転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

第十五章 再びの貴族主義派の不正

二百六十七話 明日に向けて

　ルーカスお兄様とアイビー様とロロノア男爵夫妻を王城に送り、今日の作業は終了となった。
　スラちゃんも戻ってきたので、清掃の終わった屋敷の厨房のテストを兼ねて夕食を作る事になった。

「食材は沢山あるので使って下さい。皆さんも是非いっぱい食べてくださいね」
「おお、アレク殿下ありがとうございます。腕によりをかけて作らさせて頂きます」

　どーんと、沢山の食材をアイテムボックスから出した。
　スラちゃんのアイテムボックスだけどね。
　スラちゃんも皆の分にと、気前よく出してくれた。
　屋敷の調理人は、早速食材を調理し始めた。
　
　調理が始まったら、次はお風呂へ。
　ここも綺麗に清掃されている。
　僕達がお風呂に入って問題なければ、明日街の人に無料開放するらしい。
　洗濯物も出来る様にするというので、とっても助かるよね。
　僕達はティナおばあさまとサラさんと共にお風呂に入ります。
　因みにフィル様はリズが生活魔法である程度綺麗にしてくれているので、明日以降お風呂に入って貰おう。

「ティナ様、本当に色々助けて貰いありがとうございます」
「気にしなくていいのよ。それに国としてもアホラ子爵の対応が後手に回った所もあるので、逆に申し訳ないわ」

　サラさんとティナおばあさまが色々と話をしているけど、結局はアホラ子爵が暴走しなければ済んだ事だもんな。
　誰の責任って訳でもないし。
　因みにサラさんはスレンダー体型で、ティナおばあさまの事を羨ましそうに見ていた。
　うーん、僕としてはソフィアさんという大きな物を知っているから、至って冷静です。

「ほら、頭洗うからこっちにきて」
「「はーい」」

　僕はと言うと、いつも通りにリズとサンディの頭を洗っていた。
　僕達の様子を見て、サラさんがくすくすとしていた。

「皆様、仲良いですね」
「そうね。アレク君がしっかりしているから、二人が甘えちゃっているわね」

　サラさんも、お子さんができればきっとこんな感じになりますよ。
　そう思いながら、僕は二人の頭をゴシゴシと洗っていた。

「わあ、美味しそう！」
「折角なので、厨房のテストを兼ねて色々と作ってみました」

　食堂に入ると、沢山の料理が並んでいた。
　匂いもとても良いし、既にスラちゃんとプリンはよだれを垂らしている。
　
「美味しい！」
「そうか、それは良かった。沢山食べてくださいね」
「うん！」

　リズも絶賛する美味しさで、スラちゃんとプリンもいっぱい食べている。
　今日は皆沢山動いたもんね。

「ティナおばあさま、サラさん。この後はどうしますか？」
「私達は詰所になっている屋敷の庭にテントがあるから、そこで休みましょうね。サラはフィルについてあげていてね」
「はい、分かりました」

　サラさんは僕達が外で泊まるのに抵抗あった様だけど、ティナおばあさまの笑顔で押し切られてしまった。
　サラさんは婚約者であるフィル様の看病もあるもんね。

「お外で寝るの久々だなあ」
「私は初めてです」
「アレク君のゲートで楽しているけど、本当は貴族も野外では馬車で寝たりするものよ。これも勉強の一つね」
「はーい」

　馬車で移動するなら、夜営は基本だもんね。
　そういえば、テントで寝るのって僕も初めてだった。

　夕食を食べたら、皆で外に出ます。
　すると、僕達用に一つテントが立っていました。
　官僚も今日はテントで寝るそうなので、専用のテントを立てています。
　兵が交代で街中を巡回するので、誰かは必ず起きているそうです。

「夜は寒いから、寝袋で寝ましょうね」
「「「はーい」」」

　ティナおばあさまは自分用の寝袋を取り出していますが、僕達は何故か一つの寝袋に三人で寝る事に。
　リズ、いつの間に大きな寝袋を買っていたんだよ。
　とは言え、三人で寝るには丁度いい大きさで、皆でくっついているから全然寒くない。
　そして、疲れもあったのか僕達はあっという間に寝てしまったのだった。