しい男性は観念したのか、がくりと項垂れていた。
「ふむ、既にあっという間に成果を出したか。このスライムはアレク殿下が従える特殊なスライムじゃ。アレク殿下の厚意により、聖女様が来られるまで国境警備に参加してくれるとの事だ」
「このスライムはプリンと言います。雷魔法も使えます。あと、スラちゃんという物理魔法万能型のスライムもいます」
「かしこまりました。既に成果も上げておりますので、こちらとしてもとても頼もしく思います」
プリンがあっという間に実績を上げたっていうのもあり、警備兵もすんなりとプリンを受け入れてくれた。
国境は警備兵とプリンに任せて、僕達はいよいよ教皇国に向かいます。
「「はーい」」
軽くお昼を食べてから、僕達は別々の行動に。
僕達もできるだけ早く話し合いを済ませないと。
「国境はどこも厳重ですね」
「偽装されると中々難しいのがあるがな」
馬車を走らせるまでもなく、代官所から歩いて五分で国境に到着。
今まできた事のある国境警備と同じく、とっても厳重だ。
でも、いくらでも身分を偽る事は可能だよね。
「そういえば、共和国と一悶着あった時に、スラちゃんが国境で悪い人を捕まえるバイトをしていたっけ。プリンにも護衛とか頼んでいましたよ」
「ほほう、それは中々面白いのう」
僕がポツリと漏らした事にサーゲロイド辺境伯が食いついてきた。
僕は簡単に説明をする。
「スラちゃんとプリンは直感で善悪が分かります。リズやサンディにエレノアもそうですね。僕は鑑定を使いますけど」
「ふむふむ、そこのスライムへの報酬はどうした?」
「あ、普通に現金です。スラちゃんとプリンもアイテムボックスが使えますし、普通に買い物もしますので」
「ほう、スライムが買い物か。それは珍しい。それならアレク殿下からスライムに賃金を払った様にすれば問題ないな」
プリンもやる気になっているし試しにというので、僕達が教皇国に行っている間にお試しバイトをしてもらう事になった。
「領主様、現在の所問題ありません」
「そうか。おや? プリンよ、どうしたのだ?」
早速国境に着いて警備担当がサーゲロイド辺境伯に話しかけているが、プリンがぴょんとサーゲロイド辺境伯の手の中にジャンプして国境でチェックを受けていた商人っぽい男性を触手で指差していた。
一見すると何も問題のなさそうな恰幅の良い男性だが、プリンからすると何かの問題がある様だ。
「サーゲロイド辺境伯様、僕も鑑定を使って良いですか?」
「うむ、やってくれ」
僕もサーゲロイド辺境伯に許可を貰って、プリンが怪しいと指摘した男性を鑑定する。
すると、直ぐに怪しい所が分かった。
「あの男性、窃盗の罪状が付いています。服装も変装の様です」
「成程。直ぐにあの男を取り調べよ」
「はっ」
サーゲロイド辺境伯様も、僕の鑑定結果を聞いて直ぐに動いた。
警備兵が男性の腕を掴み、調査用の部屋に連れて行こうとした。
「すみません、ちょっとこちらまで宜しいですか?」
「な、な、な、何? 何ですか?」
あ、男性が思いっきり慌て出した。
この時点でもうクロだと判断できるだろう。
「荷物に怪しい物がありました。確認が必要です」
「という事だ。大人しくきてもらおう」
「は、はい……」
別の警備兵が馬車を調べていたら二重底になっていて、怪しい荷物が出てきた。
流石に怪しい男性は観念したのか、がくりと項垂れていた。
「ふむ、既にあっという間に成果を出したか。このスライムはアレク殿下が従える特殊なスライムじゃ。アレク殿下の厚意により、聖女様が来られるまで国境警備に参加してくれるとの事だ」
「このスライムはプリンと言います。雷魔法も使えます。あと、スラちゃんという物理魔法万能型のスライムもいます」
「かしこまりました。既に成果も上げておりますので、こちらとしてもとても頼もしく思います」
プリンがあっという間に実績を上げたっていうのもあり、警備兵もすんなりとプリンを受け入れてくれた。
国境は警備兵とプリンに任せて、僕達はいよいよ教皇国に向かいます。
525
お気に入りに追加
8,907
あなたにおすすめの小説
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。