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本当の本編(出会い)

隠滅失敗

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「…マズい。」

森の入り口に飛ぶと、結界が開きっぱなしだった。
そして、外に出るとよく分かる。
人間が4人と馬が2頭、森に紛れ込んでいる。

(魔法使い、とかじゃないでしょうね…)

普通の人間が結界を外から解除できるわけがない、つまり言い訳の余地が全く無い。
とりあえず結界を張り直して、飛ぶ。
場所は、お屋敷で使う薪を集める時の休息小屋だ。




飛ぶと、大木に馬車が繋ぎ止められていた。
一般的な貸し馬車で助かった。
これが貴族の家紋でも入っていたら、矛盾なく記憶操作したりと少々手間が折れるところだ。

(記憶を消して森の外へ放り出すか…)

何せここはだ。
平民がいくら大声で騒いだところで、怪談話が一つ増えるだけで済む。
ノックをし、相手の反応を待って、ドアを開けた。

(あ、犯罪者か…)

悪人面の男が3人、誘拐されてきたであろう少女が1人。
訂正。
誘拐か何か知らないが、お嬢様の森での狼藉。

よし、殺そう。

「こ、殺せ!」

「『死になさい』」

躊躇する必要も無いので、とりあえず間近の男の息の根を止める。
この程度の言霊にも抵抗レジストできないのなら、単なる人間だろう。
これならバレる前に片が付くだろう。

男は殺しても問題なし。
少女は…無益な殺生をするより、記憶を消して放り出そう。
決まったところで、何を勘違いしたのか少女にナイフを突きつける男に一言。

「じゃあ、そろそろいいですか?
 私も暇ではありませんので。」


「だったら、さっさとしなさい。」


背後から声がした。
…振り返りたくない。

「初めまして、誘拐犯…でいいのかしら?
 私はキャティと申します。
 では、ごきげんよう。」

最後の男を始末して、キャティが歩み寄る。
何でここに?
さっきまでお嬢様とエッチしていたのに?

「パティ。
 あなた、街から戻った時に結界を張るの忘れたでしょう。」

「そう…でしょうね。」

全部バレてる…

「そんなあなたに、お嬢様から伝言よ。
 『お仕置き』だって。」

(ヒッ!)

「来なさい!
 一緒に来て、お嬢様にご説明しなさい!」

少女の襟首を掴むと。

「『転移』」
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