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閑話 結束

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エリーナは父から契約魔法と共にアスランの中央大陸のことを聞いた。

エリーナは衝撃を受けた。そして、アスランが遠くへ行く嫌な予感がした。

ずっと会えなくなる…、そんな気持ちが今までの想いを呼び起こした。

「私ってこんなにもアスランのことが好きだったのね」

エリーナ本人はアスランに惹かれていると自覚していたが恋をした経験がなかったため、どうしていいか分からなかった。

その感情が爆発し、世で言う恋がこんなにも苦しいものだと気づいた。

寝ても覚めてもアスランの事ばかり考えてしまう。

そしてふとよぎった。もしかしてエミリアもそうなのかも…と。

居ても立っても居られないエリーナはお茶会と称してエミリアを呼び出した。

まずエリーナは契約魔法を施してまでアスランのことを知りたいか問うた。

エミリアは何も躊躇わずに頷いた。

そして、エミリアはアスランのことを聞いて涙した。

これ以上遠くに行くのはヤダと。

エミリアも本気でアスランのことを好きだと知ったエリーナは声をかけた。

「私ね、この話を聞いた時胸が苦しくなったの。そして気付いたのアスランのことが大好きだって」

「やっと気付いたのねエリーナも。私はそのずっと前からアスランが大好きだったわ」

「そ、そうよね。それでこれは提案なのだけど聞いてくれる」

「もちろんよ」

「アスランはこの度の褒賞式で表立って英雄となるわ。だからこそ私はエミリアと一緒にアスランを支えたいと考えてるの」

「長かったわ。エリーナからその言葉を言ってくれるのをずっと待っていたもの」

エリーナは目を見開いて驚いている。

「えっ、どう言うこと?」

「何のために一夫多妻制のことやアスランの想いをちょくちょくさらけ出してたと思っているの、全部親友のエリーナのためよ」

エリーナは涙目でいる。

「私はアスランのことが好きよ。でもね、真っすぐなエリーナのことも同じくらい好きなんだからね」

エリーナはエミリアの胸の中で泣いた。

「私は自分のことばかり考えていたのに、ゴメン」

「いいのよエリーナ。人を好きになるってことはそう言うことなのよ」

「だって、だって私は…。ズルイ人間なの」

エミリアはよしよしとエリーナを諭している。

「本当はアスランがエミリアのことを気にかけていることも知ってるの。知ってるからこそこんな提案をしたのに…、ゴメン、本当にゴメン」

エミリアは黙って聞いている。

「だ、だからエミリアより先に告白しないとって考えてばかり…、酷いよね私」

「それだけ恋をしてる証拠でしょ。よしよし」

「なんでエミリアはそんなに平気なの?」

「私はね、アスラン様を好きになった瞬間から私一人では支えられないと確信していたの。この方は世界を揺るがす英雄になるって。本当は私も独り占めしたいよ…、でもねあの人はこの世のためにも多くの子孫を残さなくてはダメなの」

それからもエリーナは醜い本音をさらけ出したが、エミリアがそれを全部受け入れた。
エリーナは初めて同じ女性として器の大きさで適わないなと痛感じた。

そして、全てを受け入れてくれたエミリアに感謝した。

「エリーナ?一世一代の私の考えるプランを聞いてくれる」

こうしてエミリアが考えた一世一代のエリーナの告白が世間を騒がしたことは言うまでもない。

さらにエミリアは最後にお茶目な頼み事をしていた。

「ここまで協力するのだから、アスラン様のファーストキスは私がいただくわよ」

ウインクをして伝えるエミリアに頷くことしか出来ないエリーナであった。
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