転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

文字の大きさ
上 下
67 / 940
第十四章 五歳の祝いとマロード温泉

二百二十五話 五歳の祝いまであと少し

しおりを挟む
 もうそろそろ辺境伯領での五歳の祝いとなるので、街もお祝いの雰囲気になってきている。
 飾り付けをしたり、お店によっては特売とかも始まっている。
 そんな中、僕達の屋敷では別のイベントも間近に迫ってきた。

「お腹がおっきくなってきたね」
「パンパンだよ」
「もう出産予定間近ですから」
「いつ生まれてもおかしくないですよ」

 侍従のお姉さん達の出産も間近になっていて、お腹が大きくなってパンパンになってきた。
 リズとサンディが、お姉さんのお腹に交互に耳をあてている。
 お姉さんのお腹の中で、赤ちゃんが動いているのを感じている様だ。
 といっても、君達はほぼ毎日お姉さん達のお腹に耳を当ててますけど。

「赤ちゃんを育てる部屋も準備しましたし、いつでも準備は万端ですね」
「シスターさんに連絡をする体制も整えていますし、辺境伯様の屋敷にいる侍従にも出産をサポート出来る人がいるそうですから」
「お隣さんですし、夜だとしても何時でも良いって言ってくれています」

 侍従といっても僕達を小さい頃から育ててくれたお姉さん達なので、辺境伯様も配慮をしてくれた。
 そしてソフィアさんの出産に向けての手順も確認するらしく、出産後の育児の一部もソフィアさんが体験する予定だ。

 そんな中、僕達も五歳の祝いの準備をしている。
 服などは、ティナおばあさまが気合を入れて選んでくれたので大丈夫。
 ありがたい事に、サンディの服まで用意してくれた。
 当日はこの間のジェイド様とソフィアさんの結婚式と同じで、辺境伯様の屋敷と僕の屋敷の柵を取り外して大きなスペースを作る事にする。
 立食形式にする予定で、主役が子どもだから座れる場所も多く用意する様だ。
 
「僕達はあまり準備はしないけど、警備は少し厳重にしないとね」
「そこは大丈夫ですよ。旦那も警備に専念しますし、兵も来てくれますから」
 
 まあ何があるか分からないし、警備は厳重に行われる予定だ。
 最悪隣の屋敷にジンさん達もいるので、何かあったらヘルプに入ってもらう。

「にーに、ねーね」
「うん? どうしたミカエル?」
「ミカちゃんどうしたの?」
「まーだ?」
「もう、終わるよ」
「あそぼ!」
「追いかけっこをしようか?」
「うん!」

 ここで、僕達が遊んでくれなくてちょっとむくれ顔のミカエルがやってきた。
 段々と言葉も覚えてきて、語彙力も上がってきている。
 今日はこの辺で切り上げて、昼食の時間まで庭でミカエルと遊ぶのだった。
しおりを挟む
感想 237

あなたにおすすめの小説

あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?

水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが… 私が平民だとどこで知ったのですか?

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

えながゆうき
ファンタジー
 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

王家も我が家を馬鹿にしてますわよね

章槻雅希
ファンタジー
 よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。 『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

家族に辺境追放された貴族少年、実は天職が《チート魔道具師》で内政無双をしていたら、有能な家臣領民が続々と移住してきて本家を超える国力に急成長

ハーーナ殿下
ファンタジー
 貴族五男ライルは魔道具作りが好きな少年だったが、無理解な義理の家族に「攻撃魔法もろくに使えない無能者め!」と辺境に追放されてしまう。ライルは自分の力不足を嘆きつつ、魔物だらけの辺境の開拓に一人で着手する。  しかし家族の誰も知らなかった。実はライルが世界で一人だけの《チート魔道具師》の才能を持ち、規格外な魔道具で今まで領地を密かに繁栄させていたことを。彼の有能さを知る家臣領民は、ライルの領地に移住開始。人の良いライルは「やれやれ、仕方がないですね」と言いながらも内政無双で受け入れ、口コミで領民はどんどん増えて栄えていく。  これは魔道具作りが好きな少年が、亡国の王女やエルフ族長の娘、親を失った子どもたち、多くの困っている人を受け入れ助け、規格外の魔道具で大活躍。一方で追放した無能な本家は衰退していく物語である。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。