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ずっとそばにいる
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―――『みんなが好き』―――
4人に対するそんな気持ちを自覚して数ヶ月。
俺は生徒会活動にも慣れ、いつの間にかそこでの俺の役割もできて来ていた。
「今日はチーズケーキ作ってきたよ」
朝から生徒会室の冷蔵庫に入れて冷やしておいたチーズケーキを出すと、4人の目が輝く。
「すげえ!これ貴良くん作ったの!?」
「たかちゃんまた腕上げたんじゃない?」
「美味そう!俺チーズケーキ大好き!」
「貴良の作ったものだったら何でもうまいよ」
「んふふ。紅茶入れるね」
放課後にいつもこの生徒会室に5人で集まる。
その時に食べるスイーツを、たまに俺が作っているのだ。
もともと料理が得意だったわけではないけど、ここでみんなで集まって食べている時の雰囲気が好きで。
その時に食べたいものを自分で考えて作り方を調べて練習したのだ。
4人が美味しそうに食べてくれるのが何よりうれしかった。
ここには、俺の居場所がある・・・・・
「そういや、匠さんももうすぐ卒業だね」
ナリの言葉に、俺ははっとしてケーキを食べる手を止めた。
卒業・・・・・
そんな当たり前のことに、改めて気付いて胸に鈍い痛みを感じた。
「ん~、まぁ、隣に行くだけだけどね」
この学校は幼稚舎から大学院までエスカレーター式で上がれる学校だ。
もちろんそれぞれに進学するためには試験があるし、途中から編入してくるもの、逆に他の学校へ転校していくものもいるが。
大学の校舎は同じ敷地内にあり、図書室やカフェテリアなど共同スペースもある。
だから卒業してもすぐに会いに行けるのだ。
だけど・・・・・
「けど、生徒会はもう引退だもんなあ」
しみじみと言う田部くん。
「匠くんがいなくなったら、ちょっとさびしいね」
「でもどうせ遊びに来るんでしょ?」
「うん。貴良に会いに来る」
匠の言葉に、俺は顔を上げた。
匠が、俺を優しい眼差しで見ていた。
「大丈夫だよ、貴良。俺はずっとそばにいるから」
「匠・・・・」
なんでこの人は、俺の気持ちがわかるんだろう。
匠だけじゃなくて4人とも。
一緒にいる時間が長くなって、この4人には何も言わなくても気持ちが通じると思うことが多くなってきた。
こんなこと、今までなかった。
本当に大事な存在。
その存在が、俺の傍からいなくなってしまう・・・・
俺は、それが何よりも怖かった・・・・・
4人に対するそんな気持ちを自覚して数ヶ月。
俺は生徒会活動にも慣れ、いつの間にかそこでの俺の役割もできて来ていた。
「今日はチーズケーキ作ってきたよ」
朝から生徒会室の冷蔵庫に入れて冷やしておいたチーズケーキを出すと、4人の目が輝く。
「すげえ!これ貴良くん作ったの!?」
「たかちゃんまた腕上げたんじゃない?」
「美味そう!俺チーズケーキ大好き!」
「貴良の作ったものだったら何でもうまいよ」
「んふふ。紅茶入れるね」
放課後にいつもこの生徒会室に5人で集まる。
その時に食べるスイーツを、たまに俺が作っているのだ。
もともと料理が得意だったわけではないけど、ここでみんなで集まって食べている時の雰囲気が好きで。
その時に食べたいものを自分で考えて作り方を調べて練習したのだ。
4人が美味しそうに食べてくれるのが何よりうれしかった。
ここには、俺の居場所がある・・・・・
「そういや、匠さんももうすぐ卒業だね」
ナリの言葉に、俺ははっとしてケーキを食べる手を止めた。
卒業・・・・・
そんな当たり前のことに、改めて気付いて胸に鈍い痛みを感じた。
「ん~、まぁ、隣に行くだけだけどね」
この学校は幼稚舎から大学院までエスカレーター式で上がれる学校だ。
もちろんそれぞれに進学するためには試験があるし、途中から編入してくるもの、逆に他の学校へ転校していくものもいるが。
大学の校舎は同じ敷地内にあり、図書室やカフェテリアなど共同スペースもある。
だから卒業してもすぐに会いに行けるのだ。
だけど・・・・・
「けど、生徒会はもう引退だもんなあ」
しみじみと言う田部くん。
「匠くんがいなくなったら、ちょっとさびしいね」
「でもどうせ遊びに来るんでしょ?」
「うん。貴良に会いに来る」
匠の言葉に、俺は顔を上げた。
匠が、俺を優しい眼差しで見ていた。
「大丈夫だよ、貴良。俺はずっとそばにいるから」
「匠・・・・」
なんでこの人は、俺の気持ちがわかるんだろう。
匠だけじゃなくて4人とも。
一緒にいる時間が長くなって、この4人には何も言わなくても気持ちが通じると思うことが多くなってきた。
こんなこと、今までなかった。
本当に大事な存在。
その存在が、俺の傍からいなくなってしまう・・・・
俺は、それが何よりも怖かった・・・・・
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