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第十五章 再びの貴族主義派の不正
二百七十三話 久々の冒険者活動
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今日は特にやる事も無いので、ちょっと久々の薬草採取です。
いつもだったらレイナさんとかも一緒なのだけど、妊娠したのでお休みです。
「俺も冒険者活動は久々だなあ」
「護衛はやっていますけどね」
「あれを護衛と呼んで良いものなのか……」
ジンさんも久々の冒険者活動で張り切っています。
この前の帝国に行ったのも護衛の一種だったから、ちゃんと依頼料は払われています。
まあ、ジンさんはお金を持っているから、お金は気にしない様だけどね。
「今日はエレノアとかもいないし、この人数ってのも久々ですね」
「王族が混じると、警備とか厳重にしないといけないからな」
僕とリズも王族だけど、王族よりも冒険者歴の方が長いんだよね。
なので、護衛抜きで冒険者だけで動くのも結構好きです。
「へえ、リズちゃんは小さいのにEランク冒険者なんだ」
「そうだよ。もう少してDランクに上がるんだ」
今日は初心者の冒険者も一緒に活動していきます。
昨年のこの時期には、あの冒険者のお姉さん達も初心者として一緒に参加したんだよね。
今回参加する人は若い男性の三人組です。
成人になったばかりで、地方からきたから僕達が王族ってのを知らないんだって。
なので、僕達が王族っていうのはまだ言っていません。
「え、ジンさんってAランク冒険者ですか?」
「すげー! 冒険者の高みが目の前にいるよ!」
新人冒険者にとって、Aランク冒険者のジンさんは英雄に近い存在で、ジンさんの事を羨望の眼差しで見ていた。
しかし、ジンさんが新人冒険者に余計な事を言ってしまった。
「俺よりもアレクとリズ、それにスライム二匹の方が強いぞ」
「「「はっ?」」」
そりゃそうだろう。
今年六歳になる子どもと魔物の中では最弱と言われているスライムだ。
Aランク冒険者に言われても、にわかには信じられないよね。
新人冒険者は、僕とリズの事を疑念の目で見ていた。
ちなみにサンディは、いつも薬草採取で一緒になるおばさんとおしゃべりしています。
「じゃあ、早速ウルフを倒そう!」
ジンさんに煽られたわけでもないのに、リズとスラちゃんがとってもやる気になっています。
という事で、薬草採取の現場に現れたウルフの群れを僕達で倒す事に。
ウルフも良い食料が目の前にきたと思っているのか、とってもやる気になっています。
「じゃあ、やるか。行くよ、プリン!」
バリバリ、バリバリ!
「「「ええ!」」」
先ずは僕とプリンで先制の広範囲の電撃をウルフの群れに向けて放ちます。
倒しちゃうといけないので痺れる程度に威力を抑えているけど、広範囲の魔法に新人冒険者はかなりびっくりした表情で僕とプリンを見ていた。
「とー!」
「「「あんな大きな武器を子どもが振り回している!」」」
ウルフは僕とプリンの魔法でかろうじて立っている状態なので、リズとスラちゃんの振り回す剣に難なく倒されていく。
サンディもレイピアを繰り出しているが、あくまでも子ども用のレイピアだ。
リズのファルシオンとスラちゃんのロングソードは大人用だから子どもが振るうにはだいぶ大きいけど、二人とも身体強化を使って軽々と振るっているからなあ。
「どっせーい!」
「「「おばさんもすげー……」」
おばさんも愛用のメイスをぶん回して、ウルフの頭を潰していく。
おばさんはマロード男爵領で現れた魔獣にも立ち向かっていった実力者だから、新人冒険者が逆立ちしても勝てる相手ではない。
どうも新人冒険者はただの街にいるおばさんって思っていた様で、メイスをぶん回す姿に動けなくなっていた。
「ほら、新人共もこっちにきな」
「血抜きのやり方を教えてやるよ」
「「「はい……」」」
そして昨年も新人に対して行っていたジンさんとおばさんの血抜き講習です。
新人冒険者もおばさんに本当にお尻を叩かれながら、恐る恐る血抜きを行っています。
僕達にはスラちゃんとプリンがいるから、血抜きは本当に楽だよね。
倒したウルフをスラちゃんのアイテムボックスにしまったら、いよいよ薬草採取の開始です。
「これが薬草だよ。薬草は丁寧に取るんだよ」
「「「へえ……」」」
最近はすっかり新人冒険者の薬草採取の先生役となっているリズが、今日もスラちゃんと一緒になって新人冒険者に薬草採取のやり方を教えています。
さっき僕達が派手にウルフを倒した事で、新人冒険者もリズの言うことを素直に聞いています。
リズが教えている事はちゃんとした薬草採取の手順だから、ジンさんも特に口を出さないでいる。
僕も周囲の警戒をしつつ、サンディとプリンと共に薬草を採っていきます。
今日は久々にゆっくりしながらの薬草採取なので、普段よりも集中して薬草採取をすることができている。
すると僕は、とある物を見つけた。
「あ、これってDランクに上がるための毒消し草だ。でも、この前も見つけたよなあ」
僕の漏らした言葉を聞いたジンさんが、ランクアップについて教えてくれた。
「残念ながら同じ物を沢山集めてもランクは上がらないぞ。様々な物を採取したり、護衛や討伐をしないとランクは上がらない」
「僕達はまだまだって事ですね」
「そうだな。まあお前らは幼いのだから、焦る事はない」
とは言え毒消し草は買取額も良いので、勿論採取をしておく。
皆も順調に薬草が採れたので、予定通りに午前中で終了です。
皆揃ってギルドに帰ります。
「薬草採取をやってみてどうだった?」
「たかが薬草って思っていたのですが、中々大変でした」
「周囲の警戒も良い勉強になりました」
「俺、血抜きは初めてだったので、とても役に立ちました」
ジンさんが新人冒険者に色々と感想を聞いているけど、薬草採取ってそう甘くないよね。
獣も出るし、警戒する事が沢山あるよ。
「あーあ、毒消し草だけじゃダメだったよ」
「仕方ないよ。別の指定された物をとらないとね」
リズも毒消し草を見つけていたが、結局は僕と同じ回答だった。
サンディもまだまだランク上げる為には依頼をこなさないといけないし、僕達のランクアップの道のりはまだ険しそうだった、
いつもだったらレイナさんとかも一緒なのだけど、妊娠したのでお休みです。
「俺も冒険者活動は久々だなあ」
「護衛はやっていますけどね」
「あれを護衛と呼んで良いものなのか……」
ジンさんも久々の冒険者活動で張り切っています。
この前の帝国に行ったのも護衛の一種だったから、ちゃんと依頼料は払われています。
まあ、ジンさんはお金を持っているから、お金は気にしない様だけどね。
「今日はエレノアとかもいないし、この人数ってのも久々ですね」
「王族が混じると、警備とか厳重にしないといけないからな」
僕とリズも王族だけど、王族よりも冒険者歴の方が長いんだよね。
なので、護衛抜きで冒険者だけで動くのも結構好きです。
「へえ、リズちゃんは小さいのにEランク冒険者なんだ」
「そうだよ。もう少してDランクに上がるんだ」
今日は初心者の冒険者も一緒に活動していきます。
昨年のこの時期には、あの冒険者のお姉さん達も初心者として一緒に参加したんだよね。
今回参加する人は若い男性の三人組です。
成人になったばかりで、地方からきたから僕達が王族ってのを知らないんだって。
なので、僕達が王族っていうのはまだ言っていません。
「え、ジンさんってAランク冒険者ですか?」
「すげー! 冒険者の高みが目の前にいるよ!」
新人冒険者にとって、Aランク冒険者のジンさんは英雄に近い存在で、ジンさんの事を羨望の眼差しで見ていた。
しかし、ジンさんが新人冒険者に余計な事を言ってしまった。
「俺よりもアレクとリズ、それにスライム二匹の方が強いぞ」
「「「はっ?」」」
そりゃそうだろう。
今年六歳になる子どもと魔物の中では最弱と言われているスライムだ。
Aランク冒険者に言われても、にわかには信じられないよね。
新人冒険者は、僕とリズの事を疑念の目で見ていた。
ちなみにサンディは、いつも薬草採取で一緒になるおばさんとおしゃべりしています。
「じゃあ、早速ウルフを倒そう!」
ジンさんに煽られたわけでもないのに、リズとスラちゃんがとってもやる気になっています。
という事で、薬草採取の現場に現れたウルフの群れを僕達で倒す事に。
ウルフも良い食料が目の前にきたと思っているのか、とってもやる気になっています。
「じゃあ、やるか。行くよ、プリン!」
バリバリ、バリバリ!
「「「ええ!」」」
先ずは僕とプリンで先制の広範囲の電撃をウルフの群れに向けて放ちます。
倒しちゃうといけないので痺れる程度に威力を抑えているけど、広範囲の魔法に新人冒険者はかなりびっくりした表情で僕とプリンを見ていた。
「とー!」
「「「あんな大きな武器を子どもが振り回している!」」」
ウルフは僕とプリンの魔法でかろうじて立っている状態なので、リズとスラちゃんの振り回す剣に難なく倒されていく。
サンディもレイピアを繰り出しているが、あくまでも子ども用のレイピアだ。
リズのファルシオンとスラちゃんのロングソードは大人用だから子どもが振るうにはだいぶ大きいけど、二人とも身体強化を使って軽々と振るっているからなあ。
「どっせーい!」
「「「おばさんもすげー……」」
おばさんも愛用のメイスをぶん回して、ウルフの頭を潰していく。
おばさんはマロード男爵領で現れた魔獣にも立ち向かっていった実力者だから、新人冒険者が逆立ちしても勝てる相手ではない。
どうも新人冒険者はただの街にいるおばさんって思っていた様で、メイスをぶん回す姿に動けなくなっていた。
「ほら、新人共もこっちにきな」
「血抜きのやり方を教えてやるよ」
「「「はい……」」」
そして昨年も新人に対して行っていたジンさんとおばさんの血抜き講習です。
新人冒険者もおばさんに本当にお尻を叩かれながら、恐る恐る血抜きを行っています。
僕達にはスラちゃんとプリンがいるから、血抜きは本当に楽だよね。
倒したウルフをスラちゃんのアイテムボックスにしまったら、いよいよ薬草採取の開始です。
「これが薬草だよ。薬草は丁寧に取るんだよ」
「「「へえ……」」」
最近はすっかり新人冒険者の薬草採取の先生役となっているリズが、今日もスラちゃんと一緒になって新人冒険者に薬草採取のやり方を教えています。
さっき僕達が派手にウルフを倒した事で、新人冒険者もリズの言うことを素直に聞いています。
リズが教えている事はちゃんとした薬草採取の手順だから、ジンさんも特に口を出さないでいる。
僕も周囲の警戒をしつつ、サンディとプリンと共に薬草を採っていきます。
今日は久々にゆっくりしながらの薬草採取なので、普段よりも集中して薬草採取をすることができている。
すると僕は、とある物を見つけた。
「あ、これってDランクに上がるための毒消し草だ。でも、この前も見つけたよなあ」
僕の漏らした言葉を聞いたジンさんが、ランクアップについて教えてくれた。
「残念ながら同じ物を沢山集めてもランクは上がらないぞ。様々な物を採取したり、護衛や討伐をしないとランクは上がらない」
「僕達はまだまだって事ですね」
「そうだな。まあお前らは幼いのだから、焦る事はない」
とは言え毒消し草は買取額も良いので、勿論採取をしておく。
皆も順調に薬草が採れたので、予定通りに午前中で終了です。
皆揃ってギルドに帰ります。
「薬草採取をやってみてどうだった?」
「たかが薬草って思っていたのですが、中々大変でした」
「周囲の警戒も良い勉強になりました」
「俺、血抜きは初めてだったので、とても役に立ちました」
ジンさんが新人冒険者に色々と感想を聞いているけど、薬草採取ってそう甘くないよね。
獣も出るし、警戒する事が沢山あるよ。
「あーあ、毒消し草だけじゃダメだったよ」
「仕方ないよ。別の指定された物をとらないとね」
リズも毒消し草を見つけていたが、結局は僕と同じ回答だった。
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