12 / 200
第一章 バルガス公爵領
第十二話 高貴な方と新たな仲間
しおりを挟む
騎士がゴブリンの燃えカスの詰まった穴を埋めている時、別の騎士から声がかかった。
「旅の方、お館様が討伐と後処理のお礼をしたいと申しております」
「わざわざすみません。直ぐにお会いします」
シロとミケはスライムと遊んでいるから、後で挨拶させよう。
という事で、俺は騎士と共に豪華な馬車の側に移動した。
「お館様、旅の方が来られました」
「うむ。直ぐに行こう」
豪華な馬車の扉が開き、馬車の中からシンプルだけど品の良い服を着たジェントルマンが降りてきた。
黒に近い茶髪をしっかりとセットしていて、如何にも貴族の当主といった感じだ。
そして、もう一人の少女も馬車から降りてきた。
シロとミケよりも背が高く、旅用のドレスを着ている。
金髪のウェーブのかかったセミロングヘアは丁寧に手入れをされていて、如何にも高貴な出だと一目見てわかる。
俺は二人を見て、反射的に膝を着いていた。
「旅の者、顔を上げてくれ。私はこのバルガス公爵領を預かっているナッシュだ。そして、私の横にいるのはこの国の王女、ビアンカ殿下になります」
「ビアンカじゃ。旅の者、此度は大義であった。其方は名を何と申す?」
「サトーと申します。スライムと遊んでいる白毛の犬獣人がシロで、三毛の猫獣人がミケと申します」
おお、本物の貴族当主と国のお姫様ではないか。
二人から高貴なオーラが出ていて当たり前だ。
だからこそ、これだけの豪華な馬車に乗れる人物なのだろう。
「サトー殿か、改めて礼を申す。しかし、道中見た時はサトー殿と戯れている二人の少女にしか見えなかったのが、まさか強い上に有能な魔法使いだとは」
「うむ。サトーも中々の強さであり、治癒魔法使いでもある」
「恐れ入ります」
おお、やっぱり異世界に来た直後にシロとミケに抱きつかれていた所を見ていたのは、このお二人だったのか。
しかし、二人はとても良い人で助かった。
横柄な貴族がいると漫画で読んだ事あるし、歴史の授業でも実際にいたらしいな。
そんな事を思っていたら、シロとミケがこちらにやってきた。
おや?
二人は、カラフルな小さなスライムを抱えているぞ。
大きさは野球の球程だ。
他のスライムよりも随分と小さいぞ。
「ちょうど良い。シロ、ミケ、バルガス公爵様とビアンカ王女殿下にご挨拶して」
「おお、挨拶するよ。シロはシロです!」
「ミケはミケです。宜しくね」
「うむ、元気よく挨拶できたな」
「そうじゃのう。めんこいのう」
シロとミケが元気よく挨拶したのを見て、バルガス公爵様とビアンカ王女殿下は微笑ましく二人を見ていた。
本当に、バルガス公爵様とビアンカ王女殿下がとても良い人で良かったよ。
ひょっとしたら、挨拶がなってないと切り掛かる貴族もいるだろうな。
「それで、このスライムはどうしたの?」
「他のスライムは森に帰ったんだけど、ちっちゃなスライムは残ったんだ」
「ミケ達と一緒にいたいみたいだよ」
確かにシロとミケの腕の中にいるカラフルな小さなスライムは、俺の事をジーッと見ていた。
とあるゲームで見た、仲間になりたそうにこちらを見ている状態だ。
「おお、これは珍しい。カラースライムの幼生体ですな」
「カラースライムは魔法が使えるが、レアな種類もおる様じゃな。大事に育てるが良い」
「「はーい」」
あ、俺ではなくバルガス公爵様とビアンカ王女殿下が、シロとミケにカラースライムを仲間にする許可を出していた。
シロとミケとカラースライムは、嬉しそうにぴょんぴょん跳ねていた。
うん、これで俺がダメとは言えない雰囲気になってしまった。
まあ、スライムだし餌は何でも良い様なので、連れて行ってもいいか。
「旅の方、お館様が討伐と後処理のお礼をしたいと申しております」
「わざわざすみません。直ぐにお会いします」
シロとミケはスライムと遊んでいるから、後で挨拶させよう。
という事で、俺は騎士と共に豪華な馬車の側に移動した。
「お館様、旅の方が来られました」
「うむ。直ぐに行こう」
豪華な馬車の扉が開き、馬車の中からシンプルだけど品の良い服を着たジェントルマンが降りてきた。
黒に近い茶髪をしっかりとセットしていて、如何にも貴族の当主といった感じだ。
そして、もう一人の少女も馬車から降りてきた。
シロとミケよりも背が高く、旅用のドレスを着ている。
金髪のウェーブのかかったセミロングヘアは丁寧に手入れをされていて、如何にも高貴な出だと一目見てわかる。
俺は二人を見て、反射的に膝を着いていた。
「旅の者、顔を上げてくれ。私はこのバルガス公爵領を預かっているナッシュだ。そして、私の横にいるのはこの国の王女、ビアンカ殿下になります」
「ビアンカじゃ。旅の者、此度は大義であった。其方は名を何と申す?」
「サトーと申します。スライムと遊んでいる白毛の犬獣人がシロで、三毛の猫獣人がミケと申します」
おお、本物の貴族当主と国のお姫様ではないか。
二人から高貴なオーラが出ていて当たり前だ。
だからこそ、これだけの豪華な馬車に乗れる人物なのだろう。
「サトー殿か、改めて礼を申す。しかし、道中見た時はサトー殿と戯れている二人の少女にしか見えなかったのが、まさか強い上に有能な魔法使いだとは」
「うむ。サトーも中々の強さであり、治癒魔法使いでもある」
「恐れ入ります」
おお、やっぱり異世界に来た直後にシロとミケに抱きつかれていた所を見ていたのは、このお二人だったのか。
しかし、二人はとても良い人で助かった。
横柄な貴族がいると漫画で読んだ事あるし、歴史の授業でも実際にいたらしいな。
そんな事を思っていたら、シロとミケがこちらにやってきた。
おや?
二人は、カラフルな小さなスライムを抱えているぞ。
大きさは野球の球程だ。
他のスライムよりも随分と小さいぞ。
「ちょうど良い。シロ、ミケ、バルガス公爵様とビアンカ王女殿下にご挨拶して」
「おお、挨拶するよ。シロはシロです!」
「ミケはミケです。宜しくね」
「うむ、元気よく挨拶できたな」
「そうじゃのう。めんこいのう」
シロとミケが元気よく挨拶したのを見て、バルガス公爵様とビアンカ王女殿下は微笑ましく二人を見ていた。
本当に、バルガス公爵様とビアンカ王女殿下がとても良い人で良かったよ。
ひょっとしたら、挨拶がなってないと切り掛かる貴族もいるだろうな。
「それで、このスライムはどうしたの?」
「他のスライムは森に帰ったんだけど、ちっちゃなスライムは残ったんだ」
「ミケ達と一緒にいたいみたいだよ」
確かにシロとミケの腕の中にいるカラフルな小さなスライムは、俺の事をジーッと見ていた。
とあるゲームで見た、仲間になりたそうにこちらを見ている状態だ。
「おお、これは珍しい。カラースライムの幼生体ですな」
「カラースライムは魔法が使えるが、レアな種類もおる様じゃな。大事に育てるが良い」
「「はーい」」
あ、俺ではなくバルガス公爵様とビアンカ王女殿下が、シロとミケにカラースライムを仲間にする許可を出していた。
シロとミケとカラースライムは、嬉しそうにぴょんぴょん跳ねていた。
うん、これで俺がダメとは言えない雰囲気になってしまった。
まあ、スライムだし餌は何でも良い様なので、連れて行ってもいいか。
92
お気に入りに追加
383
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
変人奇人喜んで!!貴族転生〜面倒な貴族にはなりたくない!〜
赤井水
ファンタジー
クロス伯爵家に生まれたケビン・クロス。
神に会った記憶も無く、前世で何故死んだのかもよく分からないが転生した事はわかっていた。
洗礼式で初めて神と話よく分からないが転生させて貰ったのは理解することに。
彼は喜んだ。
この世界で魔法を扱える事に。
同い歳の腹違いの兄を持ち、必死に嫡男から逃れ貴族にならない為なら努力を惜しまない。
理由は簡単だ、魔法が研究出来ないから。
その為には彼は変人と言われようが奇人と言われようが構わない。
ケビンは優秀というレッテルや女性という地雷を踏まぬ様に必死に生活して行くのであった。
ダンス?腹芸?んなもん勉強する位なら魔法を勉強するわ!!と。
「絶対に貴族にはならない!うぉぉぉぉ」
今日も魔法を使います。
※作者嬉し泣きの情報
3/21 11:00
ファンタジー・SFでランキング5位(24hptランキング)
有名作品のすぐ下に自分の作品の名前があるのは不思議な感覚です。
3/21
HOT男性向けランキングで2位に入れました。
TOP10入り!!
4/7
お気に入り登録者様の人数が3000人行きました。
応援ありがとうございます。
皆様のおかげです。
これからも上がる様に頑張ります。
※お気に入り登録者数減り続けてる……がむばるOrz
〜第15回ファンタジー大賞〜
67位でした!!
皆様のおかげですこう言った結果になりました。
5万Ptも貰えたことに感謝します!
改稿中……( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )☁︎︎⋆。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る(旧題|剣は光より速い-社畜異世界転生)
丁鹿イノ
ファンタジー
【ファンタジア文庫にて1巻発売中!】
深夜の職場で人生を終えた青桐 恒(25)は、気づいたらファンタジーな異世界に転生していた。
前世の社畜人生のお陰で圧倒的な精神力を持ち、生後から持ち前の社畜精神で頑張りすぎて魔力と気力を異常に成長させてしまう。
そのうち元Sクラス冒険者である両親も自重しなくなり、魔術と剣術もとんでもないことに……
異世界に転生しても働くのをやめられない!
剣と魔術が存在するファンタジーな異世界で持ち前の社畜精神で努力を積み重ね成り上がっていく、成長物語。
■カクヨムでも連載中です■
本作品をお読みいただき、また多く感想をいただき、誠にありがとうございます。
中々お返しできておりませんが、お寄せいただいたコメントは全て拝見し、執筆の糧にしています。
いつもありがとうございます。
◆
書籍化に伴いタイトルが変更となりました。
剣は光より速い - 社畜異世界転生 ~社畜は異世界でも無休で最強へ至る~
↓
転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
病弱な僕は病院で息を引き取った
お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった
そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した
魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
私はただ自由に空を飛びたいだけなのに!
hennmiasako
ファンタジー
異世界の田舎の孤児院でごく普通の平民の孤児の女の子として生きていたルリエラは、5歳のときに木から落ちて頭を打ち前世の記憶を見てしまった。
ルリエラの前世の彼女は日本人で、病弱でベッドから降りて自由に動き回る事すら出来ず、ただ窓の向こうの空ばかりの見ていた。そんな彼女の願いは「自由に空を飛びたい」だった。でも、魔法も超能力も無い世界ではそんな願いは叶わず、彼女は事故で転落死した。
魔法も超能力も無い世界だけど、それに似た「理術」という不思議な能力が存在する世界。専門知識が必要だけど、前世の彼女の記憶を使って、独学で「理術」を使い、空を自由に飛ぶ夢を叶えようと人知れず努力することにしたルリエラ。
ただの個人的な趣味として空を自由に飛びたいだけなのに、なぜかいろいろと問題が発生して、なかなか自由に空を飛べない主人公が空を自由に飛ぶためにいろいろがんばるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる