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第一章 バルガス公爵領
第三十三話 おばあさんからのプレゼント
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冒険者ギルドで完了報告をしてから、俺達は一旦屋敷に帰ります。
おばあさんから貰った魔導具を確認する為だ。
応接室に集まって、マジックバッグに入っていた魔導具を取り出してみた。
「えーっと、腕輪みたいな物と武器の柄のような物だな」
うーん、出てきた魔導具だけを見ても何が何だか分からない。
俺以外にも、誰もどんな魔導具か分からなかった。
なので、早速魔導具と同封されていた説明書を見る事にした。
「なになに、魔力制御の腕輪と魔法剣の柄って、何だかとんでもない名前が出てきたぞ」
明らかに異世界っぽい魔導具の名前が出てきたぞ。
説明書の続きを読んでみよう。
「魔力制御の腕輪は、装備した人の魔力を制御して鍛える為の腕輪。外すと、魔力の威力が上がって長い間付けているとより効果が上がる。何度でも装備可能で、腕の太さに合わせて自動に大きさも調節する」
いわゆる魔力版大リーグ〇ール養〇ギブスだな。
大きさが自動で変わって、誰にでも装着可能というのが凄いぞ。
「そして魔法剣の柄は、まんま魔法剣だな。手先の延長として意識をして魔力を流すと魔法剣が発動する。魔法剣を発動させるだけでも、魔法の訓練になる。刀身をつける事も可能だが、特殊な金属である事が必要」
うん、これもとんでもない代物だぞ。
魔法剣自体めっちゃファンタジーだけど、それを実現させるだけの技術があるとは。
「あのおばあさん、とんでもない技術者だったんだな」
「これだけの技術を持つものは、王立アカデミーにもそうはおらんぞ」
「それに、細部まで綺麗に装飾されていますわね」
「普通に、工芸品としても一級品ですわ」
「おばあちゃんに、後でお礼をしておこう」
皆で魔導具に驚いていると、説明書には続きが書いてあった。
「なになに? お前達なら力を間違えずに使えると思ったので、この魔導具を託す。お礼をする時は、一緒に子どもも連れてくる事」
「ユニークなご老人じゃな」
「では、私達はおばあさまの期待に応えないといけませんわね」
手紙の内容に、応接室では笑いが広がっていた。
早速という事で、庭に出て魔導具を試してみる事にした。
「おお、凄い。確かに、腕の大きさに合わせて自動で大きさが変わったぞ」
魔力制御の腕輪をつけると、シュッと大きさが変わって腕ぴったりになった。
女性陣や小さいシロやミケにも、ピッタリの大きさになった。
もうこの時点で、俺はおばあさんすげーって思っていた。
試しに魔力循環をしてみると、普通にできるがいつもよりも集中力が必要だ。
「これは中々良い物じゃな。より集中して魔法の訓練ができるぞ」
「そうですわね。更に魔力制御に磨きがかかりそうです」
ビアンカ殿下とルキアさんが話をしているが、確かに魔法使いにとってはうってつけの魔導具だ。
そして魔法剣の柄はというと様々な種類があり、西洋剣に日本刀も存在していた。
それぞれ、自身に合う魔法剣の柄を選んでいく。
ビアンカ殿下は二刀流なので、小太刀型の物を二つ選んでいた。
リンさんとオリガさんは、バスターソードの様な物を選んでいる。
俺は日本刀タイプのものだ。
マリリさんは、槍なのか薙刀なのか分からないけど、柄が長いタイプを選んでいる。
サリー様は、ダガータイプかな。
ここまでは普通の物だと思った。
「シロ、ミケ、その魔法剣はなんだ? 斬馬刀の様に巨大な刀身だぞ」
「だから、シロにぴったりなの」
「大きい剣で、何でも切っちゃうよ」
シロとミケが選んだのは、斬馬刀の様な大きな柄だった。
実際に魔法剣を発動させると、二メートル以上の刀身が発動したぞ。
そして、ルキアさんが選んだのは、更に異質な物だった。
「ルキアさんは、むちですか?」
「ええ、私はこちらの方が使いやすいので」
つまり、柄がある物なら何でも魔法剣の様に発動させる事ができるのか。
やっぱり、あのおばあさんはすげーな。
しかも、魔法剣を発動させるのも魔力制御がかなり大事だ。
単純に魔力を流すだけでは、魔法剣が発動しない。
「腕輪をつけて魔法剣を発動させるだけで、かなりの訓練になりますね」
「しかも、うまく魔力を制御すれば属性を帯びた刀身を出す事もできる。これはとんでもない代物じゃ」
ビアンカ殿下は、刀身に雷をまとわせた二刀流を試している。
ただ切るだけではなく、魔法による追加ダメージも与える事ができるのか。
本当に恐ろしい魔導具だぞ。
「サトー、妾達の分以外はアイテムボックスにしまっておけ。マジックバッグなら、窃盗の可能性もあるぞ」
「確かにそうですね。アイテムボックスなら、仮に俺が殺されても取り出す事はできませんからね」
という事で、魔力制御の腕輪と魔法剣の柄は俺のアイテムボックスに収納する事にした。
新たに魔導具を渡す場合は、厳選して渡さないといけないな。
こうして今日の活動は終了。
リンさんは今日は歩いて帰るという。
明日は出張所で仕事があるので、冒険者活動はおやすみだという。
俺達も初心者向け講習を受けるので、今日は早く休む事にした。
おばあさんから貰った魔導具を確認する為だ。
応接室に集まって、マジックバッグに入っていた魔導具を取り出してみた。
「えーっと、腕輪みたいな物と武器の柄のような物だな」
うーん、出てきた魔導具だけを見ても何が何だか分からない。
俺以外にも、誰もどんな魔導具か分からなかった。
なので、早速魔導具と同封されていた説明書を見る事にした。
「なになに、魔力制御の腕輪と魔法剣の柄って、何だかとんでもない名前が出てきたぞ」
明らかに異世界っぽい魔導具の名前が出てきたぞ。
説明書の続きを読んでみよう。
「魔力制御の腕輪は、装備した人の魔力を制御して鍛える為の腕輪。外すと、魔力の威力が上がって長い間付けているとより効果が上がる。何度でも装備可能で、腕の太さに合わせて自動に大きさも調節する」
いわゆる魔力版大リーグ〇ール養〇ギブスだな。
大きさが自動で変わって、誰にでも装着可能というのが凄いぞ。
「そして魔法剣の柄は、まんま魔法剣だな。手先の延長として意識をして魔力を流すと魔法剣が発動する。魔法剣を発動させるだけでも、魔法の訓練になる。刀身をつける事も可能だが、特殊な金属である事が必要」
うん、これもとんでもない代物だぞ。
魔法剣自体めっちゃファンタジーだけど、それを実現させるだけの技術があるとは。
「あのおばあさん、とんでもない技術者だったんだな」
「これだけの技術を持つものは、王立アカデミーにもそうはおらんぞ」
「それに、細部まで綺麗に装飾されていますわね」
「普通に、工芸品としても一級品ですわ」
「おばあちゃんに、後でお礼をしておこう」
皆で魔導具に驚いていると、説明書には続きが書いてあった。
「なになに? お前達なら力を間違えずに使えると思ったので、この魔導具を託す。お礼をする時は、一緒に子どもも連れてくる事」
「ユニークなご老人じゃな」
「では、私達はおばあさまの期待に応えないといけませんわね」
手紙の内容に、応接室では笑いが広がっていた。
早速という事で、庭に出て魔導具を試してみる事にした。
「おお、凄い。確かに、腕の大きさに合わせて自動で大きさが変わったぞ」
魔力制御の腕輪をつけると、シュッと大きさが変わって腕ぴったりになった。
女性陣や小さいシロやミケにも、ピッタリの大きさになった。
もうこの時点で、俺はおばあさんすげーって思っていた。
試しに魔力循環をしてみると、普通にできるがいつもよりも集中力が必要だ。
「これは中々良い物じゃな。より集中して魔法の訓練ができるぞ」
「そうですわね。更に魔力制御に磨きがかかりそうです」
ビアンカ殿下とルキアさんが話をしているが、確かに魔法使いにとってはうってつけの魔導具だ。
そして魔法剣の柄はというと様々な種類があり、西洋剣に日本刀も存在していた。
それぞれ、自身に合う魔法剣の柄を選んでいく。
ビアンカ殿下は二刀流なので、小太刀型の物を二つ選んでいた。
リンさんとオリガさんは、バスターソードの様な物を選んでいる。
俺は日本刀タイプのものだ。
マリリさんは、槍なのか薙刀なのか分からないけど、柄が長いタイプを選んでいる。
サリー様は、ダガータイプかな。
ここまでは普通の物だと思った。
「シロ、ミケ、その魔法剣はなんだ? 斬馬刀の様に巨大な刀身だぞ」
「だから、シロにぴったりなの」
「大きい剣で、何でも切っちゃうよ」
シロとミケが選んだのは、斬馬刀の様な大きな柄だった。
実際に魔法剣を発動させると、二メートル以上の刀身が発動したぞ。
そして、ルキアさんが選んだのは、更に異質な物だった。
「ルキアさんは、むちですか?」
「ええ、私はこちらの方が使いやすいので」
つまり、柄がある物なら何でも魔法剣の様に発動させる事ができるのか。
やっぱり、あのおばあさんはすげーな。
しかも、魔法剣を発動させるのも魔力制御がかなり大事だ。
単純に魔力を流すだけでは、魔法剣が発動しない。
「腕輪をつけて魔法剣を発動させるだけで、かなりの訓練になりますね」
「しかも、うまく魔力を制御すれば属性を帯びた刀身を出す事もできる。これはとんでもない代物じゃ」
ビアンカ殿下は、刀身に雷をまとわせた二刀流を試している。
ただ切るだけではなく、魔法による追加ダメージも与える事ができるのか。
本当に恐ろしい魔導具だぞ。
「サトー、妾達の分以外はアイテムボックスにしまっておけ。マジックバッグなら、窃盗の可能性もあるぞ」
「確かにそうですね。アイテムボックスなら、仮に俺が殺されても取り出す事はできませんからね」
という事で、魔力制御の腕輪と魔法剣の柄は俺のアイテムボックスに収納する事にした。
新たに魔導具を渡す場合は、厳選して渡さないといけないな。
こうして今日の活動は終了。
リンさんは今日は歩いて帰るという。
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