転生令嬢は逃げ出したい 〜絶倫ルート回避したはずなのに、何故か別の絶倫ルートに入ったんですが!?〜

稲雀あや

文字の大きさ
上 下
14 / 37

第十三話「悪戯のその先」

しおりを挟む
第十三話「悪戯のその先」
 数え切れないほどの絶頂の後、満足気なグレンに抱えられ寝台へと導かれた。
 その頃には自分では支えられなくなっていた為、彼のなすがままにされる身体。
 寝台に横たえた私を労るように頭を撫でられ気持ちよさに目を細める。
 同じく横たわったグレンに声をかける。

「……グレン」
「ん? どうしたの?」
「キス、しないの?」

 誘惑に応えるという名目で行為が始まってからというもの、口づけすらなくイかされ続け、そろそろ寂しくなったきた。
 私のおねだりが予想外だったのか、目を丸くしてるグレンの形の良い唇へ自身の唇を押し付ける。
 彼がいつもするように唇を舐めれば、驚きに唇が薄っすらと開く。
 これ幸いと舌を押し込めば、奥へと縮こまる舌。

 可愛い。

 驚愕のあまり固まってしまっているグレンをもっと困らせたくて、私は調子に乗った。

 その後に来るであろう報復を鑑みずに。

 歯列をなぞった舌が上あごの裏を掠めた瞬間、グレンの肩がびくりと跳ねた。
 反応が面白くて目を開けると、恨みがましそうにこちらを睨む目と視線がかち合った。
 思わず笑ってしまいそうになったがなんとか堪え、見つけたポイントを執拗に舐める。

「っ、ふっ」

 声が出ないように我慢しているのだろう。
 彼は眉間にしわを寄せ、刺激に耐えているようだ。
 グレンの反応に満足した私は、ねちねちとした攻めを終え唇を離す。

「おまっ!!」

 口を離した途端に飛んでくる抗議の声。
 その慌て上擦った声ににんまりと笑う。

「いつものお返し」
「~っ!! 全く、君ってやつは……!!」

 少しだけ赤くなった顔を隠すように馬乗りになったグレンはもう一度乱暴に口づけた。

「んむ、っあ」

 ついさっき私が彼にした行為がバージョンアップされて返される。
 当たり前のように入って来た舌が歯列をなぞり、さらには歯茎すらも撫でられ、ぞわりと背筋に快感が走る。

「ふぁ……」

 焦らすように歯列の内側をなぞられ、期待に満ちた声が漏れてしまう。
 その声に心得たと言わんばかりに、上顎の裏側を舌が掠めた。

「んっ!?」

 いきなりの大きな刺激に目を開けると、そこにはにんまりと三日月型に歪んだ瞳。
 舌が動くたび、はしたない水音が響く。
 それは口の中に溜まった唾液で、もはやどちらのものかも分からないぐらいに溜まり、収まりきらない唾液が口の端から溢れている。
 長い長い口づけから開放され、 咥内を蹂躙され尽くした私が聞いた言葉に耳を疑いたくなってしまった。

「また俺を誘惑するってことは、まだシたりないって解釈でいいよね」
「え……今日はもうしないんじゃ……」

 優しげに頭を撫でてきたはずの彼の目は、さながら獲物を捕えた猛禽類のようだ。
 鋭い瞳にきゅんと高鳴る自身の胸が恨めしい。

 正直白状するなら、顔も、声も、体つきだって、全てが好みなのだ。
 タイプの男性に迫られ、溶かされる日々に幸せを感じないわけではない、
 しかし、彼は攻略対象で、私はヒロイン。
 彼に芽生えている感情は所詮シナリオに強制されたものだ。

「またその顔。何がそんなに不安? 俺が他の女性に見向きすると思ってる? 結婚もして、一夫多妻制の権利も放棄した。それに、俺は君を心の底から愛しているよ?」
「……どんな顔?」

 グレンの告白にわざと気付かないふりをして、質問に質問をぶつける。
 しかし、彼は嫌な顔一つせず答えをくれた。

「迷子の子供みたいな顔」
「なにそれ」

 彼の言葉に思わず笑みが溢れた。
 こつんと額同士が合わさり、至近距離でまた愛を囁かれる。

「俺だけのユキノ。愛してる。君が何に怯えているのか分からないけど、俺は絶対に君を裏切らないと誓うよ」
「……ん。ありがとう」

 中途半端な気持ちで返事はしたくなくて、感謝を口にした。

「それじゃ、続きしようか」
「ひゃっ!?」

 脇腹を撫で上げられ、ぞわぞわとした何かが快感に変わる。

「さっきは挿れられなかったからね。俺も一緒に気持ちよくさせて?」
「え、まっ……ぁっ!!」

 先程まで快感に翻弄されていた身体は正直で、蜜壷はすでに濡れそぼり、埋められた指を咥え込んで離さない。

「んん! っはぁ」
「これならすぐ入りそうだね? 期待してたの?」
「そんなこと……ゃあっ!」

 埋まった指がGスポットを掠め、いきなり与えられた強い刺激に、視界が霞み始める。
 高みへと誘われる寸前の予兆に嫌々と首を振る。

「や、まって、ゃっ」
「待たない」
「ゃだ、まっ、ああああぁああ!!」

 張り詰めていた糸が切れるが如く力の抜けた身体に楔が打たれる。

「んんんん!?」

 それだけでチカチカとする視界がまた弾けた。

「ふっ、挿れただけでイッちゃったの? 可愛いな」
「んぁ、ゃあっふぁ」
「気持ちいい?」

 ゆったりとしたリズムで抽送を繰り返され、また弾ける寸前まで高められる。

「あ……ど、してぇ」

 あと一歩で弾ける。
 そう覚悟した直後に抽送が止まった。

「ちゃんと気持ちいいって言えたらイかしてあげる」
「そんなっ、ゃあっ!」

 くらくらする良い笑顔で言われ、抽送が再開する。

「あっあぁあ、ぁっやぁ!!」
「んー?」

 ぬちゃぬちゃと音が響く。

「や、もっだめゃ、はぁっ、あっ……」
「そんな残念そうな目で見ないでよ。もっといじめたくなる」

 静まり返った部屋にまた卑猥な水音が響き出した。




 どれほど時間が経っただろうか。
 時間感覚が無くなるほど、イく寸前で止めれ続け、イけない時間が続いていた。

「も、ゆるしてぇっゃああっ!!」
「強情だなぁ」

 極限まで高められた身体は抽送を再開するとすぐにでも弾けそうだが、グレンはそれを許さない。

「んぁあ、おかしくっなるぅあっああゃ、どッしてぇ……」
「気持ちいいって言ってごらん? すぐにイかせてあげる」
「やぁ……恥ずかしいっぁはっ」
「じゃあずっとこのままだよ?」

 ぐじぐじに溶かされた顔を両手で覆い、羞恥心と葛藤する。
 またイけないようにゆっくりとした抽送が始まった。

「んっ、あっ……グレンっあ」
「どうしたの?」
「ふっぁ、気持ち、いいのっ! ……ひゃっ、あ」
「よくできました」
「ぇ、~~っ!!!?」

 腰をがっしりと掴まれて今まで以上に深く突かれれば、蓄積された快感が一気に弾けてしまう。
 今までにないくらい両脚がピンッと張り詰め痙攣し、声すら出ない。
 詰まった息を吐き出す暇さえ与えられず、さらに奥へと抽送が続く。

「そんなに良かった? じゃあ明日からもしようか」

 グレンの絶望的な言葉に反論出来ず、ただ享受される快楽に媚態を晒す事しか出来ない。
 イき続ける身体を制御できず、

「ぁっ~!!!」

 というような声にならない声しか出せない。

「くっ、締めすぎだ。出すぞ!」

 そう宣言したグレンはより一層激しく抽送を繰り返し、果てた。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

魚人族のバーに行ってワンナイトラブしたら番いにされて種付けされました

ノルジャン
恋愛
人族のスーシャは人魚のルシュールカを助けたことで仲良くなり、魚人の集うバーへ連れて行ってもらう。そこでルシュールカの幼馴染で鮫魚人のアグーラと出会い、一夜を共にすることになって…。ちょっとオラついたサメ魚人に激しく求められちゃうお話。ムーンライトノベルズにも投稿中。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

処理中です...