108 / 143
第三章 王都
第百八話 ケーキを頬張る高貴な男性
しおりを挟む
昼食後は王妃様とのお茶会なのだが、ここでちょっとしたトラブルが発生。
「「すー、すー」」
「寝ちゃったね」
「そうだね」
コタローとウィリアムちゃんが、お腹いっぱいになっておむつを替えて貰ったらお互いにスヤスヤと眠ってしまったのだ。
そして、コタローはライラック様に抱っこされている。
勿論、ウィリアムちゃんは王太子妃様に抱っこされています。
「赤ちゃんだもの。こればかりはしょうがないわね」
「私がコタローちゃんを抱っこして連れて行くわね」
「申し訳ありません、フローラ様、ライラック様」
コタローはまだまだ赤ちゃんだからしょうがないとはいえ、これからどうしようかなと想っていたらフローラ様とライラック様がコタローを抱っこして連れて行ってくれるという。
エステル殿下のドレスへの着替えは少し時間がかかるというので、俺達は先にお茶会が開かれるという応接室に向かいます。
コンコン。
「失礼します。皆様が到着されました」
「おう、入ってくれ」
あれ?
俺達を先導してくれた侍従がお茶会の会場となる応接室のドアをノックしたら、何故か応接室の中から男性の声がしてきた。
俺は勿論の事、俺と手を繋いでいたフェアとレイアも男性の声にはてなとなった。
一方のフローラ様とライラック様に加えて、リンさん達と王太子妃様はあちゃーって顔をしていた。
この反応を見るに、どうやら応接室から声をかけてきた男性の事を知っている様だ。
とりあえず、応接室の中に入ろう。
かちゃ。
「おお、待っていたぞ」
「「待っていたぞ、お兄ちゃん」」
「あはは……」
応接室には、予想外の人達がソファーに座っていた。
先ずは街の巡回に同行していたはずのシロとミケが、従魔達と共にケーキを美味しそうに頬張っていた。
そして謎の高貴そうな男性が個人用の椅子に座っていて、シロとミケと従魔達と共にケーキを頬張っている。
そんなケーキを食べている人々を、ドレスアップしたビアンカ殿下とビアンカ殿下の従魔であるフランソワが呆れた目で見ていた。
うん、何がなんだかさっぱり分からないぞ。
とりあえず、一番事情を知っていそうなビアンカ殿下に話を聞いてみよう。
「ビアンカ殿下、これは一旦何が起きているのですか?」
「はあ、流石のサトーも困惑するよな。簡単に説明しよう」
「お願いします」
ビアンカ殿下が溜息を漏らしながら、応接室にいる人達の事を教えてくれた。
「妾は元々この後のお茶会に参加予定じゃ。そうしたら、巡回に行っておったシロとミケが王城に戻ってきたので、そのまま応接室に招待したのじゃ。沢山の不審者を捕まえたと言う事で、妾が皆に褒美と言う事でケーキを出す様にしたのじゃ」
「お兄ちゃん、沢山の怪しい人を捕まえたよ!」
「軍務卿も喜んでいたよ!」
ここまでの話を聞く限り、ビアンカ殿下とシロとミケ達がこの応接室にいるのは予定通りの様だ。
シロとミケもちゃんと巡回を終えている様だし、何よりも最近従魔のリーダー格になってきたホワイトがうんうんと頷いているから間違いないだろう。
するとビアンカ殿下は、ちょっと怒った表情で高貴そうな男性の事を睨みつけていた。
「妾もケーキを食べようと思ったら、突然応接室に父上が入ってきてな。妾の分のケーキを食べ始めたのじゃ」
「ははは、美味しい匂いを見つけたのでな。応接室に入ったら、ケーキがあったのだ」
「父上! 妾がちょっと部屋を出ている隙に、楽しみにしていたケーキを食べるとは!」
あー、なるほど。
ビアンカ殿下が怒っている理由が良く分かった。
応接室からちょっと出ていた隙に、楽しみにしていたケーキを父親に食べられたのか。
あと、ビアンカ殿下の父親って言う事は、この高貴そうな男性の正体ってあれだよな。
「「すー、すー」」
「寝ちゃったね」
「そうだね」
コタローとウィリアムちゃんが、お腹いっぱいになっておむつを替えて貰ったらお互いにスヤスヤと眠ってしまったのだ。
そして、コタローはライラック様に抱っこされている。
勿論、ウィリアムちゃんは王太子妃様に抱っこされています。
「赤ちゃんだもの。こればかりはしょうがないわね」
「私がコタローちゃんを抱っこして連れて行くわね」
「申し訳ありません、フローラ様、ライラック様」
コタローはまだまだ赤ちゃんだからしょうがないとはいえ、これからどうしようかなと想っていたらフローラ様とライラック様がコタローを抱っこして連れて行ってくれるという。
エステル殿下のドレスへの着替えは少し時間がかかるというので、俺達は先にお茶会が開かれるという応接室に向かいます。
コンコン。
「失礼します。皆様が到着されました」
「おう、入ってくれ」
あれ?
俺達を先導してくれた侍従がお茶会の会場となる応接室のドアをノックしたら、何故か応接室の中から男性の声がしてきた。
俺は勿論の事、俺と手を繋いでいたフェアとレイアも男性の声にはてなとなった。
一方のフローラ様とライラック様に加えて、リンさん達と王太子妃様はあちゃーって顔をしていた。
この反応を見るに、どうやら応接室から声をかけてきた男性の事を知っている様だ。
とりあえず、応接室の中に入ろう。
かちゃ。
「おお、待っていたぞ」
「「待っていたぞ、お兄ちゃん」」
「あはは……」
応接室には、予想外の人達がソファーに座っていた。
先ずは街の巡回に同行していたはずのシロとミケが、従魔達と共にケーキを美味しそうに頬張っていた。
そして謎の高貴そうな男性が個人用の椅子に座っていて、シロとミケと従魔達と共にケーキを頬張っている。
そんなケーキを食べている人々を、ドレスアップしたビアンカ殿下とビアンカ殿下の従魔であるフランソワが呆れた目で見ていた。
うん、何がなんだかさっぱり分からないぞ。
とりあえず、一番事情を知っていそうなビアンカ殿下に話を聞いてみよう。
「ビアンカ殿下、これは一旦何が起きているのですか?」
「はあ、流石のサトーも困惑するよな。簡単に説明しよう」
「お願いします」
ビアンカ殿下が溜息を漏らしながら、応接室にいる人達の事を教えてくれた。
「妾は元々この後のお茶会に参加予定じゃ。そうしたら、巡回に行っておったシロとミケが王城に戻ってきたので、そのまま応接室に招待したのじゃ。沢山の不審者を捕まえたと言う事で、妾が皆に褒美と言う事でケーキを出す様にしたのじゃ」
「お兄ちゃん、沢山の怪しい人を捕まえたよ!」
「軍務卿も喜んでいたよ!」
ここまでの話を聞く限り、ビアンカ殿下とシロとミケ達がこの応接室にいるのは予定通りの様だ。
シロとミケもちゃんと巡回を終えている様だし、何よりも最近従魔のリーダー格になってきたホワイトがうんうんと頷いているから間違いないだろう。
するとビアンカ殿下は、ちょっと怒った表情で高貴そうな男性の事を睨みつけていた。
「妾もケーキを食べようと思ったら、突然応接室に父上が入ってきてな。妾の分のケーキを食べ始めたのじゃ」
「ははは、美味しい匂いを見つけたのでな。応接室に入ったら、ケーキがあったのだ」
「父上! 妾がちょっと部屋を出ている隙に、楽しみにしていたケーキを食べるとは!」
あー、なるほど。
ビアンカ殿下が怒っている理由が良く分かった。
応接室からちょっと出ていた隙に、楽しみにしていたケーキを父親に食べられたのか。
あと、ビアンカ殿下の父親って言う事は、この高貴そうな男性の正体ってあれだよな。
68
お気に入りに追加
366
あなたにおすすめの小説
異世界まったり冒険記~魔法創造で快適無双~
南郷 聖
ファンタジー
普通の学校に通う普通のオタクな高校生「坂本 匠」16歳は童貞だ。
将来の夢は可愛い女の子と付き合ってあんなことやこんなことをすること。
しかしその夢は、放火の魔の手によってもろくも崩れ去る。
焼死した匠の目の前に現れたのは、ナイスバディな女神様。
その女神様の計らいで異世界に転生することになった主人公。
次の人生では女の子にモテるような人生を歩むことを心に誓い、転生を決意する。
果たして匠は異世界で童貞を捨てることはできるのか!?
異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。
みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・
神獣転生のはずが半神半人になれたので世界を歩き回って第二人生を楽しみます~
御峰。
ファンタジー
不遇な職場で働いていた神楽湊はリフレッシュのため山に登ったのだが、石に躓いてしまい転げ落ちて異世界転生を果たす事となった。
異世界転生を果たした神楽湊だったが…………朱雀の卵!? どうやら神獣に生まれ変わったようだ……。
前世で人だった記憶があり、新しい人生も人として行きたいと願った湊は、進化の選択肢から『半神半人(デミゴット)』を選択する。
神獣朱雀エインフェリアの息子として生まれた湊は、名前アルマを与えられ、妹クレアと弟ルークとともに育つ事となる。
朱雀との生活を楽しんでいたアルマだったが、母エインフェリアの死と「世界を見て回ってほしい」という頼みにより、妹弟と共に旅に出る事を決意する。
そうしてアルマは新しい第二の人生を歩き始めたのである。
究極スキル『道しるべ』を使い、地図を埋めつつ、色んな種族の街に行っては美味しいモノを食べたり、時には自然から採れたての素材で料理をしたりと自由を満喫しながらも、色んな事件に巻き込まれていくのであった。
田舎で師匠にボコされ続けた結果、気づいたら世界最強になっていました
七星点灯
ファンタジー
俺は屋上から飛び降りた。いつからか始まった、凄惨たるイジメの被害者だったから。
天国でゆっくり休もう。そう思って飛び降りたのだが──
俺は赤子に転生した。そしてとあるお爺さんに拾われるのだった。
──数年後
自由に動けるようになった俺に対して、お爺さんは『指導』を行うようになる。
それは過酷で、辛くて、もしかしたらイジメられていた頃の方が楽だったかもと思ってしまうくらい。
だけど、俺は強くなりたかった。
イジメられて、それに負けて自殺した自分を変えたかった。
だから死にたくなっても踏ん張った。
俺は次第に、拾ってくれたおじいさんのことを『師匠』と呼ぶようになり、厳しい指導にも喰らいつけるようになってゆく。
ドラゴンとの戦いや、クロコダイルとの戦いは日常茶飯事だった。
──更に数年後
師匠は死んだ。寿命だった。
結局俺は、師匠が生きているうちに、師匠に勝つことができなかった。
師匠は最後に、こんな言葉を遺した。
「──外の世界には、ワシより強い奴がうじゃうじゃいる。どれ、ワシが居なくなっても、お前はまだまだ強くなれるぞ」
俺はまだ、強くなれる!
外の世界には、師匠よりも強い人がうじゃうじゃいる!
──俺はその言葉を聞いて、外の世界へ出る決意を固めた。
だけど、この時の俺は知らなかった。
まさか師匠が、『かつて最強と呼ばれた冒険者』だったなんて。
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
前世の記憶で異世界を発展させます!~のんびり開発で世界最強~
櫻木零
ファンタジー
20XX年。特にこれといった長所もない主人公『朝比奈陽翔』は二人の幼なじみと充実した毎日をおくっていた。しかしある日、朝起きてみるとそこは異世界だった!?異世界アリストタパスでは陽翔はグランと名付けられ、生活をおくっていた。陽翔として住んでいた日本より生活水準が低く、人々は充実した生活をおくっていたが元の日本の暮らしを知っている陽翔は耐えられなかった。「生活水準が低いなら前世の知識で発展させよう!」グランは異世界にはなかったものをチートともいえる能力をつかい世に送り出していく。そんなこの物語はまあまあ地頭のいい少年グランの異世界建国?冒険譚である。小説家になろう様、カクヨム様、ノベマ様、ツギクル様でも掲載させていただいております。そちらもよろしくお願いします。
これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅
聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる