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第三章 王都

第百二十八話 謁見後の応接室の様子

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 流石に緊張しっぱなしだったので、肩ひじ張って疲れたなあ。

「「「「ふんふーん」」」」

 緊張など全くしなかったシロ達は、仲良く手を繋いで廊下を歩いています。
 しかし、シロとミケはともかくとして、フェアとレイアも名誉男爵か。
 何だか凄い事になったぞ。

「リンさん、確か名誉爵位は一代限りの爵位ですよね」
「はい。しかし、権限は普通の爵位と同じになります。法衣貴族と同じく、国から年金が支給されます」

 おお、フェアとレイアも国から年金がでるのか。
 あの二人にとっては、お菓子を買うお金が増えたとしか思ってないだろうな。

「オリガさんとマリリさんは、名誉男爵になって仕事とか変わりますか?」
「特に変わりません」
「これからも普通にリン様にお仕えします」

 オリガさんとマリリさんは、基本スタイルは変わらないとの事。
 二人とも優秀だから、個別に仕事がありそうだけどね。
 そんな話をしながら、俺達は応接室に到着です。

 ガチャ。

「いやー、一仕事終えた後のフルーツは最高だなあ」
「本当ね。美味しさが違うね」
「まさにそうですな」

 応接室では、陛下とエステル殿下がフルーツの盛り合わせを食べていた。
 宰相も混じって、美味しそうに食べているぞ。
 さっきまでの威厳のある態度は全く感じられないなぁ。
 王妃様達は、仕方ないって感じです。

「エステルお姉ちゃん、シロもフルーツ食べていい?」
「ミケも!」
「良いよ。どうせなら、皆の分も頼んじゃおう」
「「おおー!」」

 という事で、全員分のフルーツの盛り合わせが用意されて、食べながら謁見の間の話をする事に。

「「うまうま」」
「ウィリアムもコタローも、美味しそうにフルーツを食べていますわね」
「とても可愛いですわね」

 因みに、王太子妃様とメイリ様はウィリアム王子とコタローの世話をする名目で話には参加していません。
 王妃様達もそちらに行っています。
 くそう、俺もそっち側が良かったぞ。

「予定通り、サトーにはオーカス子爵とオーカス男爵の屋敷を与える事になっている。オーカス男爵邸はもう少しかかるが、オーカス子爵邸は今日にも住めるぞ」
「それは有り難いです。ずっとバスク子爵邸にお世話になるのは心苦しいので」

 荷物は殆どないし、忘れたとしてもバスク子爵邸はお隣さんだから直ぐに取りにいけます。

「オーカス男爵邸を引き渡せるのは、大体一ヶ月後だろう。一部の侍従は、先にオーカス子爵邸で働かせるぞ」
「いきなり貴族の生活になるので、ちょっと慣れないですね」
「おいおい慣れていけば良いだろう。気にする事はない」

 もしゃもしゃとフルーツを食べる陛下を見ると、確かに常に気を張らなくても良いだろう。
 気を張る所だけ気をつければ良いよな。

「後は学園生活を楽しめば良いだろう。といっても、直ぐに長期研修になるか」
「因みに、サトーは儂の所で研修する事になっているぞ」
「あの、宰相の所というと?」
「王城の宰相執務室だ。いやあ、有能な部下が欲しいと思っていたんだよ」

 そして、既に俺の長期研修の配属先まで決まっていた。
 あの、俺はまだ学園生活を始めてすらいないんですけど。
 ガックリとする俺の事を、ご愁傷様ですって感じでリンさんが見ていました。
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