異世界に転生したら、いきなり面倒ごとに巻き込まれた！ 〜仲間と一緒に難題を解決します！〜

第三章 王都

第百七話 賑やかな昼食

「いやー、サトーとリンちゃんが来てくれたから、レポートの続きを書く事が出来たよー」

　ぽか。

「エステル、レポート位一人で書けるようになりなさい！」
「あた！　うぅ、だって頭を使って文章を書くのは苦手なんだもん！」
「ピィ……」
「「あはは……」」
「「もぐもぐ」」

　王族専用の食堂にて、エステル殿下がフローラ様に怒られています。
　エステル殿下とフローラ様の親子漫才を眺めながら、俺とリンさんに加えてエステル殿下の従魔であるショコラまで苦笑しています。
　俺達はエステル殿下のレポートを手伝い終えたら昼食だというので、フローラ様とライラック様から食事に誘われました。
　簡単な物で申し訳ないとフローラ様に言われたけど、俺にとってはかなりのご馳走です。
　そんな俺達の事を気にせずに、フェアとレイアはご飯を食べています。
　俺はエステル殿下とフローラ様のやり取りを見つつ、フェアとレイアの口元の汚れをナプキンで拭っています。
　因みにアルス殿下は仕事があるらしいので、別に食事を取るそうです。

「「もぐもぐ」」
「二人とも、美味しそうにご飯を食べていますわね」
「そうですわね。沢山食べていますわね」

　実はコタローは俺達よりも一足先に、同じ位の赤ちゃんと共に美味しそうな離乳食を食べています。
　そして、コタローの側にはライラック様の他に豪華なドレスを着た若い女性が椅子に座ってコタローと赤ちゃんに離乳食を食べさせています。
　実はこの女性はエステル殿下のお兄様である王太子様の奥様で、赤ちゃんは王太子様と王太子妃様のお子様です。
　王太子妃様はアン様で、お子様はウィリアムちゃんです。
　ライラック様から王太子妃様とウィリアムちゃんを紹介された時は、俺もかなり驚いたな。
　流石に赤ちゃん同士だから分からないけど、コタローも凄い人と同席しているぞ。
　
「あ。エステル、午後は王妃様がサトーとリンをお茶会に誘うらしいわ。貴方も呼ばれているから、キチンとドレスアップするのよ」
「えー、今の服装の方が楽だよ」
「他の人も来るのよ。キチンとしなさい！」

　エステル殿下とフローラ様は、食事を食べながらまたもや親子漫才みたいな会話をしている。
　というか、王妃さまとお茶会なんて初めて聞きましたが。
　俺は思わずリンさんの方を向いたけど、リンさんも首を横に振っていた。
　とはいえ、俺達を招待するのは王妃様なので、俺達に拒否権は無いだろうな。
　そんなこんなで、賑やかな昼食は終了です。