忠犬ポチは、異世界でもお手伝いを頑張ります!

藤なごみ

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ポチの9話 明日の予定

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 今日のお手伝いも無事に終わりなんだけど、明日の事をマーサさんに伝えないと。

「マーサさん、あのね?」
「どうしたの、ポチちゃん?」
「明日ね、孤児院のお爺さんと一緒に領主様の所に行かないといけないんだ」
「あら、そうなのね。ポチちゃんも大変ね」
「うん。だからね、明日はね、お店のお手伝いできないんだ」

 ポチがちょっとしゅんとしながら説明したら、マーサさんがポチの頭を撫でてくれたの。
 パン屋さんの奥から、おっちゃんも出てきてくれたの。
 
「ポチちゃんは何も悪い事をしていないのだから、そんなに落ち込む必要はないわ。お店は大丈夫だから」
「そうだ、こっちは気にするな。それに領主様の所には、別に悪い事をして報告に行くわけじゃないんだろ?」
「うん。孤児院に来たから、よろしくお願いしますって行くんだって」
「なら、全く問題ねえ。領主様はとっても良い人だから、ポチの事を歓迎してくれるぞ」
「それは間違いないわね。領主様はとっても良い人よ。じゃあ、商店街の人にポチちゃんの事を伝えてくるわね」
「おう、任せた」

 マーサさんはもう一度ポチの頭をポンポンと撫でてくれて、お肉屋さんや八百屋さんにポチが明日お手伝いに来ることが出来ないのを説明してくれたの。
 ポチだと上手く説明出来ないかもしれないから助かったなあ。

「ほらね、ちゃんと話せば大丈夫って言ったでしょ?」
「ポチちゃんは心配しすぎだよ」
「そうだね、大丈夫だったよ。ありがとう、ミッケちゃん、リルムちゃん」

 実は明日お休みしたら怒られちゃうんじゃないかって、ミッケちゃんとリルムちゃんに相談したんだ。
 ミッケちゃんとリルムちゃんは大丈夫だよって言ってくれたけど、ポチは心配だったの。
 でも、ミッケちゃんとリルムちゃんのいう通り、全然大丈夫だったよ。

「さあ、ポチちゃんは明日の準備もあるんだから」
「そうだな。今日も頑張ったし、ゆっくり休みな」
「ありがとー!」

 マーサさんとおっちゃんに見送られながら、ミッケちゃんとリルムちゃんと一緒に孤児院への帰り道につきます。
 
「ミッケちゃんとリルムちゃん。領主様に会ったことある?」
「あるよ。ポチちゃんと一緒で孤児院に来た時に挨拶したよ」
「リルムも同じ。リルムが悪魔族でも優しくしてくれたの」
「そうなんだ。ポチも歓迎してくれるといいなあ」

 ミッケちゃんとリルムちゃんも領主様に会ったことがあるらしいけど、皆領主様は良い人って言っているよ。
 ポチも、よろしくお願いしますってちゃんと挨拶しないと。

「ポチちゃんは大丈夫だと思うよ」
「リルムもポチちゃんは大丈夫だと思う」
「えー? 何で?」
「ポチちゃん、お店のお手伝いでもあっという間に皆に受け入れられたし」
「もう、商店街や冒険者の間でも有名だもん」
「そうかな」
「「そうだよ」」

 うーん、ポチはお店のお手伝いを一生懸命頑張っているだけなんだけどな。
 ポチの手を繋ぎながら、ミッケちゃんとリルムちゃんがちょっと笑いながら話しかけてきた。
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