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第三章 王都
第九十九話 フローラ様がバスク子爵邸に来た理由
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お互いに自己紹介も終わったので、ここで改めてフローラ様から話があった。
「実は、今日私がバスク子爵家に来たのは二つ用事があったからなのよ」
「用事、ですか?」
「そう、一つ目はサトーの事よ」
フローラ様がバスク子爵家の屋敷にいらした理由の一つが俺の事?
すると、フローラ様が侍従に合図をして、侍従が俺達の所にやってきた。
「先ずは、サトー達の体の採寸を行うわ。謁見するにはそれなりの服装が必要なのよ。娘がお世話になったから、服は私がプレゼントするわ」
「「「おー!」」」
「フローラ様、申し訳ありません。ありがたく頂きます」
フローラ様からの申し出なので、ここはありがたく受け取る事にしよう。
というか、俺達全員の服を用意して頂けるなんて。
侍従がとんでもない速度で採寸していく中、フローラ様が話を続けた。
「後は、バスク子爵領でサトーが鹵獲した闇組織だった物を預かりたいの。明日使いを寄越すから、王城に来てくれるかしら。服はいつもの物で構わないわ」
「分かりました。私も、アイテムボックスに魔物化した闇組織幹部の死骸を入れておくのは中々気が引けますので」
「そうね、私もサトーの気持ちは分かるわ。あんな物を身近に置いておきたくないわね」
嫌そうな顔をしながら、僕の話にフローラ様が返してくれた。
何にせよ、これで俺達の明日の予定が確定した事になる。
そして侍従による俺達の体の採寸が終わり、席に戻った所でフローラ様は話を再開した。
「そして、私がここに来たもう一つの理由が、エステル、あなたの事よ」
「私の事?」
フローラ様はエステル殿下にそう言うと、バッグの中からとある紙を取り出した。
あの紙は、もしかしたらバスク子爵領でリンさんが何やら書き込んでいた物ではないかな?
エステル殿下の顔を見ると、顔が真っ青になって汗がダクダクになっていた。
「学年が変わるから、教職員が教室内の机の中を確認していたそうよ。そうしたら、あなたの机からレポートが出てきたそうよ。わざわざ学園の関係者が、王城に届けてくれたわ」
「あ、うぅ……」
あの、エステル殿下。
またもやレポート絡みで学園から王城に届け物があったのですか。
そりゃ母親からそんな話を聞かされたら、エステル殿下は顔が真っ青になるだろうな。
ビアンカ殿下がやれやれって表情だったし、リンさんもたははって顔になっていた。
「リン、このレポートはいつ提出する物ですか?」
「あ、はい。新学期になった際に提出します」
「因みに、リンはレポートはどうなっていますか?」
「バスク子爵領にいる間に書き終えております」
「そう、ありがとうね」
フローラ様は、リンさんにニコリとして話を終えていた。
するとフローラ様は、エステル殿下にもニコリとした。
うん、表情はニコリとしているが、フローラ様の背後に炎がメラメラと燃えているのが見えるぞ。
フローラ様の迫力に、シロとミケだけでなくフェアとレイアも思わず僕に抱きついてきた。
「エステル」
「はい、お母様」
「王城に帰ったら、直ぐにレポートを書きましょうね」
「……はい」
もはやエステル殿下に拒否権はなかった。
フローラ様の笑顔の迫力に、エステル殿下は黙って頷くしかなかった。
「実は、今日私がバスク子爵家に来たのは二つ用事があったからなのよ」
「用事、ですか?」
「そう、一つ目はサトーの事よ」
フローラ様がバスク子爵家の屋敷にいらした理由の一つが俺の事?
すると、フローラ様が侍従に合図をして、侍従が俺達の所にやってきた。
「先ずは、サトー達の体の採寸を行うわ。謁見するにはそれなりの服装が必要なのよ。娘がお世話になったから、服は私がプレゼントするわ」
「「「おー!」」」
「フローラ様、申し訳ありません。ありがたく頂きます」
フローラ様からの申し出なので、ここはありがたく受け取る事にしよう。
というか、俺達全員の服を用意して頂けるなんて。
侍従がとんでもない速度で採寸していく中、フローラ様が話を続けた。
「後は、バスク子爵領でサトーが鹵獲した闇組織だった物を預かりたいの。明日使いを寄越すから、王城に来てくれるかしら。服はいつもの物で構わないわ」
「分かりました。私も、アイテムボックスに魔物化した闇組織幹部の死骸を入れておくのは中々気が引けますので」
「そうね、私もサトーの気持ちは分かるわ。あんな物を身近に置いておきたくないわね」
嫌そうな顔をしながら、僕の話にフローラ様が返してくれた。
何にせよ、これで俺達の明日の予定が確定した事になる。
そして侍従による俺達の体の採寸が終わり、席に戻った所でフローラ様は話を再開した。
「そして、私がここに来たもう一つの理由が、エステル、あなたの事よ」
「私の事?」
フローラ様はエステル殿下にそう言うと、バッグの中からとある紙を取り出した。
あの紙は、もしかしたらバスク子爵領でリンさんが何やら書き込んでいた物ではないかな?
エステル殿下の顔を見ると、顔が真っ青になって汗がダクダクになっていた。
「学年が変わるから、教職員が教室内の机の中を確認していたそうよ。そうしたら、あなたの机からレポートが出てきたそうよ。わざわざ学園の関係者が、王城に届けてくれたわ」
「あ、うぅ……」
あの、エステル殿下。
またもやレポート絡みで学園から王城に届け物があったのですか。
そりゃ母親からそんな話を聞かされたら、エステル殿下は顔が真っ青になるだろうな。
ビアンカ殿下がやれやれって表情だったし、リンさんもたははって顔になっていた。
「リン、このレポートはいつ提出する物ですか?」
「あ、はい。新学期になった際に提出します」
「因みに、リンはレポートはどうなっていますか?」
「バスク子爵領にいる間に書き終えております」
「そう、ありがとうね」
フローラ様は、リンさんにニコリとして話を終えていた。
するとフローラ様は、エステル殿下にもニコリとした。
うん、表情はニコリとしているが、フローラ様の背後に炎がメラメラと燃えているのが見えるぞ。
フローラ様の迫力に、シロとミケだけでなくフェアとレイアも思わず僕に抱きついてきた。
「エステル」
「はい、お母様」
「王城に帰ったら、直ぐにレポートを書きましょうね」
「……はい」
もはやエステル殿下に拒否権はなかった。
フローラ様の笑顔の迫力に、エステル殿下は黙って頷くしかなかった。
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