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第二十九話「疼く身体を鎮めて」
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形の違う一対の剛直にゴクリと息を呑む。
これは、俗に言うヘミペニスというものだろうか。有鱗目の爬虫類が持つという、あの……。
確かに竜は鱗があり爬虫類っぽくはあるが、予想外すぎる。
「引き返すなら今のうちだよ? あと一時間もすれば魔力制御ができるようになるだろうから……」
「大丈夫。私も、グレンの全てを受け入れたいの」
「それって……いや話は後でだよね。で、どっちがいい?」
イボイボの小さな突起物がたくさん付いている剛直と、突起物は全く無くまっすぐな剛直。
どちらが良いなんて聞かれても困ってしまう。
「ど、どっちがいいなんてぇ……決められない、よぉ……」
早くグレンが欲しいと咽び泣きたい。
グレンもそれを理解しているのか、上に乗る私を反転させ寝台に押し倒した。
服として意味を成していない布切れを剥ぎ取り、あっという間に全裸にされてしまう。
空気に触れた肌がピリピリする。
「じゃあ、どっちも堪能してもらおうかな」
「へ?」
舌舐めずりをしたグレンの色っぽさに当てられてくらくらする。
私の意識が顔面に向かっているのを良いことに、彼は腰辺りに跨がり二つの剛直を双丘に擦り付けてきた。
「ひゃっぁああああ」
ピンッと主張をしている双丘の頂点にずりずりと刺激を受け、あっけなく我慢していた快感が弾けてしまった。
「もうイッちゃったの? 可愛い」
「だっだってぇ、あっ、ゃんん」
「媚薬ってすごいな、これからも使う? 調達できるよ」
からかうように言ったグレンはそう言いつつも双丘の刺激を止めてはくれない。
イボが擦れるたび変な甘ったるい声が止まらず快感を逃がそうと身を捩る。しかしグレンはそれを許してはくれない。
上手く機能しない頭で、どうにか反撃しようと二つの剛直の先端を食んだ。
「っく」
グレンの顔が苦しげに歪む。
彼の反応が嬉しくて、リズムよく擦り付けられる剛直に刺激を与え続けた。
ちろちろと交互に舐め上げる。
「ぅ、くそっ! エロすぎだろっ!」
「ぁむぐ」
真っ直ぐな剛直を口内へ突っ込まれ、突然の圧迫感に涙が滲む。
口内を犯す剛直に歯を立てない事だけを考えて受け入れる。
媚薬の効果か、単調な抽送の刺激だけで快感を拾ってしまう。
「んんん! ぁあ!」
「っはぁ。口だけでイけそう?」
これ以上刺激を与えられたら、積み上がった快感が弾けそうだ。
グレンから与えられる快感に身を委ねたくとも、口だけで絶頂を迎えたくはない。
なけなしの理性でいやいやと首を振る。
「ゃあ」
「んー? 口でイくのは嫌?」
それだけの行動で意味を理解してくれた。
頷けば残念そうに「そっかぁ」と言って剛直を引き抜き、私を抱き起こした。
抱き起こされた意味がわからず首を傾げていると、グレンはにんまりと笑う。
「覚悟してね?」
「へ? ~~~~~ッ!!!!?」
胡座をかいたグレンの上へと誘われた私は、呆気なく弾け飛んだ快感に息を詰まらせた。
イボの付いた方の剛直を泥濘にあてがわれ落とされたからだ。
声すら出せず、硬く強張った身体は一瞬にして脱力する。
ぐったりとグレンに身を委ね、止まりかけた呼吸を再開させる。
「はっ、あ、ぁあ……」
「大丈夫?」
動かずとも埋められた熱い塊の存在をありありと感じられ、ゾクゾクしてしまう。
凶悪な形の剛直に身を震わせていれば、グレンが優しく背中を撫でてくれた。
しかし、その気遣いすらも快感として拾ってしまい悶えるしかない。
「ごめん、やりすぎた。ゆっくり深呼吸して」
「ぁちがっ! も、無理なの!」
「いくら体質が変わったとはいえ苦しいよな……ごめん」
噛み合わない会話。
優しく頭を撫でられるが、伝わらない悲しみにボロボロと涙腺が崩壊し洪水を起こした。
「ちが、違うのぉ……もっ、つらい」
私の言葉に二つの黒曜石が困惑の色に染まる。
そんな顔をさせたいわけじゃない。
「すき。好きなの」
「え……?」
両手で顔を覆い、さめざめと泣きながら狂ったようにその言葉を言い続ける。
「好きなの、グレン。どんな姿でも関係ない。好き。大好き。好き。グレンが好きなの。だから、見捨てないでぇ……」
グレンが好きだと気付いて初めての行為。
愛し、愛される営みがこんなにも気持ちのいいものだとは思ってもみなかった。
顔を覆う手を剥がされ、とめどなく流れる涙を舐め取られる。
「落ち着いて。どうして俺がユキノを見捨てるの? ありえないでしょ」
「だ、だって、ずっとこんな気持ち抱えさせて、苦しませて……。なのに、私ばっかりっ、私っグレンを満足させられない」
もらった分だけ返さなければ、対等じゃない。
「ふっふふ……ははははっ!」
真剣な悩みを笑い飛ばしたグレンを睨む。
文句を言おうと口を開いた瞬間、突き上げられた。
「ひゃあああああっ!? なんッ!?」
喋ろうにも休まることなく行われる抽送に艶声を上げる。
肉のぶつかり合う音が淫らに響く。
文字通り膣壁を抉りながら強制的に享受される快美を受け入れるしかない。
「あふっ、あっくぅ」
がつがつと貪られ、蹂躙される。
「ゃ、もっ、イッちゃう! だめだめだめ、まって」
「うん。一回イこうか」
「んむ!? んんんんんんんん!!!!!」
静止の声をかけても止まってくれず、さらに口を塞がれ、温かなものを注がれた。
痙攣が止まる前に押し倒され、また律動が再開する。
「グレンッあぁ! もっ許してぇえ!」
「俺を満足させたいんだろ?」
「そっ、だけどぉぁあっ!」
体勢を変えたことで、先程と違った場所に当たり新たな快感を拾った。
イイところを執拗に狙われ、すぐに頂きへと誘われてしまう。
肉襞への摩擦で目の前に閃光が飛ぶ。
「イッちゃ、ゃんああああぁぁぁっ!!!」
弓なりに反った体を抱きしめられ、最奥が潰される。
達したばかりの小刻みに震える身体を無視し、グレンはまた容赦なくストロークを再開させる。
「可愛い。イッた顔もっと見せて」
「や、ぁあ! グレンっ、あうキスぇぁんんん」
言い終わる前に唇を塞がれ、続く言葉はグレンに飲み込まれた。
矯声すらも飲み込まれ、互いの唾液を交換するかのように口づけを堪能する。
「ふぁ……ぅはぁ」
グレンの思うがままに揺さぶられ、イき過ぎて疲れ切った頭は処理落ちをしていたようで、最奥を抉られた感覚と満たされる魔力に、意識が戻ってきた。
上体を起こしたグレンがにっこりと笑う。
「ユキノ。へばっちゃ駄目だよ」
「今……私……」
「失神しそうだったから、回復魔法で起こした」
この世界の回復魔法は体力も回復させる。
つまり――
失神で行為が終わることはない。ということだ。
「い、今まで手加減されて……た?」
「そうだね」
彼はどんな女性も見惚れるであろう笑顔で頷いた。
サァァアと血の気が引く。
「どれだけ気を失っても……?」
「うん。何度でも回復魔法で起こしてあげる」
「そ、そんなの、死んじゃう……」
「大丈夫、回復魔法で死んだりはしないよ」
「そうじゃなくて……」
目を泳がせて言葉を探す。
確かに彼の全てを受け入れたいと思っているのは事実だ。
しかし、こんな絶倫だとは思ってもみなかった。
いや手加減していても五回以上できるのだから、その時点で気がつくべきだった。
「ふ、服!」
「ん? あぁ、邪魔?」
「だ……だって、私だけ裸なんて……」
小さく呟く。
グレンは一瞬迷った表情をしたが服を脱ぎ捨てた。
現れた肢体には、やはりと言うべきか、竜の黒鱗がびっしりと生えていた。
「じっくり見るようなものでもないよ」
私の視線に気がついたグレンが苦笑する。
「……私は好きよ。人の肌と竜鱗が合わさってとても綺麗だから……ひゃっん!?」
いきなり抱きすくめられ、甘い声が漏れてしまう。
「ほんと、ユキノは俺を喜ばせるのが上手い。ずっとそのままのユキノでいて」
「う、うん」
「じゃあ休憩はおしまい。続きしようか」
「へ? あっ! ひゃぅ!」
先程と打って変わってゆっくりとしたストロークに変わる。
激しい律動の時には意識しなかった剛直の形がありありと伝わって、おかしくなりそうだ。
「あふっ、やぁ! これ、だめ!」
「何がどう駄目なの? 言ってくれないと分からないよ?」
「っあ! っくぅ……やぁあ……」
ぬっちゃぬっちゃと卑猥な音が耳までも犯していく。
グレンはゆったりとした動きで腰をぎりぎりまで引き抜き、形を覚えさせるようにゆっくり奥へと高ぶりを沈める。
「ほら、何が駄目なの?」
楽しそうに笑うグレン。
いつしか涙は悲しみではなく生理的なものに変わり、視界を歪ませる。
「グっグレンのぉ! あぁ! まっ、はぁあああ」
頭のてっぺんから足の先までじんわりと伝わる快感に、押し上げられ今までにない達し方をしてしまった。
「重いの、グレン、これ、重い……だめぇ……」
「ん~? これ好きそうだね?」
「ちがっ! やぁぁあ!! 変になっちゃっ!!」
「変になってもいいよ。もっと可愛い顔見せて」
「ゃ、まって! 休ま……ぁん!」
どれだけ懇願しても、律動は止まらない。
時間感覚がなくなるほどゆっくりと愛され、数えられないほどイかされた。
「やっ、もっやぁ!」
イき過ぎた身体に蓄積された快感が怖くなってきた。
グレンが動くたびぷしゃぷしゃと何かが漏れ出る事も相まって、生理的な涙はまた姿を変える。
「グレンっ、こわい、あっゃ、こわいよ、ふぁあ……ぐすっ、やだって……言ってるのに……ひっく」
本格的に泣き始めてしまった私に、グレンは蜜壺から己を引き抜き、焦った顔で私を抱きしめた。
「ごめん。調子に乗った」
優しく抱きしめられ、やっとゆっくり息を吸い込むことができた。
グレンの頬に手を添えると、いつの間にか頬にあったはずの竜鱗が無い事に気が付いた。
お腹に当たる剛直も一つだけだ。
空気に触れている身体も快感を拾わない。
自身の身体の変化と、彼の変化に気が付かないほどイかされ続けていたらしい。
「いつ戻ったの?」
「回復魔法使った辺りには魔力制御が出来るようになったから……」
「……だいぶ前、よね?」
「そうだね。ユキノから想いを口にされて調子に乗った。本当にごめん」
「次から気を付けてくれたら……それでいいよ」
「! ありがとう!」
許されないと思っていたのだろう。
抱きしめられる腕に力が籠もった。少し苦しい。
「仕切り直し、して?」
「……いいの?」
「うん。もっとグレンを感じたい。今度は優しく、ね?」
「っ、仰せのままに」
泣き出しそうなグレンに畳み掛ける。
「グレン。愛してる」
「俺も愛してる。ユキノだけだ、ずっと」
どちらからともなく唇を重ねた。
触れるだけの可愛らしい口づけ。
そんな子どもっぽい行為に、額同士をくっつけて笑い合った。
◇◆◇
登り始めた太陽を恨みがましく睨み付ける。
あれからグレンが満足出来るまで何度も愛し合った。その結果がこれだ。
今はグレンに腕枕されながら痛む身体を労っている。
「おはよう」
「おはよう。……やりすぎじゃない?」
「そんなことない。もっとユキノを堪能したいところだよ」
「ひぇ……絶倫!」
「なんとでも?」
お互い顔を見合わせ吹き出した。
「もうっ、でも私、真剣に悩んでたのに。酷くない? 一世一代の告白だよ?」
「ごめんごめん。でも、俺のために泣くユキノを見たら、可愛くて可愛くて。もっと啼かせたくなった」
悪びれる事なく言い放った。
「馬鹿にしてたわけじゃないから、いいけどね」
「本当、俺のお嫁さん可愛すぎない?」
「なんでそうなるのよ。結局大事な話もまだだし……」
「もちろん聞くよ。今日一日はオフだからね」
「ありがとう」
痛む身体に回復魔法をかけてもらい体を起こす。
竜鱗もヘミペニスもないグレンの身体をじっと見つめる。
綺麗だったのに、もったいない。あ、でも、もう二つは無理かも。
私の視線に気が付いたグレンが寝転んだままこちらを向き頬杖をつく。
「そんなに見つめられると照れるんだけど……まだ物足りない?」
スチル顔負けの優しい眼差しで微笑むグレンに、くらっとした。
流石はアブノーマルな陵辱物エロゲーの隠しキャラ。破壊力が高い。
これは、俗に言うヘミペニスというものだろうか。有鱗目の爬虫類が持つという、あの……。
確かに竜は鱗があり爬虫類っぽくはあるが、予想外すぎる。
「引き返すなら今のうちだよ? あと一時間もすれば魔力制御ができるようになるだろうから……」
「大丈夫。私も、グレンの全てを受け入れたいの」
「それって……いや話は後でだよね。で、どっちがいい?」
イボイボの小さな突起物がたくさん付いている剛直と、突起物は全く無くまっすぐな剛直。
どちらが良いなんて聞かれても困ってしまう。
「ど、どっちがいいなんてぇ……決められない、よぉ……」
早くグレンが欲しいと咽び泣きたい。
グレンもそれを理解しているのか、上に乗る私を反転させ寝台に押し倒した。
服として意味を成していない布切れを剥ぎ取り、あっという間に全裸にされてしまう。
空気に触れた肌がピリピリする。
「じゃあ、どっちも堪能してもらおうかな」
「へ?」
舌舐めずりをしたグレンの色っぽさに当てられてくらくらする。
私の意識が顔面に向かっているのを良いことに、彼は腰辺りに跨がり二つの剛直を双丘に擦り付けてきた。
「ひゃっぁああああ」
ピンッと主張をしている双丘の頂点にずりずりと刺激を受け、あっけなく我慢していた快感が弾けてしまった。
「もうイッちゃったの? 可愛い」
「だっだってぇ、あっ、ゃんん」
「媚薬ってすごいな、これからも使う? 調達できるよ」
からかうように言ったグレンはそう言いつつも双丘の刺激を止めてはくれない。
イボが擦れるたび変な甘ったるい声が止まらず快感を逃がそうと身を捩る。しかしグレンはそれを許してはくれない。
上手く機能しない頭で、どうにか反撃しようと二つの剛直の先端を食んだ。
「っく」
グレンの顔が苦しげに歪む。
彼の反応が嬉しくて、リズムよく擦り付けられる剛直に刺激を与え続けた。
ちろちろと交互に舐め上げる。
「ぅ、くそっ! エロすぎだろっ!」
「ぁむぐ」
真っ直ぐな剛直を口内へ突っ込まれ、突然の圧迫感に涙が滲む。
口内を犯す剛直に歯を立てない事だけを考えて受け入れる。
媚薬の効果か、単調な抽送の刺激だけで快感を拾ってしまう。
「んんん! ぁあ!」
「っはぁ。口だけでイけそう?」
これ以上刺激を与えられたら、積み上がった快感が弾けそうだ。
グレンから与えられる快感に身を委ねたくとも、口だけで絶頂を迎えたくはない。
なけなしの理性でいやいやと首を振る。
「ゃあ」
「んー? 口でイくのは嫌?」
それだけの行動で意味を理解してくれた。
頷けば残念そうに「そっかぁ」と言って剛直を引き抜き、私を抱き起こした。
抱き起こされた意味がわからず首を傾げていると、グレンはにんまりと笑う。
「覚悟してね?」
「へ? ~~~~~ッ!!!!?」
胡座をかいたグレンの上へと誘われた私は、呆気なく弾け飛んだ快感に息を詰まらせた。
イボの付いた方の剛直を泥濘にあてがわれ落とされたからだ。
声すら出せず、硬く強張った身体は一瞬にして脱力する。
ぐったりとグレンに身を委ね、止まりかけた呼吸を再開させる。
「はっ、あ、ぁあ……」
「大丈夫?」
動かずとも埋められた熱い塊の存在をありありと感じられ、ゾクゾクしてしまう。
凶悪な形の剛直に身を震わせていれば、グレンが優しく背中を撫でてくれた。
しかし、その気遣いすらも快感として拾ってしまい悶えるしかない。
「ごめん、やりすぎた。ゆっくり深呼吸して」
「ぁちがっ! も、無理なの!」
「いくら体質が変わったとはいえ苦しいよな……ごめん」
噛み合わない会話。
優しく頭を撫でられるが、伝わらない悲しみにボロボロと涙腺が崩壊し洪水を起こした。
「ちが、違うのぉ……もっ、つらい」
私の言葉に二つの黒曜石が困惑の色に染まる。
そんな顔をさせたいわけじゃない。
「すき。好きなの」
「え……?」
両手で顔を覆い、さめざめと泣きながら狂ったようにその言葉を言い続ける。
「好きなの、グレン。どんな姿でも関係ない。好き。大好き。好き。グレンが好きなの。だから、見捨てないでぇ……」
グレンが好きだと気付いて初めての行為。
愛し、愛される営みがこんなにも気持ちのいいものだとは思ってもみなかった。
顔を覆う手を剥がされ、とめどなく流れる涙を舐め取られる。
「落ち着いて。どうして俺がユキノを見捨てるの? ありえないでしょ」
「だ、だって、ずっとこんな気持ち抱えさせて、苦しませて……。なのに、私ばっかりっ、私っグレンを満足させられない」
もらった分だけ返さなければ、対等じゃない。
「ふっふふ……ははははっ!」
真剣な悩みを笑い飛ばしたグレンを睨む。
文句を言おうと口を開いた瞬間、突き上げられた。
「ひゃあああああっ!? なんッ!?」
喋ろうにも休まることなく行われる抽送に艶声を上げる。
肉のぶつかり合う音が淫らに響く。
文字通り膣壁を抉りながら強制的に享受される快美を受け入れるしかない。
「あふっ、あっくぅ」
がつがつと貪られ、蹂躙される。
「ゃ、もっ、イッちゃう! だめだめだめ、まって」
「うん。一回イこうか」
「んむ!? んんんんんんんん!!!!!」
静止の声をかけても止まってくれず、さらに口を塞がれ、温かなものを注がれた。
痙攣が止まる前に押し倒され、また律動が再開する。
「グレンッあぁ! もっ許してぇえ!」
「俺を満足させたいんだろ?」
「そっ、だけどぉぁあっ!」
体勢を変えたことで、先程と違った場所に当たり新たな快感を拾った。
イイところを執拗に狙われ、すぐに頂きへと誘われてしまう。
肉襞への摩擦で目の前に閃光が飛ぶ。
「イッちゃ、ゃんああああぁぁぁっ!!!」
弓なりに反った体を抱きしめられ、最奥が潰される。
達したばかりの小刻みに震える身体を無視し、グレンはまた容赦なくストロークを再開させる。
「可愛い。イッた顔もっと見せて」
「や、ぁあ! グレンっ、あうキスぇぁんんん」
言い終わる前に唇を塞がれ、続く言葉はグレンに飲み込まれた。
矯声すらも飲み込まれ、互いの唾液を交換するかのように口づけを堪能する。
「ふぁ……ぅはぁ」
グレンの思うがままに揺さぶられ、イき過ぎて疲れ切った頭は処理落ちをしていたようで、最奥を抉られた感覚と満たされる魔力に、意識が戻ってきた。
上体を起こしたグレンがにっこりと笑う。
「ユキノ。へばっちゃ駄目だよ」
「今……私……」
「失神しそうだったから、回復魔法で起こした」
この世界の回復魔法は体力も回復させる。
つまり――
失神で行為が終わることはない。ということだ。
「い、今まで手加減されて……た?」
「そうだね」
彼はどんな女性も見惚れるであろう笑顔で頷いた。
サァァアと血の気が引く。
「どれだけ気を失っても……?」
「うん。何度でも回復魔法で起こしてあげる」
「そ、そんなの、死んじゃう……」
「大丈夫、回復魔法で死んだりはしないよ」
「そうじゃなくて……」
目を泳がせて言葉を探す。
確かに彼の全てを受け入れたいと思っているのは事実だ。
しかし、こんな絶倫だとは思ってもみなかった。
いや手加減していても五回以上できるのだから、その時点で気がつくべきだった。
「ふ、服!」
「ん? あぁ、邪魔?」
「だ……だって、私だけ裸なんて……」
小さく呟く。
グレンは一瞬迷った表情をしたが服を脱ぎ捨てた。
現れた肢体には、やはりと言うべきか、竜の黒鱗がびっしりと生えていた。
「じっくり見るようなものでもないよ」
私の視線に気がついたグレンが苦笑する。
「……私は好きよ。人の肌と竜鱗が合わさってとても綺麗だから……ひゃっん!?」
いきなり抱きすくめられ、甘い声が漏れてしまう。
「ほんと、ユキノは俺を喜ばせるのが上手い。ずっとそのままのユキノでいて」
「う、うん」
「じゃあ休憩はおしまい。続きしようか」
「へ? あっ! ひゃぅ!」
先程と打って変わってゆっくりとしたストロークに変わる。
激しい律動の時には意識しなかった剛直の形がありありと伝わって、おかしくなりそうだ。
「あふっ、やぁ! これ、だめ!」
「何がどう駄目なの? 言ってくれないと分からないよ?」
「っあ! っくぅ……やぁあ……」
ぬっちゃぬっちゃと卑猥な音が耳までも犯していく。
グレンはゆったりとした動きで腰をぎりぎりまで引き抜き、形を覚えさせるようにゆっくり奥へと高ぶりを沈める。
「ほら、何が駄目なの?」
楽しそうに笑うグレン。
いつしか涙は悲しみではなく生理的なものに変わり、視界を歪ませる。
「グっグレンのぉ! あぁ! まっ、はぁあああ」
頭のてっぺんから足の先までじんわりと伝わる快感に、押し上げられ今までにない達し方をしてしまった。
「重いの、グレン、これ、重い……だめぇ……」
「ん~? これ好きそうだね?」
「ちがっ! やぁぁあ!! 変になっちゃっ!!」
「変になってもいいよ。もっと可愛い顔見せて」
「ゃ、まって! 休ま……ぁん!」
どれだけ懇願しても、律動は止まらない。
時間感覚がなくなるほどゆっくりと愛され、数えられないほどイかされた。
「やっ、もっやぁ!」
イき過ぎた身体に蓄積された快感が怖くなってきた。
グレンが動くたびぷしゃぷしゃと何かが漏れ出る事も相まって、生理的な涙はまた姿を変える。
「グレンっ、こわい、あっゃ、こわいよ、ふぁあ……ぐすっ、やだって……言ってるのに……ひっく」
本格的に泣き始めてしまった私に、グレンは蜜壺から己を引き抜き、焦った顔で私を抱きしめた。
「ごめん。調子に乗った」
優しく抱きしめられ、やっとゆっくり息を吸い込むことができた。
グレンの頬に手を添えると、いつの間にか頬にあったはずの竜鱗が無い事に気が付いた。
お腹に当たる剛直も一つだけだ。
空気に触れている身体も快感を拾わない。
自身の身体の変化と、彼の変化に気が付かないほどイかされ続けていたらしい。
「いつ戻ったの?」
「回復魔法使った辺りには魔力制御が出来るようになったから……」
「……だいぶ前、よね?」
「そうだね。ユキノから想いを口にされて調子に乗った。本当にごめん」
「次から気を付けてくれたら……それでいいよ」
「! ありがとう!」
許されないと思っていたのだろう。
抱きしめられる腕に力が籠もった。少し苦しい。
「仕切り直し、して?」
「……いいの?」
「うん。もっとグレンを感じたい。今度は優しく、ね?」
「っ、仰せのままに」
泣き出しそうなグレンに畳み掛ける。
「グレン。愛してる」
「俺も愛してる。ユキノだけだ、ずっと」
どちらからともなく唇を重ねた。
触れるだけの可愛らしい口づけ。
そんな子どもっぽい行為に、額同士をくっつけて笑い合った。
◇◆◇
登り始めた太陽を恨みがましく睨み付ける。
あれからグレンが満足出来るまで何度も愛し合った。その結果がこれだ。
今はグレンに腕枕されながら痛む身体を労っている。
「おはよう」
「おはよう。……やりすぎじゃない?」
「そんなことない。もっとユキノを堪能したいところだよ」
「ひぇ……絶倫!」
「なんとでも?」
お互い顔を見合わせ吹き出した。
「もうっ、でも私、真剣に悩んでたのに。酷くない? 一世一代の告白だよ?」
「ごめんごめん。でも、俺のために泣くユキノを見たら、可愛くて可愛くて。もっと啼かせたくなった」
悪びれる事なく言い放った。
「馬鹿にしてたわけじゃないから、いいけどね」
「本当、俺のお嫁さん可愛すぎない?」
「なんでそうなるのよ。結局大事な話もまだだし……」
「もちろん聞くよ。今日一日はオフだからね」
「ありがとう」
痛む身体に回復魔法をかけてもらい体を起こす。
竜鱗もヘミペニスもないグレンの身体をじっと見つめる。
綺麗だったのに、もったいない。あ、でも、もう二つは無理かも。
私の視線に気が付いたグレンが寝転んだままこちらを向き頬杖をつく。
「そんなに見つめられると照れるんだけど……まだ物足りない?」
スチル顔負けの優しい眼差しで微笑むグレンに、くらっとした。
流石はアブノーマルな陵辱物エロゲーの隠しキャラ。破壊力が高い。
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