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第十一章 共和国編
百八十五話 対テイマー戦第一ラウンド
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僕達も辺境の街の部隊を追っていくと、一際大きな屋敷が目に入ってきた。
どう考えてもブッフォンの屋敷だろう。
既に門番も拘束されていて、続々と兵が中に入って行く。
「二階だ、急げ」
「殺害はするなよ。拘束していけ」
屋敷の中からドタバタした声が聞こえてくる。
そんな時、突然玄関扉が爆発した。
「「「うわあ!」」」
「くそ、せっかく寝ていたのに叩き起こしやがって」
相当イライラした表情の男が玄関からこっちに出てきた。
どう見ても国境で僕達の事を襲ってきたテイマーだった。
テイマーも僕達の事に気が付いたのか、更にイライラした表情を見せてきた。
「てめーか。忘れもしないぜ。わざわざ殺されにきたのかよ」
「それは貴方の方では? ここで僕達が貴方を捕縛します」
「ガキが! なめやがって!」
僕が軽く挑発すると、テイマーは更に怒ってこちらに近づいてきた。
玄関ホールでの爆発に巻き込まれた人を避難させるためで、目論見通りにテイマーがこちらに近づいてきたので直ぐに他の人が救助に向かっていた。
「この前とは違うぞ。ははは、ここはネズミが多い。貪り食われてしまえ!」
もう既に僕達の事しか目に入っていないテイマーは、動物を強制テイムしようと杖を振りかざした。
すると、十匹程のネズミと三十羽のカラスと思わしき鳥が僕達を囲んできた。
「くそ、なんでこんなに少ないんだ。この間は少なくとも数千匹はいたはずだぞ」
「テイマーがここにいると分かって、何も対策しないわけないわ。愚かね」
「くそ、だまればばあ!」
あらら、折角スラちゃんとプリンが分かりやすく踊って煽っているのに、ティナおばあさまにばばあって言っているよ。
スラちゃんとプリンもそっちを煽るの? ってビックリしていた。
でもこれで完全にこちらのペースになった。
テイマーは口から泡を吐くくらいの勢いでテイムした動物に命令を出した。
「おい、あいつらを食い尽くせ!」
「この分なら、デスペルも必要ないね。スラちゃんいくよ」
ヒュー! ヒュー!
「ぐお、なんだこの寒さは。くそ、ネズミが凍っている」
これが犬とか猫だったら攻撃するのをためらうけど、今回は元々駆除対象の動物だ。
先ず僕とスラちゃんの合体魔法でネズミを駆逐する。
僕の水魔法を更に発展させた氷魔法とスラちゃんの風魔法で、ネズミのいる所だけに局所的に吹雪を発生させた。
ネズミはかちんこちんに凍ってしまい、その余波でテイマーも寒かった様だ。
テイマーは若干鼻水を出しているけど、頭を冷やすまでにはいっていないようだ。
うーん、残念。
「プリンちゃん、リズもやるよ」
「リズちゃん、撃ち漏らしは気にしなくていいわ。ガンガンやっちゃって」
「うん、おばあちゃん」
「ぐう、また別のスライムか。下等生物のくせに!」
リズとプリンが空中のカラスを次々に落としていく。
何とか魔法から逃れたカラスは僕達に攻撃を仕掛けてくるが、ティナおばあさまやジェリルさんをはじめとする近衛騎士によって倒されていく。
こうして、あっという間にネズミとカラスは駆逐された。
「ねえ、もう終わり?」
「ふざけるな。俺は優秀な魔導士なんだ! うりゃ!」
ズドン。
「あれ? 小さいので相殺できちゃった」
「な、な、なんでガキの魔法に負けるんだよ」
リズはあっという間に攻撃が終わって疑問に思ったのだが、テイマーは馬鹿にされたと思い強大な火の玉を放った。
それに対して、リズは少し圧縮したライトボールで簡単に相殺してしまった。
リズは不思議そうにしているけど、テイマーの方はかなり驚いている。
「そんな馬鹿な。俺は闇ギルドナンバーズのテイマーなんだー! くそくそくそくそ」
「はあ。もう、ここまでくると哀れだわ」
ひゅん、ひゅん。
「な、なんだよ。俺の魔法が通用しないのかよ」
「おお、おばあちゃんカッコいい!」
焦ったテイマーが更に火の玉を乱発するけど、溜息をつきながらティナおばあさまが全て切り捨てた。
リズとスラちゃんとプリンはティナおばあさまの剣技に大喜びだが、一方のテイマーは顔面蒼白だ。
「もうそろそろ、終わりにしてもいいですね」
「そうね。ナンバーズの割には弱かったわね」
「オカマの方がずっと強かったよ」
「魔道具が特殊なだけだった様ね」
何だかテイマーが滑稽に思えてしまったので、もう一気に捕縛しようと思った。
ティナおばあさまの言葉にある通り、特殊な魔道具使いでその対策さえきっちりすれば何て事はなかった。
「おお、スラちゃん大きなハンマー出した!」
「何で、あんなもの持っているんだよ......」
「この前アリア様のハンマーがかっこよかったから、同じ物を買ったんだって」
と、ここでスラちゃんがアイテムボックスから大きなハンマーを出した。
なんだかアリア様が持っている様なハンマーと似ていると思ったら、まるっきり同じ物かよ。
そしてスラちゃんはプリンと一緒にニヤニヤしながらテイマーにゆっくりと近づいていく。
そう、あえてゆっくりとだ。
「く、くるな。くるな、下等生物!」
「スラちゃん、楽しんでいるね......」
「プリンちゃんもだね......」
「よっぽどテイマーに下等生物って言われたのが頭にきているみたいだね」
何だかスラちゃんとプリンの方がテイマーよりよっぽど悪人に見えるけど、こればっかりは仕方ない。
一方のテイマーは小さいスライムに完全に飲まれてしまい、壁にぶつかってこれ以上進めないのにもがいている。
そしてスラちゃんが二ヤっと笑ってからあえてハンマーを大きく振りかぶった。
ブオン。
「ぐっ、ぐえー」
「おお、よく飛んだね」
スラちゃんは、あえてテイマーが魔法障壁を張るのを確認してハンマーを振り回した。
リズも思わず漏らすほど、テイマーは庭の方まで吹っ飛んでいったぞ。
魔法障壁を張っているのに、防ぎ切れなかったんだ。
そして、スラちゃんはハンマーをアイテムボックスに仕舞って、プリンと魔法の準備に入った。
スラちゃんとプリンの動きに気が付いたテイマーが、急いで魔法障壁を張りなおす。
スラちゃんとプリンは、テイマーが魔法障壁を張り直すのをあえて待ってから魔法を放った。
「おお、スラちゃんとプリンの合体魔法だ!」
「いやはや、物凄い威力だね」
「レアなハイスライムだからできる魔法ね」
スラちゃんとプリンの合体魔法に、一同びっくり。
僕とリズとは一緒に合体魔法を使ったことあるけど、スライム同士で使うとは。
スラちゃんとプリンの放った一撃に、テイマーは驚愕の表情でいる。
「くそ、下等生物が。下等生物がー!」
ミシミシミシ。
「あ、テイマーの魔導具から嫌な音がする」
「リズ、呑気な事を言っていないで魔法障壁を準備して」
「全員防御態勢!」
スラちゃんとプリンの魔法に、テイマーの魔導具である杖が耐えきれなくなった様だ。
ミシミシと嫌な音をたててきたので、ティナおばあさまの掛け声を合図に魔法障壁を張った。
ズドーン、ドッカーン。
「ギャー!」
とうとうテイマーの杖がスラちゃんとプリンの合体魔法に耐えきれなくなり、大爆発を起こした。
テイマーは悲鳴を上げながら、庭の後方にまで吹き飛ばされた。
「う、うぅ」
「あ、生きているよ」
「でも物凄いダメージを負っているね」
テイマーの左腕は爆発の衝撃で千切れていて、全身からプスプスと煙が上がっている。
というかあの爆発の直撃を受けながら、よく生きているって感じだよ。
「く、くそ、くそくそ、クソクソクソクソクソクソクソ!」
「危ない、皆離れて!」
「な、何? 急に魔力が大きく」
「離れて、テイマーが何かを飲み込んだわ」
瀕死のテイマーが、懐から何かを取って噛み砕いた。
その瞬間、テイマーの魔力が急激に大きくなった。
全員武器を持って、改めて臨戦態勢に入った。
どう考えてもブッフォンの屋敷だろう。
既に門番も拘束されていて、続々と兵が中に入って行く。
「二階だ、急げ」
「殺害はするなよ。拘束していけ」
屋敷の中からドタバタした声が聞こえてくる。
そんな時、突然玄関扉が爆発した。
「「「うわあ!」」」
「くそ、せっかく寝ていたのに叩き起こしやがって」
相当イライラした表情の男が玄関からこっちに出てきた。
どう見ても国境で僕達の事を襲ってきたテイマーだった。
テイマーも僕達の事に気が付いたのか、更にイライラした表情を見せてきた。
「てめーか。忘れもしないぜ。わざわざ殺されにきたのかよ」
「それは貴方の方では? ここで僕達が貴方を捕縛します」
「ガキが! なめやがって!」
僕が軽く挑発すると、テイマーは更に怒ってこちらに近づいてきた。
玄関ホールでの爆発に巻き込まれた人を避難させるためで、目論見通りにテイマーがこちらに近づいてきたので直ぐに他の人が救助に向かっていた。
「この前とは違うぞ。ははは、ここはネズミが多い。貪り食われてしまえ!」
もう既に僕達の事しか目に入っていないテイマーは、動物を強制テイムしようと杖を振りかざした。
すると、十匹程のネズミと三十羽のカラスと思わしき鳥が僕達を囲んできた。
「くそ、なんでこんなに少ないんだ。この間は少なくとも数千匹はいたはずだぞ」
「テイマーがここにいると分かって、何も対策しないわけないわ。愚かね」
「くそ、だまればばあ!」
あらら、折角スラちゃんとプリンが分かりやすく踊って煽っているのに、ティナおばあさまにばばあって言っているよ。
スラちゃんとプリンもそっちを煽るの? ってビックリしていた。
でもこれで完全にこちらのペースになった。
テイマーは口から泡を吐くくらいの勢いでテイムした動物に命令を出した。
「おい、あいつらを食い尽くせ!」
「この分なら、デスペルも必要ないね。スラちゃんいくよ」
ヒュー! ヒュー!
「ぐお、なんだこの寒さは。くそ、ネズミが凍っている」
これが犬とか猫だったら攻撃するのをためらうけど、今回は元々駆除対象の動物だ。
先ず僕とスラちゃんの合体魔法でネズミを駆逐する。
僕の水魔法を更に発展させた氷魔法とスラちゃんの風魔法で、ネズミのいる所だけに局所的に吹雪を発生させた。
ネズミはかちんこちんに凍ってしまい、その余波でテイマーも寒かった様だ。
テイマーは若干鼻水を出しているけど、頭を冷やすまでにはいっていないようだ。
うーん、残念。
「プリンちゃん、リズもやるよ」
「リズちゃん、撃ち漏らしは気にしなくていいわ。ガンガンやっちゃって」
「うん、おばあちゃん」
「ぐう、また別のスライムか。下等生物のくせに!」
リズとプリンが空中のカラスを次々に落としていく。
何とか魔法から逃れたカラスは僕達に攻撃を仕掛けてくるが、ティナおばあさまやジェリルさんをはじめとする近衛騎士によって倒されていく。
こうして、あっという間にネズミとカラスは駆逐された。
「ねえ、もう終わり?」
「ふざけるな。俺は優秀な魔導士なんだ! うりゃ!」
ズドン。
「あれ? 小さいので相殺できちゃった」
「な、な、なんでガキの魔法に負けるんだよ」
リズはあっという間に攻撃が終わって疑問に思ったのだが、テイマーは馬鹿にされたと思い強大な火の玉を放った。
それに対して、リズは少し圧縮したライトボールで簡単に相殺してしまった。
リズは不思議そうにしているけど、テイマーの方はかなり驚いている。
「そんな馬鹿な。俺は闇ギルドナンバーズのテイマーなんだー! くそくそくそくそ」
「はあ。もう、ここまでくると哀れだわ」
ひゅん、ひゅん。
「な、なんだよ。俺の魔法が通用しないのかよ」
「おお、おばあちゃんカッコいい!」
焦ったテイマーが更に火の玉を乱発するけど、溜息をつきながらティナおばあさまが全て切り捨てた。
リズとスラちゃんとプリンはティナおばあさまの剣技に大喜びだが、一方のテイマーは顔面蒼白だ。
「もうそろそろ、終わりにしてもいいですね」
「そうね。ナンバーズの割には弱かったわね」
「オカマの方がずっと強かったよ」
「魔道具が特殊なだけだった様ね」
何だかテイマーが滑稽に思えてしまったので、もう一気に捕縛しようと思った。
ティナおばあさまの言葉にある通り、特殊な魔道具使いでその対策さえきっちりすれば何て事はなかった。
「おお、スラちゃん大きなハンマー出した!」
「何で、あんなもの持っているんだよ......」
「この前アリア様のハンマーがかっこよかったから、同じ物を買ったんだって」
と、ここでスラちゃんがアイテムボックスから大きなハンマーを出した。
なんだかアリア様が持っている様なハンマーと似ていると思ったら、まるっきり同じ物かよ。
そしてスラちゃんはプリンと一緒にニヤニヤしながらテイマーにゆっくりと近づいていく。
そう、あえてゆっくりとだ。
「く、くるな。くるな、下等生物!」
「スラちゃん、楽しんでいるね......」
「プリンちゃんもだね......」
「よっぽどテイマーに下等生物って言われたのが頭にきているみたいだね」
何だかスラちゃんとプリンの方がテイマーよりよっぽど悪人に見えるけど、こればっかりは仕方ない。
一方のテイマーは小さいスライムに完全に飲まれてしまい、壁にぶつかってこれ以上進めないのにもがいている。
そしてスラちゃんが二ヤっと笑ってからあえてハンマーを大きく振りかぶった。
ブオン。
「ぐっ、ぐえー」
「おお、よく飛んだね」
スラちゃんは、あえてテイマーが魔法障壁を張るのを確認してハンマーを振り回した。
リズも思わず漏らすほど、テイマーは庭の方まで吹っ飛んでいったぞ。
魔法障壁を張っているのに、防ぎ切れなかったんだ。
そして、スラちゃんはハンマーをアイテムボックスに仕舞って、プリンと魔法の準備に入った。
スラちゃんとプリンの動きに気が付いたテイマーが、急いで魔法障壁を張りなおす。
スラちゃんとプリンは、テイマーが魔法障壁を張り直すのをあえて待ってから魔法を放った。
「おお、スラちゃんとプリンの合体魔法だ!」
「いやはや、物凄い威力だね」
「レアなハイスライムだからできる魔法ね」
スラちゃんとプリンの合体魔法に、一同びっくり。
僕とリズとは一緒に合体魔法を使ったことあるけど、スライム同士で使うとは。
スラちゃんとプリンの放った一撃に、テイマーは驚愕の表情でいる。
「くそ、下等生物が。下等生物がー!」
ミシミシミシ。
「あ、テイマーの魔導具から嫌な音がする」
「リズ、呑気な事を言っていないで魔法障壁を準備して」
「全員防御態勢!」
スラちゃんとプリンの魔法に、テイマーの魔導具である杖が耐えきれなくなった様だ。
ミシミシと嫌な音をたててきたので、ティナおばあさまの掛け声を合図に魔法障壁を張った。
ズドーン、ドッカーン。
「ギャー!」
とうとうテイマーの杖がスラちゃんとプリンの合体魔法に耐えきれなくなり、大爆発を起こした。
テイマーは悲鳴を上げながら、庭の後方にまで吹き飛ばされた。
「う、うぅ」
「あ、生きているよ」
「でも物凄いダメージを負っているね」
テイマーの左腕は爆発の衝撃で千切れていて、全身からプスプスと煙が上がっている。
というかあの爆発の直撃を受けながら、よく生きているって感じだよ。
「く、くそ、くそくそ、クソクソクソクソクソクソクソ!」
「危ない、皆離れて!」
「な、何? 急に魔力が大きく」
「離れて、テイマーが何かを飲み込んだわ」
瀕死のテイマーが、懐から何かを取って噛み砕いた。
その瞬間、テイマーの魔力が急激に大きくなった。
全員武器を持って、改めて臨戦態勢に入った。
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