全展望監視国家

“最大多数の最大幸福”から“全人類の幸福”へと人類の思想は変化した。

人類は、他者と自己の隔絶を極限まで無くし、巨大な一個体として幸福になる事を目指した。

2080年日本。
総人口1億11万人の国家は、全展望監視国家へと変貌を遂げ、全ての人間を幸福にする事に成功した。

そして、投薬により、嫌悪、悲嘆、恐怖、激怒、不安、警戒という人間が抱く負の感情を消滅させる事に成功。

「然しそれを人間と呼べるのだろうか」と疑念を抱く主人公が、“幸福な人類”に対峙する物語。
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