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第二章 バスク子爵領
第五十九話 ゆったりとした道中
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馬車は防壁の門のチェックを抜け、バルガス公爵領からバスク子爵領へ通じる街道に入ります。
「「のどかだね」」
シロとミケが馬車の前の方に体を乗り出して、外の景色を見ています。
街道の周りには、畑などが広がっています。
今は冬なので、冬麦が畑に植えられています。
ほうれん草とかも植えられていて、ここは農家が多いのか。
「バルガス公爵領から街道に出ると、暫くは農村が広がります。大消費地に近いので、周辺の領地は農業が盛んですよ」
「「へえ、そうなんだ」」
御者をしているオリガさんが、シロとミケに街道の周辺について説明していた。
王都にも近いし、大きな領地もある。
食料品の消費は良いだろう。
ごそごそ、もぐもぐ。
ごそごそ、もぐもぐ。
「王都にも沢山野菜が供給されているんだよ。私は野菜も食べるけど、やっぱりお肉がいいかな。お菓子は別腹だけどね」
「あはは……」
エステル殿下はクッションに寄りかかり、食糧事情に自分の欲望を混ぜて説明しながら購入したお菓子をボリボリと食べている。
だらけているエステル殿下を見て、思わずリンさんが苦笑していた。
きっと、学園でもエステル殿下はこんな感じなのだろう。
王族なのに本当に自由人だな。
「むにゃむにゃ」
因みに、リーフはスライム達と共にカゴを改造した寝る所でお昼寝しています。
タラちゃんとフランソワにホワイトもリーフとスライム達と寝ているが、スライム達が良いクッションになっている様だ。
「エステル殿下とリンさんは仲がいいんですね」
「まあね、同級生でクラスメイトだし」
「そうですね。良くして頂いております」
相変わらずボリボリとお菓子を食べるエステル殿下とリンさんが、お互いに顔を見合わせて話をしていた。
仲が良い事はとても良い事だ。
さて、焦っても早くバスク子爵領に着くわけではないので、俺はクッションに寄りかかりながら魔法の本を読みます。
「魔力を壁の様に展開する事で、魔力障壁というバリアが使えます。また、魔力を溜めて放つ事でより威力のある魔法が放てます。ふむふむ、魔法障壁に魔力を溜めるか。これは優先的に訓練しないといけないな」
ビルゴが魔法障壁みたいなものでアルス殿下とエステル殿下の攻撃を防いでいたし、逆にホワイトが魔獣化したバンの攻撃を魔法障壁で防いでいた。
俺は明らかに実力不足だと分かっていたから、防御力強化だけでも行いたい。
すると、リンさんが俺の所にやってきた。
「魔法の事でしたら、マリリがとても詳しいです。折角ですので、屋敷にいる間は皆で魔法の訓練をしましょう」
「そうですね。今まで我流で魔法の勉強をしていたし、専門家に教えてもらうのは良い事ですね」
「では、マリリと色々話してきますね」
俺にそういうと、リンは嬉々としてマリリさんの所に向かっていった。
自分の領地が大変な事になっているのに、気遣いができるとてもいい人です。
「ふーん、ニヤニヤ」
「エステル殿下、何ニヤニヤしているのですか?」
「べっつにー、リンちゃんが良い笑顔だなって思っただけだよ」
くっちゃくっちゃとお菓子を食べるエステル殿下が、ニヤニヤしながら俺とリンさんの事を見ていた。
今のエステル殿下は、お菓子を片手にソファーで寝そべりながら昼ドラを見ている主婦と同じだな。
「「のどかだね」」
シロとミケが馬車の前の方に体を乗り出して、外の景色を見ています。
街道の周りには、畑などが広がっています。
今は冬なので、冬麦が畑に植えられています。
ほうれん草とかも植えられていて、ここは農家が多いのか。
「バルガス公爵領から街道に出ると、暫くは農村が広がります。大消費地に近いので、周辺の領地は農業が盛んですよ」
「「へえ、そうなんだ」」
御者をしているオリガさんが、シロとミケに街道の周辺について説明していた。
王都にも近いし、大きな領地もある。
食料品の消費は良いだろう。
ごそごそ、もぐもぐ。
ごそごそ、もぐもぐ。
「王都にも沢山野菜が供給されているんだよ。私は野菜も食べるけど、やっぱりお肉がいいかな。お菓子は別腹だけどね」
「あはは……」
エステル殿下はクッションに寄りかかり、食糧事情に自分の欲望を混ぜて説明しながら購入したお菓子をボリボリと食べている。
だらけているエステル殿下を見て、思わずリンさんが苦笑していた。
きっと、学園でもエステル殿下はこんな感じなのだろう。
王族なのに本当に自由人だな。
「むにゃむにゃ」
因みに、リーフはスライム達と共にカゴを改造した寝る所でお昼寝しています。
タラちゃんとフランソワにホワイトもリーフとスライム達と寝ているが、スライム達が良いクッションになっている様だ。
「エステル殿下とリンさんは仲がいいんですね」
「まあね、同級生でクラスメイトだし」
「そうですね。良くして頂いております」
相変わらずボリボリとお菓子を食べるエステル殿下とリンさんが、お互いに顔を見合わせて話をしていた。
仲が良い事はとても良い事だ。
さて、焦っても早くバスク子爵領に着くわけではないので、俺はクッションに寄りかかりながら魔法の本を読みます。
「魔力を壁の様に展開する事で、魔力障壁というバリアが使えます。また、魔力を溜めて放つ事でより威力のある魔法が放てます。ふむふむ、魔法障壁に魔力を溜めるか。これは優先的に訓練しないといけないな」
ビルゴが魔法障壁みたいなものでアルス殿下とエステル殿下の攻撃を防いでいたし、逆にホワイトが魔獣化したバンの攻撃を魔法障壁で防いでいた。
俺は明らかに実力不足だと分かっていたから、防御力強化だけでも行いたい。
すると、リンさんが俺の所にやってきた。
「魔法の事でしたら、マリリがとても詳しいです。折角ですので、屋敷にいる間は皆で魔法の訓練をしましょう」
「そうですね。今まで我流で魔法の勉強をしていたし、専門家に教えてもらうのは良い事ですね」
「では、マリリと色々話してきますね」
俺にそういうと、リンは嬉々としてマリリさんの所に向かっていった。
自分の領地が大変な事になっているのに、気遣いができるとてもいい人です。
「ふーん、ニヤニヤ」
「エステル殿下、何ニヤニヤしているのですか?」
「べっつにー、リンちゃんが良い笑顔だなって思っただけだよ」
くっちゃくっちゃとお菓子を食べるエステル殿下が、ニヤニヤしながら俺とリンさんの事を見ていた。
今のエステル殿下は、お菓子を片手にソファーで寝そべりながら昼ドラを見ている主婦と同じだな。
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