123 / 200
第三章 王都
第百二十三話 今度は無料炊き出しの準備
しおりを挟む
俺達は大教会前に移動して、炊き出しの準備を手伝う事になりました。
とはいっても、食材の準備は王妃様達のお付きの侍従によって大体できていました。
「お母さん、私は試食係?」
「バカ言いなさい。調理と配膳係よ」
「あたっ、うう、ちょっとしたお茶目ジョークなのに」
「あなたの場合は、ジョークに聞こえませんから」
「お母さん、酷い!」
またもや、フローラ様とエステル殿下の親子漫才が繰り広げられています。
まあ既に多くの人が並んでいるし、追加食材は必要だろう。
と、ここでフローラ殿下がエステル殿下にとある質問をしてきた。
「エステル、旅の間は誰が料理をしていたの?」
「え? サトーとマリリさんだよ」
「ふーん、よく聞こえなかったわ。誰が料理していたの?」
「さ、サトーとマリリさん、あたた!」
「何故いつもあなたは食べる専門なの!」
「あたた、割れる、頭が割れる!」
「「おおー」」
エステル殿下がどストレートに回答したので、フローラ様のアイアンクローがエステル殿下に炸裂していた。
フェアとレイアは、綺麗に決まっているフローラ様のアイアンクローを見て拍手を送っていた。
確かに旅の食事は俺かマリリさんが作っていたよなあ。
因みに今日は、オリガさんとマリリさんも屋敷にいるので調理の手が俺だけです。
「さ、サトーさん、今日は私も料理を手伝いますから」
「私も料理はできますよ」
「料理はお任せ下さい」
「あれ? もしかして私だけ仲間はずれ?」
「そういう事じゃ、エステルお姉様は配膳担当じゃな」
フローラ様からの被害を受けない為に、リンさんとヘレーネさんとフローレンスさんに加えてビアンカ殿下まで俺の所にやってきた。
まあ、エステル殿下の事は置いといて、調理を始めるとするか。
トントントン。
「あうー」
「コタロー、お腹すいたか?」
「あうー」
トントントン。
「あうあう」
「料理を作り終えたら、一緒に食べような」
「あう!」
俺はコタローをおんぶ紐でおんぶしながら、炊き出し用の料理を作っています。
コタローもミルクの時間なので、そろそろ準備しないといけないぞ。
背中越しにコタローと話をしていたら、ニヤニヤと茶化す人物が。
「サトー、何だかお母さんみたい、あた!」
「エステル、コタローちゃんにとって、サトーはお父さんでありお母さんでもあるのよ」
「ちょ、ちょっとしたジョークよ」
「ジョークを言っていないで、さっさと並んでいる人に配膳しなさい」
エステル殿下、何故学習しないのですか?
この状況でジョークを言えば、フローラ様からの鉄槌が下されるのに。
エステル殿下は叩かれた頭を押さえながら、シロとミケと共に配膳スペースに移動します。
因みに、スライム軍団は配膳スペースで並んでいる人に作った料理を配っていたけど流石にフェアとレイアは小さいので、俺の側でリーフ達と遊んでいました。
トントントン。
「しかし、リンさんもヘレーネさんもフローレンスさんも包丁さばきが上手ですね」
「元々料理の勉強はしていましたので、簡単な物でしたら作れますよ」
「私も同じです。フローレンスさんの様に上手ではないですが」
「私は料理が趣味みたいですから。ビアンカ殿下は本当に何でもそつなくこなしますわ」
「妾も料理は嫌いではないぞ。まあ、サトーには負けるがな」
エステル殿下以外の女性陣は、普通に包丁を使っています。
フローレンスさんは物凄い包丁さばきなので、料理人にもなれそうな気がします。
さて、炊き出しの調理もあと少し、ここからは配膳班にお任せしよう。
「ちゅっちゅっちゅっ」
「お腹空いていたんですね」
「可愛いですね。一生懸命飲んでいますわ」
調理も終わったので、俺はコタローにミルクをあげています。
同じく調理を終えたヘレーネさんとフローレンスさんも、俺の両側に座ってコタローがミルクを飲むのを見ています。
「あなた達も、その内自分の赤ん坊にミルクをあげる事になるのよ」
「赤ちゃんの世話をする良い機会ですから、次の機会にはあなた達からコタローにミルクを飲ませてあげてね」
「幸いにしてコタローはあなた達に懐いているから、恐らく大丈夫でしょう」
「「はい」」
王妃様とフローラ様とライラック様は、母親としてヘレーネさんとフローレンスさんに話をしていた。
ヘレーネさんは婚約者がいることだし、早めに赤ちゃんのお世話をするかもしれないな。
因みに、リンさんはコタローにミルクを飲ませた経験があります。
「はあ、疲れたよ。人がいっぱい並んでいたよ」
「お兄ちゃん、疲れたよ」
「撫で撫でして、お兄ちゃん」
「はいはい、よく頑張りましたよ」
そして配膳を終えたエステル殿下とシロとミケが俺の所にやってきたので、俺は三人の頭をナデナデしてやった。
そんな俺の姿を見て、ビアンカ殿下が一言。
「サトーに甘える大きい赤ん坊がいるのう」
「ビアンカちゃん、余計な事を言わないの!」
「あうー?」
元祖赤ちゃんのコタローも、プリプリしているエステル殿下を不思議そうに見上げていた。
確かにエステル殿下は、手のかかる大きな赤ちゃんって感じがするなあ。
こうして、謁見前日の教会のイベントは終了です。
何だか一日疲れたなあ。
とはいっても、食材の準備は王妃様達のお付きの侍従によって大体できていました。
「お母さん、私は試食係?」
「バカ言いなさい。調理と配膳係よ」
「あたっ、うう、ちょっとしたお茶目ジョークなのに」
「あなたの場合は、ジョークに聞こえませんから」
「お母さん、酷い!」
またもや、フローラ様とエステル殿下の親子漫才が繰り広げられています。
まあ既に多くの人が並んでいるし、追加食材は必要だろう。
と、ここでフローラ殿下がエステル殿下にとある質問をしてきた。
「エステル、旅の間は誰が料理をしていたの?」
「え? サトーとマリリさんだよ」
「ふーん、よく聞こえなかったわ。誰が料理していたの?」
「さ、サトーとマリリさん、あたた!」
「何故いつもあなたは食べる専門なの!」
「あたた、割れる、頭が割れる!」
「「おおー」」
エステル殿下がどストレートに回答したので、フローラ様のアイアンクローがエステル殿下に炸裂していた。
フェアとレイアは、綺麗に決まっているフローラ様のアイアンクローを見て拍手を送っていた。
確かに旅の食事は俺かマリリさんが作っていたよなあ。
因みに今日は、オリガさんとマリリさんも屋敷にいるので調理の手が俺だけです。
「さ、サトーさん、今日は私も料理を手伝いますから」
「私も料理はできますよ」
「料理はお任せ下さい」
「あれ? もしかして私だけ仲間はずれ?」
「そういう事じゃ、エステルお姉様は配膳担当じゃな」
フローラ様からの被害を受けない為に、リンさんとヘレーネさんとフローレンスさんに加えてビアンカ殿下まで俺の所にやってきた。
まあ、エステル殿下の事は置いといて、調理を始めるとするか。
トントントン。
「あうー」
「コタロー、お腹すいたか?」
「あうー」
トントントン。
「あうあう」
「料理を作り終えたら、一緒に食べような」
「あう!」
俺はコタローをおんぶ紐でおんぶしながら、炊き出し用の料理を作っています。
コタローもミルクの時間なので、そろそろ準備しないといけないぞ。
背中越しにコタローと話をしていたら、ニヤニヤと茶化す人物が。
「サトー、何だかお母さんみたい、あた!」
「エステル、コタローちゃんにとって、サトーはお父さんでありお母さんでもあるのよ」
「ちょ、ちょっとしたジョークよ」
「ジョークを言っていないで、さっさと並んでいる人に配膳しなさい」
エステル殿下、何故学習しないのですか?
この状況でジョークを言えば、フローラ様からの鉄槌が下されるのに。
エステル殿下は叩かれた頭を押さえながら、シロとミケと共に配膳スペースに移動します。
因みに、スライム軍団は配膳スペースで並んでいる人に作った料理を配っていたけど流石にフェアとレイアは小さいので、俺の側でリーフ達と遊んでいました。
トントントン。
「しかし、リンさんもヘレーネさんもフローレンスさんも包丁さばきが上手ですね」
「元々料理の勉強はしていましたので、簡単な物でしたら作れますよ」
「私も同じです。フローレンスさんの様に上手ではないですが」
「私は料理が趣味みたいですから。ビアンカ殿下は本当に何でもそつなくこなしますわ」
「妾も料理は嫌いではないぞ。まあ、サトーには負けるがな」
エステル殿下以外の女性陣は、普通に包丁を使っています。
フローレンスさんは物凄い包丁さばきなので、料理人にもなれそうな気がします。
さて、炊き出しの調理もあと少し、ここからは配膳班にお任せしよう。
「ちゅっちゅっちゅっ」
「お腹空いていたんですね」
「可愛いですね。一生懸命飲んでいますわ」
調理も終わったので、俺はコタローにミルクをあげています。
同じく調理を終えたヘレーネさんとフローレンスさんも、俺の両側に座ってコタローがミルクを飲むのを見ています。
「あなた達も、その内自分の赤ん坊にミルクをあげる事になるのよ」
「赤ちゃんの世話をする良い機会ですから、次の機会にはあなた達からコタローにミルクを飲ませてあげてね」
「幸いにしてコタローはあなた達に懐いているから、恐らく大丈夫でしょう」
「「はい」」
王妃様とフローラ様とライラック様は、母親としてヘレーネさんとフローレンスさんに話をしていた。
ヘレーネさんは婚約者がいることだし、早めに赤ちゃんのお世話をするかもしれないな。
因みに、リンさんはコタローにミルクを飲ませた経験があります。
「はあ、疲れたよ。人がいっぱい並んでいたよ」
「お兄ちゃん、疲れたよ」
「撫で撫でして、お兄ちゃん」
「はいはい、よく頑張りましたよ」
そして配膳を終えたエステル殿下とシロとミケが俺の所にやってきたので、俺は三人の頭をナデナデしてやった。
そんな俺の姿を見て、ビアンカ殿下が一言。
「サトーに甘える大きい赤ん坊がいるのう」
「ビアンカちゃん、余計な事を言わないの!」
「あうー?」
元祖赤ちゃんのコタローも、プリプリしているエステル殿下を不思議そうに見上げていた。
確かにエステル殿下は、手のかかる大きな赤ちゃんって感じがするなあ。
こうして、謁見前日の教会のイベントは終了です。
何だか一日疲れたなあ。
80
お気に入りに追加
383
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
変人奇人喜んで!!貴族転生〜面倒な貴族にはなりたくない!〜
赤井水
ファンタジー
クロス伯爵家に生まれたケビン・クロス。
神に会った記憶も無く、前世で何故死んだのかもよく分からないが転生した事はわかっていた。
洗礼式で初めて神と話よく分からないが転生させて貰ったのは理解することに。
彼は喜んだ。
この世界で魔法を扱える事に。
同い歳の腹違いの兄を持ち、必死に嫡男から逃れ貴族にならない為なら努力を惜しまない。
理由は簡単だ、魔法が研究出来ないから。
その為には彼は変人と言われようが奇人と言われようが構わない。
ケビンは優秀というレッテルや女性という地雷を踏まぬ様に必死に生活して行くのであった。
ダンス?腹芸?んなもん勉強する位なら魔法を勉強するわ!!と。
「絶対に貴族にはならない!うぉぉぉぉ」
今日も魔法を使います。
※作者嬉し泣きの情報
3/21 11:00
ファンタジー・SFでランキング5位(24hptランキング)
有名作品のすぐ下に自分の作品の名前があるのは不思議な感覚です。
3/21
HOT男性向けランキングで2位に入れました。
TOP10入り!!
4/7
お気に入り登録者様の人数が3000人行きました。
応援ありがとうございます。
皆様のおかげです。
これからも上がる様に頑張ります。
※お気に入り登録者数減り続けてる……がむばるOrz
〜第15回ファンタジー大賞〜
67位でした!!
皆様のおかげですこう言った結果になりました。
5万Ptも貰えたことに感謝します!
改稿中……( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )☁︎︎⋆。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
亡霊剣士の肉体強奪リベンジ!~倒した敵の身体を乗っ取って、最強へと到る物語。
円城寺正市
ファンタジー
勇者が行方不明になって数年。
魔物が勢力圏を拡大し、滅亡の危機に瀕する国、ソルブルグ王国。
洞窟の中で目覚めた主人公は、自分が亡霊になっていることに気が付いた。
身動きもとれず、記憶も無い。
ある日、身動きできない彼の前に、ゴブリンの群れに追いかけられてエルフの少女が転がり込んできた。
亡霊を見つけたエルフの少女ミーシャは、死体に乗り移る方法を教え、身体を得た彼は、圧倒的な剣技を披露して、ゴブリンの群れを撃退した。
そして、「旅の目的は言えない」というミーシャに同行することになった亡霊は、次々に倒した敵の身体に乗り換えながら、復讐すべき相手へと辿り着く。
※この作品は「小説家になろう」からの転載です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る(旧題|剣は光より速い-社畜異世界転生)
丁鹿イノ
ファンタジー
【ファンタジア文庫にて1巻発売中!】
深夜の職場で人生を終えた青桐 恒(25)は、気づいたらファンタジーな異世界に転生していた。
前世の社畜人生のお陰で圧倒的な精神力を持ち、生後から持ち前の社畜精神で頑張りすぎて魔力と気力を異常に成長させてしまう。
そのうち元Sクラス冒険者である両親も自重しなくなり、魔術と剣術もとんでもないことに……
異世界に転生しても働くのをやめられない!
剣と魔術が存在するファンタジーな異世界で持ち前の社畜精神で努力を積み重ね成り上がっていく、成長物語。
■カクヨムでも連載中です■
本作品をお読みいただき、また多く感想をいただき、誠にありがとうございます。
中々お返しできておりませんが、お寄せいただいたコメントは全て拝見し、執筆の糧にしています。
いつもありがとうございます。
◆
書籍化に伴いタイトルが変更となりました。
剣は光より速い - 社畜異世界転生 ~社畜は異世界でも無休で最強へ至る~
↓
転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
病弱な僕は病院で息を引き取った
お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった
そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した
魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる