忠犬ポチは、異世界でもお手伝いを頑張ります!

藤なごみ

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ポチの25話 病院でお手伝いをするよ!

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 ルーナちゃんはいつもポチ達と一緒に寝ているんだよ。
 お母さんと一緒にいられないから、ポチとミッケちゃんとリルムちゃんでお姉ちゃんみたいに接しているんだ。
 ルーナちゃんはたまに寂しそうにしているけど、笑顔も増えてきたよ。

 そんな中、今日はルーナちゃんのお母さんが入院している病院のお手伝いに行くんだよ。
 ルーナちゃんは孤児院でお留守番だから、代わりにポチ達がルーナちゃんのお母さんにルーナちゃんの様子を伝えるんだ。
 ポチに託されたのは、とっても重要な使命なのだ。

「はい、じゃあ今日はお願いね」
「「「はーい」」」

 今日は病院内のお掃除を念入りにするのだ。
 草むしりとかもバッチリやっちゃうよ!
 
「ふふふふふーん」

 先ずはお庭の草取りです。
 ポチなら鼻歌歌いながらでも草むしりができちゃうんだよ。
 因みにミッケちゃんとリルムちゃんは、包帯を洗っているんだって。
 洗い終わった包帯から、順番に干していっているよ。
 今日はお天気も良いから、洗濯物も良く乾きそう!
 
 草むしりが終わったら、手を洗って今度は病室のお掃除だよ。
 先に使っていないお部屋をお掃除するよ。
 いつ誰が使うか分からないからね。
 
「ミッケちゃん、床の水拭き終わったよ」
「有難う、ポチちゃん。こっちもシーツを敷き終わったよ」
「テーブルも拭き終わったよ」

 三人で協力すれば、あっという間にお掃除も完了。
 ポチ達のチームワークはバッチリなのだ。
 次はいよいよ入院している人がいる病室だよ。
 因みに病気の人の所は悪い病気を持って行かない様に、ポチ達はお掃除しないんだって。
 でもルーナちゃんのお母さんは足の怪我だから、お掃除して大丈夫なんだって。

「感染症の危険もあるから、服も手もしっかりと綺麗にしないと」
「「はーい」」

 流石はリルムちゃん、キチンと注意してくれたよ。
 未来の薬師さんは、本当にしっかりしているね。
 勿論、手も洗って埃とかも落として準備万端。
 いざ、病室へ。

「「「こんにちは」」」
「あら、可愛らしいお子さんね」

 数部屋掃除して別の部屋に行ったら、ルーナちゃんにそっくりな人がポチ達に声をかけてきたよ。
 ポチ、その人を一目見てルーナちゃんのお母さんって分かったんだ。
 よーし、ポチはルーナちゃんのお母さんにちゃんと挨拶をするのだ。

「あら、よく見るとポチちゃんとミッケちゃんとリルムちゃんね」
「え、ポチの事を知っているの?」
「ええ、勿論よ。商店街に勤めている人なら皆ポチちゃんとミッケちゃんとリルムちゃんの事を知っているわ」
「そうなんだ!」

 おお、びっくり。
 まさかルーナちゃんのお母さんがポチとミッケちゃんとリルムちゃんの事を知っているとは。
 これはまさかの先制パンチだぞ。
 でも、ポチも負けないぞ!

「ルーナちゃんのお母さん、ですよね?」
「ええ、そうよ。そっか、皆は孤児院にいるんだわね。ルーナはどうですか?」
「おりこうさんです。でも、お母さんに会いたがっていました」
「ふふ、そうね。ルーナはまだ三歳だからね」

 ぬわー!
 ルーナちゃんのお母さんにルーナちゃんの事を説明するのを、ミッケちゃんとリルムちゃんに取られちゃったよー!

「どうしたの? ポチちゃん、床に崩れ落ちて」
「何で涙目?」
「あらあら」

 うう、ポチはルーナちゃんの事を説明できないダメダメな犬っこですよ......

 とはいえ、気持ちを切り替えてお仕事は頑張るぞ。
 お部屋のゴミを捨てて、空気を入れかえて、床を綺麗にモップで拭くのだ。

「ルーナちゃんのお母さん、具合はどうですか?」
「ええ、治療を受けてだいぶ良くなったわ。後はリハビリを進めれば予定通りに退院できそうよ」
「それば良かった! ルーナちゃんに伝えても大丈夫?」
「こちらからお願いするわ。ルーナをどうかよろしくね」
「ポチ達にお任せだよ!」

 ルーナちゃんのお母さんから、ルーナちゃんへはばっちりポチが伝えるよ!
 という事で、今日の病院のお手伝いは無事終了だよ。

「ルーナちゃん、お母さん元気だったよ」
「予定通りに退院できるって」
「そっか、良かった! 何で、ポチお姉ちゃんは床に崩れているの?」
「「さあ?」」

 うう、またしてもルーナちゃんへの報告をミッケちゃんとリルムちゃんに取られちゃったよ。
 ポチはだめだめな犬っこです......
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