転生令嬢は逃げ出したい 〜絶倫ルート回避したはずなのに、何故か別の絶倫ルートに入ったんですが!?〜

稲雀あや

文字の大きさ
上 下
8 / 37

第七話「王子の困惑」

しおりを挟む
 好いた相手に初めて名前を呼ばれ、その上自身が欲しいと蕩けきった顔で強請られる。
 自ら恥ずかしげもなく両足を広げ、見せつけるように誘う姿は、あまりにも蠱惑こわく的だ。

「くっそ! 反則だろっ!!」

 パンツをくつろげ、反り立った自身を彼女のソコにあてがう。

「あは♡ はやくっもう待てないのぉ」

 彼女の足が俺の腰を挟み、奥へといざなうように腰を振り出す。
 己で破瓜しようとする様に、まだだと腰を引けば、残念そうな声が上がる。

「あとちょっとだったのにぃ」
「ユキノ。初めてなんだから、ゆっくりしよう?」
「やーだ。もっと激しいのがいいの。ねぇ、グレン? 好きに動いて?」

 初めては優しく抱こうと決めていた、その決心が崩れていく音が聞こえた気がした。

「どうなっても知らないからな。ユキノ、愛してる」
「ぇっ、んんんんんん!!?」

 身体を密着させ、口づけど同時に膜の奥まで自身を埋めた。
 痛みに涙を浮かべる彼女に回復魔法を使う。
 膜まで再生させないよう細心の注意を払い痛みを和らげ、ゆっくりと腰を動かす。

「これで痛くないだろ?」
「ん、ひゃぁ、これだめ! だめなのぉ!!」

 指で弄っていた時に見つけた浅めのポイントを重点的に攻めてやれば「いや、やだ、むり」と涙ながらに訴えられる。
 痛みが無くなれば、彼女を襲うのは快楽だけなのを知りながら、快楽の先へと追いやるのは酷だろうか。
 浅い場所だけで何度も達する姿に、口角が釣り上がる。

 可愛い。もっと鳴かせたい。

 初めてのくせに何度も中で達せるのは素質だろう。

「煽ったのはユキノだろ? もっと乱れて。もっと可愛い姿を見せて」
「ぁ、またきちゃう! ゃあああああああ!!! まってぇああ、やぁ、もうむりぃ」
「ん? もっと奥がいいって?」

 焦らし続けた奥まで一気に押し込んだ。
 
「~~~~っ」

 声にならない声を上げ、一気に上り詰めたユキノを抱きしめ、一心不乱に奥だけを攻める。

「ぅあ、あっあ、あぁ!!」

 彼女に股を開いた時の威勢はもうなく、咽び泣くだけ。
 襲い来る快感を逃がそうと身体をよじるが、そんなこと許さない。
 彼女の両手を片手で封じ、空いている手で芽芯を潰す。
 また大きく跳ねた小さな腰に笑みを浮かべ、彼女に問いかける。

「ねぇ、ユキノ。気持ちいい?」
「ん、ぁひゃあ」

 いまだに気持ちいいとその一言が口から出ない。

「答えて。ね、ユキノ? 気持ちいい?」

 ぐりぐりと刺激すれば、小さな口から嬌声を上げる。
 だけど聞きたいのはそれじゃない。
 上り詰めた快感が弾ける寸前で抽送をやめ、彼女の顔を覗き込む。

「ぇ」
「ちゃんと言ったらイカせてあげる。気持ちいい? ユキノを抱いてるのは誰?」
「そんな……恥ずかしい……」

 いじらしく頬を赤く染め、視線を逸らされた。

「じゃあ、おしまいにしようか」
「ううう」

 高められ少しで弾けるというところで止められるのは耐え難いだろう。

「グレン」
「ん~?」

 やんわりと刺激を続ければ、潤んだ紫紺の瞳が揺らぐ。

 あと少しで落ちるな。

 優しく芽芯を擦り、もう一度高めていく。

「あ、あぁ! ……ぁ、っやめないでよぉ」

 また弾ける寸前で止めれば、瞳から大粒の涙を溢れさせる。

「ちゃんと言えたらイカせてあげる」

 抽送を再開し、今度は形を覚えさせるようにゆっくりと動かす。
 激しい快感ではなく優しく与えられる快感に、彼女は堪えられないと首を振った。

「きもちいいの、ゃあ、だめ! これぇ、きもちよすぎてっ! おかしくなるっ!!」
「いい子。じゃあご褒美あげような」
「え、や、今はっあああああああ!!!」

 一度抜けない程度まで先まで引き抜き、一気に奥へと押し込んだ。
 それを起点にゆったりとした抽送から、激しいものへと変える。
 彼女は奥へと押し込んだだけで達してしまったが、お構いなしに腰を動かす。

「あぁ! ゃあうん、はッああああ!!」
「可愛いなぁユキノ」
「グレンっぅ、やあ、変になっちゃああ!!」

 彼女が達する度に締め付けが強くなる。

「もう逃さない。愛してるよ、ユキノ」
「あっあ、それだめそえあっ――――!!!!!」

 彼女の中に精を吐き出し、ぐったりと寝台に体を沈めている彼女に口づけを送る。

「んっ」
「まだ足りない。もうちょっと付き合って」
「え、やぁ」
「いい眺め」

 彼女の体を反転させ、昂りの収まらない己を挿入した。
 シミひとつない綺麗な背中が反り返り、形の良い尻が抽送と同時に揺れる。
 腕に力が入らないのか彼女は寝台に顔を埋め嬌声を上げている。

「もっと俺を感じて。ね?」
「ああああ! もぅゆるしてぇ」

 懇願する彼女を貪るように、何度も何度も体位を変え、交わった。



 ◇◆◇



「ごめんなさい、あんまり……その、覚えていなくて……?」

 二日かけて抱き潰し、続きはユキノが起きてからだと水を汲んできた直後のことだ。
 彼女の言葉に耳を疑った。

「……覚えていない?」

 確かに彼女は酒に溺れていたが、はっきりと喋っていたし、記憶を失うとは考えられなかった。

「俺の名は、グレン・フォン・シエロニア」

 名乗れば目に見えて固まったユキノ。

 忘れたなら、嫌でも思い出させてやる。

 そう決意し、俺は彼女へと近づいた。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

魚人族のバーに行ってワンナイトラブしたら番いにされて種付けされました

ノルジャン
恋愛
人族のスーシャは人魚のルシュールカを助けたことで仲良くなり、魚人の集うバーへ連れて行ってもらう。そこでルシュールカの幼馴染で鮫魚人のアグーラと出会い、一夜を共にすることになって…。ちょっとオラついたサメ魚人に激しく求められちゃうお話。ムーンライトノベルズにも投稿中。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

処理中です...