Angel tears

まつも☆きらら

文字の大きさ
上 下
15 / 37

第15話

しおりを挟む
風呂から上がった俺はタオルを腰に巻き、バスローブをはおったムウの手を取りムウの部屋へ向かった。


ムウは無言のまま俺について来てくれた。


ベッドにムウの体を横たえ、俺はその上に覆いかぶさるとムウの唇にキスをした。


やわらかく、少し湿った唇はしっとりと吸いつくようで―――


夢中でキスを繰り返すうちに、体は熱くなり、ムウはそのしなやかな腕を俺の首に回した。


「ムウ・・・・好きだよ・・・・」


「アキ・・・・・」


ムウの大きな瞳が潤み、熱っぽく俺を映していた。


男を抱くのは初めてだけれど、何も抵抗を感じることはなかった。


それどころか、もっとムウを感じたくて、もっと触れたくて、ムウが堪らなく愛しく思えた。


滑らかな素肌を撫で上げるように手を滑らせると、ムウがピクリと震えた。


「っ・・・・・ぁ・・・・」


恥ずかしそうに目を瞑るムウが可愛くて、その瞼にキスをする。


柔らかい栗色の髪を指に絡ませ、耳を舌先で擽るように弄ると、くすぐったそうに身を捩る。


「や・・・・っ、くすぐった・・・・」


「んふふ、ムウ、可愛い」


「何笑ってんの、もう・・・・恥ずかしくなるじゃん・・・・」


頬を染めて俺を上目使いに睨みつけるムウが、堪らなく可愛い。


「ムウが可愛いから。俺、こんなに人を可愛いと思ったこと、ないよ」


「え~、俺、可愛くなんてないよ」


「ふふ、ムウはかわいいよ」


本当に、可愛いと思った。


顔が、とか、そういう具体的なものじゃなくて・・・・いや、顔もかわいいんだけど。


何もかもが、可愛い、その存在自体が愛しくて仕方ないのだ。


そんな存在に、今まで出会ったことないし、これから先もきっと出会えない。


そう、俺はこの時に確信したんだ・・・・。


程よく筋肉の付いたその白い肌にその存在をかわいく主張している薄桃色の尖りを口に含み、舌先で転がすように愛撫すると途端にムウの体が跳ね、その口から荒い息が漏れた。


「んぁ、ぁっ・・・・ふ・・・・」


バスローブをベッドの下へ落とし、細い腰に手を滑らせ下半身の中心へ手を伸ばす。



すでに固くなっているそれに、俺に感じてくれているんだと嬉しくなる。


何も、抵抗なんかなかった。


悩む必要なんかなかったんだ。


ムウは、こんなに俺を求めてくれてた・・・・・。


「アキ・・・・アキ・・・・好き・・・・」


まるでうわごとのように俺の名を呼び、手を伸ばし俺の髪をなでるムウ。


その細くて長い指の感触に快感を覚えながら、俺は固くなったムウのそれを口に含んだ。


「んんっ、ぁっ・・・・・んぁ・・・・ッ」


ぴちゃぴちゃと卑猥な音をたてながら、下から上へと舌を動かし指で撫でるようにすると、先端から透明な液体が先走り始める。


「ひゃ、や、ぁっ・・・・んッ、ア、キ・・・・・ぁっ、ぁっ」


背中をのけぞらせ、もう限界が近いことを知らせるムウ。


俺はそれを咥えたまま、固くなったものに軽く歯をたてた。


「んぁっ、あ・・・・ッ」


大きく体がのけぞり、俺の口の中に勢いよく熱い液体が吹き出した。


「え・・・・アキ、飲んじゃったの・・・・?」


ごくんとそれを飲み込んだ俺を、ムウが目を丸くして見る。


「ん」


「うわ、やだ、まずそう!吐き出しちゃっていいのに!」


「ムウのだもん、平気だよ」


ふふ、と笑う俺をムウは複雑な表情で見つめ―――


「―――アキって、バカだね」


そう言って、俺の頭を抱きしめた。


「―――愛してるよ」


その声は、ちょっと震えていて―――


俺はムウの顔を見ようとしたけれど、ムウが俺の頭を抱え込んでいてさせてくれなかった。


仕方ないので、そのままムウの胸に舌を這わせてみる。


「ひゃっ、んぁ、もう・・・・、アキ・・・・ッ」


「まだ、終わりじゃないよ・・・・・」


再びムウの中心に手を伸ばしねっとりとしたその蜜液を手につけ、ムウの後ろに伸ばす。


「ぁっ、んッ、い・・・・ッ」


指を挿入すると、ムウの顔が一瞬苦痛にゆがむ。


それでも、俺を求めるようにその手を伸ばし、俺の頬に触れる。


「アキ・・・・っ、アキ・・・っ」


俺の名前を連呼するムウが、愛しかった。


指を2本に増やし、そこを押し広げるように抜き差しすると次第にムウの声が甘くなってきた。


俺は指を抜くと、自分のモノをそこへ押しつけた。


「あぁっ、んッ、あ、」


「ムウ・・・・かわい・・・・」


苦痛にゆがんでいたムウの顔が徐々に快感に震えはじめ、その赤い唇からは甘い声が零れ始めていた。


「あ・・・・・ッ、ムウ・・・・ムウ・・・・ッ」


ムウの中は熱くて、そして今まで感じたことのない快感を俺に与えた。


もう、離せない。


俺は、完全にムウに溺れていた・・・・・。


「んぁっ、んッ、アキっ」


「ムウ・・・・ッ、一緒に・・・・、いこ・・・・ッ」


俺に揺さぶられながらも、こくこくと首を縦に振るムウの腰を両手でつかみ、俺は勢いよくムウの中に腰を打ちつけた―――。


ムウの中に熱いモノを吐き出したのと同時に、ムウの精液が俺の腹に飛び散った・・・・・。







「―――ムウ、愛してる」


何度もキスをして、何度も愛を囁いて。


それでも足りないと感じてしまう。


「んふふ・・・アキ、そればっか言い過ぎ」


ムウがおかしそうに笑う。


「だって愛してるんだもん。ムウは愛してない?」


「愛してるよ。アキのこと、愛してる。ずっと・・・・ずっと、大好きだよ」


その時のムウの顔は今にも泣き出しそうで


だけど、すごくきれいで・・・・


俺は絶対忘れないって、そう思ったんだ・・・・・。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】白い森の奥深く

N2O
BL
命を助けられた男と、本当の姿を隠した少年の恋の話。 本編/番外編完結しました。 さらりと読めます。 表紙絵 ⇨ 其間 様 X(@sonoma_59)

【完結】『ルカ』

瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。 倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。 クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。 そんなある日、クロを知る青年が現れ……? 貴族の青年×記憶喪失の青年です。 ※自サイトでも掲載しています。 2021年6月28日 本編完結

友達が僕の股間を枕にしてくるので困る

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
僕の股間枕、キンタマクラ。なんか人をダメにする枕で気持ちいいらしい。

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした

亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。 カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。 (悪役モブ♀が出てきます) (他サイトに2021年〜掲載済)

出戻り聖女はもう泣かない

たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。 男だけど元聖女。 一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。 「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」 出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。 ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。 表紙絵:CK2さま

【R18】奴隷に堕ちた騎士

蒼い月
BL
気持ちはR25くらい。妖精族の騎士の美青年が①野盗に捕らえられて調教され②闇オークションにかけられて輪姦され③落札したご主人様に毎日めちゃくちゃに犯され④奴隷品評会で他の奴隷たちの特殊プレイを尻目に乱交し⑤縁あって一緒に自由の身になった両性具有の奴隷少年とよしよし百合セックスをしながらそっと暮らす話。9割は愛のないスケベですが、1割は救済用ラブ。サブヒロインは主人公とくっ付くまで大分可哀想な感じなので、地雷の気配を感じた方は読み飛ばしてください。 ※主人公は9割突っ込まれてアンアン言わされる側ですが、終盤1割は突っ込む側なので、攻守逆転が苦手な方はご注意ください。 誤字報告は近況ボードにお願いします。無理やり何となくハピエンですが、不幸な方が抜けたり萌えたりする方は3章くらいまでをおススメします。 ※無事に完結しました!

子悪党令息の息子として生まれました

菟圃(うさぎはたけ)
BL
悪役に好かれていますがどうやって逃げられますか!? ネヴィレントとラグザンドの間に生まれたホロとイディのお話。 「お父様とお母様本当に仲がいいね」 「良すぎて目の毒だ」 ーーーーーーーーーーー 「僕達の子ども達本当に可愛い!!」 「ゆっくりと見守って上げよう」 偶にネヴィレントとラグザンドも出てきます。

高嶺の花宮君

しづ未
BL
幼馴染のイケメンが昔から自分に構ってくる話。

処理中です...