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第20話
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あの今野と会ったとき、明らかに皐月の様子がおかしかった。
顔がこわばり、目を合わせようとしない。
「あの、その当時ここにいた職員の方は今もここにいたりしますか?」
園長以外の職員で、知ってる人間がいるかもしれないと思ったのだ。
「そうですねえ。藤崎さんは、確かあの時いたと思いますけど・・・」
「ええ、天宮皐月くんのことならよく覚えています」
園長よりも少し若い印象の、メガネを掛けた真面目そうな女性は庭で遊ぶ子供たちに目を配りながらそう言った。
「皐月くんと、今野俊樹さんの2人の関係性について、ご存知のことはありますか?」
関のその言葉に、藤崎さんの顔色が突然変わり、唇をきゅっと結んだ。
「・・・・俊樹くんは・・・・とても乱暴な子で・・・・・みんなから怖がられていて・・・・」
「園長先生も、そうおっしゃっていました。ですが、皐月くんの態度は他のみんなとは違ったようだと聞いたんですが」
「ええ、確かに。皐月くんは俊樹くんの前でもひるむことなく、堂々としていました」
「それが、ある日を境に急に態度が変わったとか」
その言葉に、藤崎さんの肩が震えた。
「・・・ええ・・・・」
「何か、ご存知なんですね?教えてください。彼らの間に何があったんですか?」
「・・・・はっきりとは、わからないんです。ただ・・・・」
「ただ?」
「当時、小学6年生の子で、西村サキちゃんというとてもきれいな女の子がいて・・・・大人っぽい子で、とてもしっかりした子だったんですけど、俊樹くんは彼女のことをとても気に入って集中的にからかったり、ちょっかいを出していたんです」
「西村サキさん・・・・」
「サキちゃんは、俊樹くんのことをとても怖がっていて・・・・皐月くんは、いつもサキちゃんと俊樹くんの間に入るようにして彼女を守っていたんです。でも・・・・ある日を境に俊樹くんは全くサキちゃんに構わなくなりました。そしてその頃から俊樹くんの皐月くんへの態度も変わったんです。暴力をふるうことはなかったけれど、いつもにやにやしながら皐月くんのことをじっと見ていて・・・・」
「3人の間に、何かあったと?」
「わかりません。皐月くんも、サキちゃんもなにも話してはくれませんでした。わたしたちも、気をつけて見てはいたんですけど・・・・結局、理由はわかりませんでした」
「そうですか・・・・。その、西村サキさんという方が、今どうしているかはお分かりになりますか?」
俺たちは藤崎さんに西村サキが引き取られて行ったという彼女の親戚の住所を聞くと、養護施設を後にしたのだが・・・・。
車に乗り込む直前、関が急にぴたりと足を止めた。
「―――すいません、ちょっとトイレ借りてきます」
「おお、早くしろよ」
「はい」
そう言ってちょっと笑うと、関は施設内へと戻って行った。
「藤崎さん」
「あら刑事さん。まだ何か?」
藤崎さんが俺を見て目を見開く。
「すいません、もう少しだけ、聞きたくて。あなた、本当は皐月くんと今野俊樹の間に何があったのか知ってるんじゃないですか?」
俺のストレートな質問に、藤崎さんの顔色がさっと変わった。
―――やっぱり。
「教えてください。彼らの間に、何があったのか」
顔がこわばり、目を合わせようとしない。
「あの、その当時ここにいた職員の方は今もここにいたりしますか?」
園長以外の職員で、知ってる人間がいるかもしれないと思ったのだ。
「そうですねえ。藤崎さんは、確かあの時いたと思いますけど・・・」
「ええ、天宮皐月くんのことならよく覚えています」
園長よりも少し若い印象の、メガネを掛けた真面目そうな女性は庭で遊ぶ子供たちに目を配りながらそう言った。
「皐月くんと、今野俊樹さんの2人の関係性について、ご存知のことはありますか?」
関のその言葉に、藤崎さんの顔色が突然変わり、唇をきゅっと結んだ。
「・・・・俊樹くんは・・・・とても乱暴な子で・・・・・みんなから怖がられていて・・・・」
「園長先生も、そうおっしゃっていました。ですが、皐月くんの態度は他のみんなとは違ったようだと聞いたんですが」
「ええ、確かに。皐月くんは俊樹くんの前でもひるむことなく、堂々としていました」
「それが、ある日を境に急に態度が変わったとか」
その言葉に、藤崎さんの肩が震えた。
「・・・ええ・・・・」
「何か、ご存知なんですね?教えてください。彼らの間に何があったんですか?」
「・・・・はっきりとは、わからないんです。ただ・・・・」
「ただ?」
「当時、小学6年生の子で、西村サキちゃんというとてもきれいな女の子がいて・・・・大人っぽい子で、とてもしっかりした子だったんですけど、俊樹くんは彼女のことをとても気に入って集中的にからかったり、ちょっかいを出していたんです」
「西村サキさん・・・・」
「サキちゃんは、俊樹くんのことをとても怖がっていて・・・・皐月くんは、いつもサキちゃんと俊樹くんの間に入るようにして彼女を守っていたんです。でも・・・・ある日を境に俊樹くんは全くサキちゃんに構わなくなりました。そしてその頃から俊樹くんの皐月くんへの態度も変わったんです。暴力をふるうことはなかったけれど、いつもにやにやしながら皐月くんのことをじっと見ていて・・・・」
「3人の間に、何かあったと?」
「わかりません。皐月くんも、サキちゃんもなにも話してはくれませんでした。わたしたちも、気をつけて見てはいたんですけど・・・・結局、理由はわかりませんでした」
「そうですか・・・・。その、西村サキさんという方が、今どうしているかはお分かりになりますか?」
俺たちは藤崎さんに西村サキが引き取られて行ったという彼女の親戚の住所を聞くと、養護施設を後にしたのだが・・・・。
車に乗り込む直前、関が急にぴたりと足を止めた。
「―――すいません、ちょっとトイレ借りてきます」
「おお、早くしろよ」
「はい」
そう言ってちょっと笑うと、関は施設内へと戻って行った。
「藤崎さん」
「あら刑事さん。まだ何か?」
藤崎さんが俺を見て目を見開く。
「すいません、もう少しだけ、聞きたくて。あなた、本当は皐月くんと今野俊樹の間に何があったのか知ってるんじゃないですか?」
俺のストレートな質問に、藤崎さんの顔色がさっと変わった。
―――やっぱり。
「教えてください。彼らの間に、何があったのか」
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