1 / 64
ポチの1話 忠犬ポチ、ご主人様との別れ そして異世界へ
しおりを挟む
「うー、わんわん! (こっちにくるな! りっちゃんに近づくな!)」
「ガルルル……」
「ポチ、危ないよ。こっちに来て」
私はポチ、豆柴の女の子なんだ。
豆柴なのに普通の豆柴よりも更に小さいけど、いつも元気いっぱいです。
ポチはご主人様のりっちゃんといつも一緒で寝る時も一緒なの。
りっちゃんはとっても優しいので、ポチも勿論りっちゃんの事が大好き!
いつもポチの頭を優しく撫でてくれます。
りっちゃんは体が弱いのでいつも車椅子に乗ってるけど、りっちゃんが散歩する時はいつもポチと一緒に近くの公園に行くんだ。
りっちゃんとポチは、近所のおじさんおばさんや他のワンちゃんとも仲良しだから、いつも声をかけてくれてポチの頭を撫でてくれるんだ。
今日はちょっと寒いなあ。
桜ってお花が咲くのがあと一ヶ月ってりっちゃんが言っていたよ。
桜が咲いたらりっちゃんとお花見するんだ。
お花見をすると美味しい物が食べられるから、ポチ楽しみ!
いつもはりっちゃんのお母さんが車椅子を押すんだけど、寒いからって暖かい飲み物を買ってくるんだって。
そうしてポチとりっちゃんだけになったら、突然大きな黒い犬がやってきたんだよ。
いつもは気にしないけど、その黒い犬の目が血走っていたんだよ。
これは危ないと思ったね、ポチの直感だよ。
ポチはりっちゃんの前に立って、黒い犬からりっちゃんを守るんだ!
「ガルルルル……」
「わんわん、わんわん! (こっちにくるな!)」
「ポチ……」
りっちゃんが不安そうにポチの名前を呼ぶけど、ポチは怖くないよ。
こんな犬なんて追い払っちゃうんだから。
「りっちゃん! ポチちゃん!」
「ママ!」
お、りっちゃんのお母さんが気がついてこっちに走ってくる。
りっちゃんも気がついて、りっちゃんのお母さんに向かって叫んでいるよ。
でもポチは黒い犬から目を離さないよ。
黒い犬から目を逸らしたら、ポチの負けなんだ。
「グルルル……ガウ!」
「わんわん! (りっちゃん危ない!)」
「きゃあ!」
突然、黒い犬がりっちゃんに飛びかかろうとしてきたんだよ。
ポチは黒い犬に向かってタックルしたけど、ポチは小さいからあまり効果ない見たい。
でも、りっちゃんからは少し引き離せたぞ。
「ガウ、ガウ!」
「わんわん。(こいつめ、離れろ!)」
「ポチ! ポチ!」
ここからはあまりよく覚えてないなあ。
あの黒い犬に襲われて、夢中でやり返していたっけ。
そこら中引っ掻かれたり、噛まれたりされちゃったんだ。
でもポチだってやられっぱなしじゃないよ。
相手の顔に思いっきり噛みついてやったんだから。
「コラー、ポチちゃんから離れろ!」
「ギャウン」
「ポチ! ポチ!」
りっちゃんのお母さんが投げたお汁粉の缶が、ちょうど黒い犬の頭に当たった見たい。
黒い犬は悲鳴をあげたら、どこかに逃げていっちゃった。
「ポチ! ポチ!」
「ポチちゃん、しっかりして」
うーん、りっちゃんとりっちゃんのお母さんが何か言っているけど、痛みも無くなってだんだん眠くなっちゃった……
すぐ……起きる……から……大丈……夫……だ……よ……
あれ? ここどこだ? 周りが真っ白で何もないぞ。
いつものおうちのベットじゃないぞ。
それにりっちゃんはどこだろう?
ポチの周りにりっちゃんの匂いが全くしないぞ。
「起きましたか? ポチ」
おっと、急に目の前に布見たいな物を着ている女性が現れたぞ。
あなたはだあれ?
「私は神様ですよ」
そういえばりっちゃんが天国には神様がいるって言っていたなあ。
じゃあここは天国?
「ここは迷える魂がくる場所です。貴方が言う天国に近い所ですね」
そうなんだ。
じゃあ、いつになったらポチはりっちゃんのお家に帰れるの?
「ポチ。貴方は主人を守り、その結果死んでしまったのです。残念ながら、元の世界には戻ることが出来ません」
えー、ポチ死んじゃったの? もうりっちゃんに会えないの?
うー、涙がポロポロ出てくるよー。
りっちゃんに会いたいよー。
「泣かないで、ポチ。貴方はとても勇敢な事をしました。本来なら新しい犬として転生するのですが、功績を讃えて新しい世界に転生する事になりました。そこで新しい主人と巡り合えるでしょう」
そうなの?
うーん、でもご主人様はやっぱりりっちゃんがいいなあ。
「大丈夫ですよ。貴方にとって、とっても素晴らしい主人に出会えます。それは約束しましょう」
本当?
りっちゃんに会えないのはちょっと残念だけど、ポチ頑張ろうかな?
そうしたら、またりっちゃんに会えるかな?
「貴方にとってきっと良い世界です。頑張ってくださいね」
神様がそう言って何か呪文のようなものを唱えたら、ポチまた眠くなっちゃった。
次に起きたら、今度は誰に会えるのかな?
「ガルルル……」
「ポチ、危ないよ。こっちに来て」
私はポチ、豆柴の女の子なんだ。
豆柴なのに普通の豆柴よりも更に小さいけど、いつも元気いっぱいです。
ポチはご主人様のりっちゃんといつも一緒で寝る時も一緒なの。
りっちゃんはとっても優しいので、ポチも勿論りっちゃんの事が大好き!
いつもポチの頭を優しく撫でてくれます。
りっちゃんは体が弱いのでいつも車椅子に乗ってるけど、りっちゃんが散歩する時はいつもポチと一緒に近くの公園に行くんだ。
りっちゃんとポチは、近所のおじさんおばさんや他のワンちゃんとも仲良しだから、いつも声をかけてくれてポチの頭を撫でてくれるんだ。
今日はちょっと寒いなあ。
桜ってお花が咲くのがあと一ヶ月ってりっちゃんが言っていたよ。
桜が咲いたらりっちゃんとお花見するんだ。
お花見をすると美味しい物が食べられるから、ポチ楽しみ!
いつもはりっちゃんのお母さんが車椅子を押すんだけど、寒いからって暖かい飲み物を買ってくるんだって。
そうしてポチとりっちゃんだけになったら、突然大きな黒い犬がやってきたんだよ。
いつもは気にしないけど、その黒い犬の目が血走っていたんだよ。
これは危ないと思ったね、ポチの直感だよ。
ポチはりっちゃんの前に立って、黒い犬からりっちゃんを守るんだ!
「ガルルルル……」
「わんわん、わんわん! (こっちにくるな!)」
「ポチ……」
りっちゃんが不安そうにポチの名前を呼ぶけど、ポチは怖くないよ。
こんな犬なんて追い払っちゃうんだから。
「りっちゃん! ポチちゃん!」
「ママ!」
お、りっちゃんのお母さんが気がついてこっちに走ってくる。
りっちゃんも気がついて、りっちゃんのお母さんに向かって叫んでいるよ。
でもポチは黒い犬から目を離さないよ。
黒い犬から目を逸らしたら、ポチの負けなんだ。
「グルルル……ガウ!」
「わんわん! (りっちゃん危ない!)」
「きゃあ!」
突然、黒い犬がりっちゃんに飛びかかろうとしてきたんだよ。
ポチは黒い犬に向かってタックルしたけど、ポチは小さいからあまり効果ない見たい。
でも、りっちゃんからは少し引き離せたぞ。
「ガウ、ガウ!」
「わんわん。(こいつめ、離れろ!)」
「ポチ! ポチ!」
ここからはあまりよく覚えてないなあ。
あの黒い犬に襲われて、夢中でやり返していたっけ。
そこら中引っ掻かれたり、噛まれたりされちゃったんだ。
でもポチだってやられっぱなしじゃないよ。
相手の顔に思いっきり噛みついてやったんだから。
「コラー、ポチちゃんから離れろ!」
「ギャウン」
「ポチ! ポチ!」
りっちゃんのお母さんが投げたお汁粉の缶が、ちょうど黒い犬の頭に当たった見たい。
黒い犬は悲鳴をあげたら、どこかに逃げていっちゃった。
「ポチ! ポチ!」
「ポチちゃん、しっかりして」
うーん、りっちゃんとりっちゃんのお母さんが何か言っているけど、痛みも無くなってだんだん眠くなっちゃった……
すぐ……起きる……から……大丈……夫……だ……よ……
あれ? ここどこだ? 周りが真っ白で何もないぞ。
いつものおうちのベットじゃないぞ。
それにりっちゃんはどこだろう?
ポチの周りにりっちゃんの匂いが全くしないぞ。
「起きましたか? ポチ」
おっと、急に目の前に布見たいな物を着ている女性が現れたぞ。
あなたはだあれ?
「私は神様ですよ」
そういえばりっちゃんが天国には神様がいるって言っていたなあ。
じゃあここは天国?
「ここは迷える魂がくる場所です。貴方が言う天国に近い所ですね」
そうなんだ。
じゃあ、いつになったらポチはりっちゃんのお家に帰れるの?
「ポチ。貴方は主人を守り、その結果死んでしまったのです。残念ながら、元の世界には戻ることが出来ません」
えー、ポチ死んじゃったの? もうりっちゃんに会えないの?
うー、涙がポロポロ出てくるよー。
りっちゃんに会いたいよー。
「泣かないで、ポチ。貴方はとても勇敢な事をしました。本来なら新しい犬として転生するのですが、功績を讃えて新しい世界に転生する事になりました。そこで新しい主人と巡り合えるでしょう」
そうなの?
うーん、でもご主人様はやっぱりりっちゃんがいいなあ。
「大丈夫ですよ。貴方にとって、とっても素晴らしい主人に出会えます。それは約束しましょう」
本当?
りっちゃんに会えないのはちょっと残念だけど、ポチ頑張ろうかな?
そうしたら、またりっちゃんに会えるかな?
「貴方にとってきっと良い世界です。頑張ってくださいね」
神様がそう言って何か呪文のようなものを唱えたら、ポチまた眠くなっちゃった。
次に起きたら、今度は誰に会えるのかな?
58
お気に入りに追加
249
あなたにおすすめの小説

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。

【完結】王女様の暇つぶしに私を巻き込まないでください
むとうみつき
ファンタジー
暇を持て余した王女殿下が、自らの婚約者候補達にゲームの提案。
「勉強しか興味のない、あのガリ勉女を恋に落としなさい!」
それって私のことだよね?!
そんな王女様の話しをうっかり聞いてしまっていた、ガリ勉女シェリル。
でもシェリルには必死で勉強する理由があって…。
長編です。
よろしくお願いします。
カクヨムにも投稿しています。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシャリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

夫婦で異世界に召喚されました。夫とすぐに離婚して、私は人生をやり直します
もぐすけ
ファンタジー
私はサトウエリカ。中学生の息子を持つアラフォーママだ。
子育てがひと段落ついて、結婚生活に嫌気がさしていたところ、夫婦揃って異世界に召喚されてしまった。
私はすぐに夫と離婚し、異世界で第二の人生を楽しむことにした。
婚約破棄してたった今処刑した悪役令嬢が前世の幼馴染兼恋人だと気づいてしまった。
風和ふわ
恋愛
タイトル通り。連載の気分転換に執筆しました。
※なろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、pixivに投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる