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第十三章 貴族主義派の不正

二百十五話 明日も皆んなで行動予定

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 夕方になったので、今日の作業はここまで。
 王城に帰らないといけないのだが、忘れていけない人がいる。

「ジンさんを連れて帰らないとね」
「あっ、忘れていた」

 リズよ、ジンさんの事を忘れないであげてよ……
 ゲートを繋いで、みんなで駐屯地に向かった。

「おお、こっちだこっち」

 駐屯地に向かうと、既に後始末を終えていたジンさん達が待っていた。
 するとカミラさんとレイナさんが、僕達の中にいる人を見てびっくりしていた。
 
「「もしかして、アイビー?」」

 えっと、もしかしなくても知り合いなのかな?
 アイビーの方もびっくりした顔をしていた。

「親同士が仲良いから、たまに顔をみせていたのよ」
「昔から元気いっぱいだったから、私達も可愛がっていたわ」
「私としては、まさかお姉様方にこんな所で会うとは思わなかったですわ」
「これはね、おじいちゃんからの指令なのよ……」

 そういえば、カミラさんとレイナさんは閣僚の娘や孫だったよな。
 アイビーと知り合いでもおかしくはない。
 因みにプリンは僕の頭の上に移動している。

「ジンさん、森の中はどうでしたか?」
「ありゃやばい所だったぞ。一月遅ければ、魔物が溢れていたぞ」
「何年も討伐していない様でしたからね」
「ある程度は倒したけど、これからも定期的に森の中の魔物を間引かないとならないな」

 やはりというか、森の中は魔物だらけだったという。
 それでも今日一日で沢山倒すとは、流石はAランク冒険者だ。

「因みにプリンも活躍したぞ。プリンは魔法特化型だな」
「最近スラちゃんは、剣を振り回す事が増えてきましたからね」

 スラちゃんは魔法も使うから魔法剣士だな。
 でも、スライムとは思えない戦い方をするんだよね。

 という事で、僕達は王城に移動して今日の報告をする事に。

「街の様子を確認しないとならないから、明日は査察官と共に巡回診療にあたってくれ」
「病気で動けない人もいるかも知れませんね」
「後は情報収集も兼ねてだ。三組に分けて行うとするか」

 という事で、僕とリズ、エレノアとルーシーお姉様、ルーカスお兄様とアイビー様にスラちゃんで行動する事になった。

「ジン達は、引き続き魔物の討伐だな。この際だから、ある程度間引かないとならないな」
「獲物はどうしますか?」
「ポートコールのギルドに提出すれば良い。素材が出回れば、街の経済にも良い影響が出るだろう」

 ジンさんも引き続き魔物の討伐を行う事になった。
 依頼料とは別に素材の引き取り料も入るので、ジンさんにとっては臨時収入になるだろう。

 明日のやる事も決まったので、今日はこれで解散。
 僕達とジンさん達は辺境伯領へ帰るのだが、陛下から辺境伯様へ手紙を預かったので僕の屋敷の隣にある辺境伯様の屋敷に向かった。

「そうか、王妃候補が決まったのか。それは良かった」
「元気なお姉ちゃんだったよ」
「影ではかなり努力をしていると聞いている。ルーカス殿下に相応しい方だろう」

 辺境伯様の屋敷に行くと、直ぐに応接室に通された。
 手紙を渡すと、ポートコールの事とアイビー様の事が書いてあったらしく、ふむふむと手紙を読んでいた。

「しかし、ポートコールの件は大きな問題になりそうだな」
「はい、捜索も暫くかかりそうです」
「多数の官僚が更迭されそうだが、殆どがベストール侯爵一派だ。官僚機能もキチンとするだろう」

 ポートコールは王都よりも辺境伯領の方が近いし、辺境伯様も他人事ではない。
 時間はかかるけど、確実に捜査を行って欲しいなあと思った。
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