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エピローグⅠ
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「引っ越さないか。」
うららかな昼下がり。
今日は二人揃っての休みの日で思い思いに椅子に腰かけお喋りに興じていたところへの突然の提案に面食らった。
僕に至ってはお気に入りのクッションソファにうつ伏せでだらしなく寄りかかり小気味よく弾む会話を楽しんでいたので一瞬なにを言われたのかわからなかった。
「なぁに、急に。」
小首を傾げながら尋ねる。
軽やかな音を立てて黒い三つ編みが背を流れた。
藪から棒にいったいなんだというのだろう。
「この部屋も手狭だろ? お前の持ち物も増えたし二人で暮らすと大家さんに伝えてあるとは言え、元々ここは一人暮らし用の部屋だから少し無理があると思ってな。」
そう言われてううんと唸ってしまった。
クッションソファの周りには僕の衣服や細々としたものが入れられた紙袋や大きな箱が乱雑に並んでいる。
確かにものは増えたとは思うけれどそれがすなわち即、手狭だから引っ越ししようなどという発想になるのだろうか。
「僕は今でも充分じゃないかと思うのだけど。」
なので思ったままを言ってみた。
途端、この部屋の家主である彼は困ったようにその太い眉を寄せてどうしようかという顔をした。
「費用の心配をしているのなら気にしなくていい。会社からの補助があるし親も保証人になると言ってくれてる。」
あぁ彼は本気なのだ。
言葉を選んではいるけれどこの部屋から出て別の家に住みたいのだ。
「なら、君のしたいようにするといい。でも僕は悪いけれど、金銭面では力にはなれないよ。」
在りし日の運命を手繰る力は最早ない。
僕自身の運はあまり良いものではないらしい。
魔人でなくなってから試しに買った宝くじは末賞にすらかすらず外れてしまった。
あれだけ狙って高額当選を出せたのに今やくじ引きひとつ当たらないのだ。
それを惜しいとは思わないけれど労働の対価の慎ましやかな給与ではこの部屋の家賃ですら払えない。
この部屋よりも広いところとなれば更に追いつかなくなることだろう。
心配しているのではなく迷惑をかけたくないのだ。
彼は知らないようだけど在留資格とやらは彼の願いを叶えるのが長期戦になると判断した際、魔人であったことをいいことにそれらしく経歴をでっち上げて運命を弄って手にしているけれどそれだっていつまで使えるかはわからない。
魔人の力を持たない自分はあまりにも無力だ。
できることは少なくて返せるものはもっと少ない。
こういったときに重荷にしかなれないのは辛い。
だからこの話題を嫌だなと思った。
「……この部屋には思い出が多い。できれば出たくない。でもたぶん、それだけじゃ駄目なんだと俺は思うんだ。」
少し風向きが変わってきたみたいだ。
考え考え言葉を形作ると彼は真摯に真っ直ぐとした視線でもってこちらを見つめてきた。
少し茶交じりの黒の三白眼は日本人特有の色合いをしているのにこの人のものだと思うと一等愛しく見えてしまうのだから不思議だ。
ちょっと強面の相貌をしているのに僕からするとそれすらかわいく映ってしまうのだ。
だって笑うとかわいい。
しあわせだなぁと呟かれて相好を崩されればこちらの胸も温かくなる。
いや、もちろん格好よくもあるのだけど。
あぁ余所事を考えている場合ではないや。
強い意思を感じさせるその眼差しをひたりと据えられるとこちらも真剣に相対しなければならない心持ちにさせられる。
クッションソファから起き上がりその上で正座をした。
「どうしてそう思い至ったのか、君の考えを聞かせて。」
改めて小首を傾げて聞いてみる。
褐色の指を口元にあてて考えるそぶりをしてみたけど恋人の言いたいことはよくわからなかった。
がしがしと頭を搔くと彼はうーんと腕組みをして言葉を組み立てようとしてみせた。
「たぶんなんだが、お前にとってこの家は砦なんだと思う。
お前を守る、最初で最後の砦。
でもだからこそ、ここを出ない限りお前は縛られたままなんじゃないかって俺はそう感じてしまうんだ。」
言われたことに驚いてぱちぱちと目を瞬かせた。
うん、言われてみてはじめて気が付いた。
砦、砦か。
そうかもしれない。
この部屋ははじめてこの男、アキラと出会った場所だ。
そして全ての願いを叶えた場所でもある。
だからこそ魔人としての僕が詰まった部屋でもありそこから脱却したその後の僕が立つところでもある。
有り体に言えば居心地がいいのだ。
願いを叶えたあとは僅かにだが力が滞留する。
まして長く生きた魔人であった自分を全て切り離したのだからその残留具合は歴代でも群を抜くほどだ。
今はその残滓を感じ取ることはできない身体になってしまったけれどどうやらその感覚を肌で覚えているものらしい。
この家にいるとなんだか息がしやすい気がするのだ。
それは恋人、アキラがいる空間だからと思っていたのだが、当人の見立てではどうやらそうではないようで。
「よく気付いたね、君。」
感心して口からころりとそんな言葉が転がり出た。
今度はあちらがぱちくりと瞬きをする番。
そうして少しはにかむと、お前のことはよく見てるからなとそうこぼした。
なんて恥ずかしいことをなんでもなさそうに言えるんだろう。
気恥ずかしくて視線を逸らす。
「もう、君はいつもそう。僕が頬を赤くするところを見て楽しい?」
「恋人の照れ顔なんていくら見たっていいものだろう。」
もっと見せてくれとせがまれる始末。
話の矛先を失敗したなと思いつつ咳払い。
「まぁ、そう言うことなら。引越、考えようかな。」
そう言うとそうかと一言呟いて彼は満面の笑みを見せてくれた。
これだから敵わないのだ。
僕のことを思っての選択なのに当人にその重みを感じさせずにただ嬉しいとだけ示すところ。
自分がやりたくてやったのだとそれを二人で選ぶことができたのが嬉しいのだと本気で思っているところ。
その本質には僕への愛があふれているところ。
僕だって彼のことを愛している。
でもこんな風には表せない。
純粋に好きだとも愛してるともなかなか言えない。
長く生きてきたくせに恋愛には及び腰だったからこんなときにどう言ったらいいのかわからない。
アキラはたかだか二十年ちょっとしか生きていないのに本当にすごいなとそう思う。
少しだけ悔しかったので手放しで喜んでいる彼のもとへと歩いて近づきその唇に口づけた。
「いい部屋を見つけてきてね。」
きょとりとした顔をすると途端にその顔は幼くなる。
険しさがなくなって遠き日の幼子の面影がちらりと覗くそんな幼さの垣間見える顔が実は密かに好きなのだ。
だってあの頃の君は小さくて温かくて丸っこくてとてもとてもかわいかった。
なにかにつけても優先してしまうくらいにかわいがった覚えがあるものだからついもう一度のその唇を奪った。
うん、あの頃の君にはこんなことできないな。
これは大人になった彼にだからできること。
我に返った彼に抱きしめられて身動きが取れなくなるまであと十数秒。
お前も一緒に選ぶんだよと言われて頷くまでに更に二分と少し。
こうしてこの部屋との別れが決まった。
うららかな昼下がり。
今日は二人揃っての休みの日で思い思いに椅子に腰かけお喋りに興じていたところへの突然の提案に面食らった。
僕に至ってはお気に入りのクッションソファにうつ伏せでだらしなく寄りかかり小気味よく弾む会話を楽しんでいたので一瞬なにを言われたのかわからなかった。
「なぁに、急に。」
小首を傾げながら尋ねる。
軽やかな音を立てて黒い三つ編みが背を流れた。
藪から棒にいったいなんだというのだろう。
「この部屋も手狭だろ? お前の持ち物も増えたし二人で暮らすと大家さんに伝えてあるとは言え、元々ここは一人暮らし用の部屋だから少し無理があると思ってな。」
そう言われてううんと唸ってしまった。
クッションソファの周りには僕の衣服や細々としたものが入れられた紙袋や大きな箱が乱雑に並んでいる。
確かにものは増えたとは思うけれどそれがすなわち即、手狭だから引っ越ししようなどという発想になるのだろうか。
「僕は今でも充分じゃないかと思うのだけど。」
なので思ったままを言ってみた。
途端、この部屋の家主である彼は困ったようにその太い眉を寄せてどうしようかという顔をした。
「費用の心配をしているのなら気にしなくていい。会社からの補助があるし親も保証人になると言ってくれてる。」
あぁ彼は本気なのだ。
言葉を選んではいるけれどこの部屋から出て別の家に住みたいのだ。
「なら、君のしたいようにするといい。でも僕は悪いけれど、金銭面では力にはなれないよ。」
在りし日の運命を手繰る力は最早ない。
僕自身の運はあまり良いものではないらしい。
魔人でなくなってから試しに買った宝くじは末賞にすらかすらず外れてしまった。
あれだけ狙って高額当選を出せたのに今やくじ引きひとつ当たらないのだ。
それを惜しいとは思わないけれど労働の対価の慎ましやかな給与ではこの部屋の家賃ですら払えない。
この部屋よりも広いところとなれば更に追いつかなくなることだろう。
心配しているのではなく迷惑をかけたくないのだ。
彼は知らないようだけど在留資格とやらは彼の願いを叶えるのが長期戦になると判断した際、魔人であったことをいいことにそれらしく経歴をでっち上げて運命を弄って手にしているけれどそれだっていつまで使えるかはわからない。
魔人の力を持たない自分はあまりにも無力だ。
できることは少なくて返せるものはもっと少ない。
こういったときに重荷にしかなれないのは辛い。
だからこの話題を嫌だなと思った。
「……この部屋には思い出が多い。できれば出たくない。でもたぶん、それだけじゃ駄目なんだと俺は思うんだ。」
少し風向きが変わってきたみたいだ。
考え考え言葉を形作ると彼は真摯に真っ直ぐとした視線でもってこちらを見つめてきた。
少し茶交じりの黒の三白眼は日本人特有の色合いをしているのにこの人のものだと思うと一等愛しく見えてしまうのだから不思議だ。
ちょっと強面の相貌をしているのに僕からするとそれすらかわいく映ってしまうのだ。
だって笑うとかわいい。
しあわせだなぁと呟かれて相好を崩されればこちらの胸も温かくなる。
いや、もちろん格好よくもあるのだけど。
あぁ余所事を考えている場合ではないや。
強い意思を感じさせるその眼差しをひたりと据えられるとこちらも真剣に相対しなければならない心持ちにさせられる。
クッションソファから起き上がりその上で正座をした。
「どうしてそう思い至ったのか、君の考えを聞かせて。」
改めて小首を傾げて聞いてみる。
褐色の指を口元にあてて考えるそぶりをしてみたけど恋人の言いたいことはよくわからなかった。
がしがしと頭を搔くと彼はうーんと腕組みをして言葉を組み立てようとしてみせた。
「たぶんなんだが、お前にとってこの家は砦なんだと思う。
お前を守る、最初で最後の砦。
でもだからこそ、ここを出ない限りお前は縛られたままなんじゃないかって俺はそう感じてしまうんだ。」
言われたことに驚いてぱちぱちと目を瞬かせた。
うん、言われてみてはじめて気が付いた。
砦、砦か。
そうかもしれない。
この部屋ははじめてこの男、アキラと出会った場所だ。
そして全ての願いを叶えた場所でもある。
だからこそ魔人としての僕が詰まった部屋でもありそこから脱却したその後の僕が立つところでもある。
有り体に言えば居心地がいいのだ。
願いを叶えたあとは僅かにだが力が滞留する。
まして長く生きた魔人であった自分を全て切り離したのだからその残留具合は歴代でも群を抜くほどだ。
今はその残滓を感じ取ることはできない身体になってしまったけれどどうやらその感覚を肌で覚えているものらしい。
この家にいるとなんだか息がしやすい気がするのだ。
それは恋人、アキラがいる空間だからと思っていたのだが、当人の見立てではどうやらそうではないようで。
「よく気付いたね、君。」
感心して口からころりとそんな言葉が転がり出た。
今度はあちらがぱちくりと瞬きをする番。
そうして少しはにかむと、お前のことはよく見てるからなとそうこぼした。
なんて恥ずかしいことをなんでもなさそうに言えるんだろう。
気恥ずかしくて視線を逸らす。
「もう、君はいつもそう。僕が頬を赤くするところを見て楽しい?」
「恋人の照れ顔なんていくら見たっていいものだろう。」
もっと見せてくれとせがまれる始末。
話の矛先を失敗したなと思いつつ咳払い。
「まぁ、そう言うことなら。引越、考えようかな。」
そう言うとそうかと一言呟いて彼は満面の笑みを見せてくれた。
これだから敵わないのだ。
僕のことを思っての選択なのに当人にその重みを感じさせずにただ嬉しいとだけ示すところ。
自分がやりたくてやったのだとそれを二人で選ぶことができたのが嬉しいのだと本気で思っているところ。
その本質には僕への愛があふれているところ。
僕だって彼のことを愛している。
でもこんな風には表せない。
純粋に好きだとも愛してるともなかなか言えない。
長く生きてきたくせに恋愛には及び腰だったからこんなときにどう言ったらいいのかわからない。
アキラはたかだか二十年ちょっとしか生きていないのに本当にすごいなとそう思う。
少しだけ悔しかったので手放しで喜んでいる彼のもとへと歩いて近づきその唇に口づけた。
「いい部屋を見つけてきてね。」
きょとりとした顔をすると途端にその顔は幼くなる。
険しさがなくなって遠き日の幼子の面影がちらりと覗くそんな幼さの垣間見える顔が実は密かに好きなのだ。
だってあの頃の君は小さくて温かくて丸っこくてとてもとてもかわいかった。
なにかにつけても優先してしまうくらいにかわいがった覚えがあるものだからついもう一度のその唇を奪った。
うん、あの頃の君にはこんなことできないな。
これは大人になった彼にだからできること。
我に返った彼に抱きしめられて身動きが取れなくなるまであと十数秒。
お前も一緒に選ぶんだよと言われて頷くまでに更に二分と少し。
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